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Interview

ゲームシナリオへの挑戦から作家デビュー!創作好きがコミカライズ作家になるまで

小説投稿プラットフォーム『テラーノベル』は、魅力溢れる作家・作品を広めるべく、テラーノベルに掲載された作品のコミカライズ展開を推進中!『Teller Novel more(テラーノベルモア)』は、そんなコミカライズの舞台裏や原作小説の制作エピソードなど、創作活動を後押しする情報をお届けしています。

今回は、KADOKAWAのコミックエッセイ電子書籍レーベル「LScomic」でコミカライズされた『不倫マンション 住人たちの乱れた秘密』の原作者・春野せりさんのインタビュー第2弾! 作家活動歴やアイデアのインプット・アウトプット法などなど、質問攻めにしちゃいました。

\コミカライズの心境や作品制作の裏側は?/
春野せりさんインタビュー第1弾を読む

公式作家デビューは、1通のDMから

Teller Novel more編集部(以下TNM編集部)
今やテラーノベルに多くの作品を掲載してくださってる春野さんですが、テラーノベルで公式作家として活動し始めたきっかけってなんだったんでしょうか。

春野せりさん
2018年ぐらいにTwitter(現在はX)に当時の編集さんからDMが来まして。それまではテラーさんのことはまったく知らなくて、DMが来て初めてテラーさんのことを知りました。

その時はテラーに普通のノベル形式の作品はなくチャットノベルだけだったんで、チャットノベルってなんだろう?っていうとこからスタートして。そこで「読み切り(※編集部注:1話完結型の超短編小説)を書いてみませんか?」って言われたのがきっかけでしたね。

TNM編集部
そうだったんですね。それまでも作家の活動をしていて、作家活動用のSNSにDMが届いたような形ですか?

春野せりさん
そうですね。作家というかライターのアカウントに。当時はまだ外で普通に働いてたんで、働きながら副業みたいな感じでシナリオライターをちょこっとやってました。その編集さんからDMが来なかったらテラーさんでのお仕事はなかったと思うんで、本当に大きな縁でした。最初に声をかけてくれた方には感謝ですね…。

最初の編集さんが声をかけてくれた時は私が違う仕事をやっていたので、すぐに執筆できなかったんですよ。その間に何回か編集担当さんが変わって、一番担当歴が長かった方と一緒に今回コミカライズされた『不倫マンション』(※編集部注:原題『マンション不倫』)を作ったんです。

TNM編集部
そうだったんですね。すごくいいご縁だ…(感激)。

テラーノベルに作品を掲載してみてどうだった?

TNM編集部
テラーノベルに掲載してみて、いかがでしたか?

春野せりさん
最初は、急に現れた新人作家なのに読んでもらえるのかな?って。その当時は新人さんが何人もいたので、別に私だけじゃなかったと思うんですけど。チャットノベルを書いたのも初めてだったので、不安の方が大きかったです。

でもはじめの作品が終わった後が連載作品だったんですけど、そのあたりからは結構楽しんで書きました。チャットノベルだと地の文もあるけど会話形式が多いじゃないですか。なので、自分にチャットノベルの形式が合ってるなって思い始めて、書きやすかったですね。

TNM編集部
ああ、それはすごいよかったです。チャットノベルは会話ベースで進められて自分に合ってるって言ってくれる作家さんが一定数いらっしゃいます!

春野せりさん
そうなんですね。書きやすい!って思いましたね、やっぱり。

TNM編集部
よかったです。テラーノベルに載せて、読者の方からリアクションもあったと思いますが、いいねやコメントって確認されてますか?

春野せりさん
そうですね。書き始めた最初の頃はたしかコメント機能がなくて、私の代表作かなって思ってる『ナイショの恋を、香くんと。』あたりからコメント機能ができました。

コメントは私の中で決めてることがあって、基本的にコメントを読んだらいいねさせてもらってます。それから、自分の作品に最初にコメントを残すようにしてるんですよ。なので、そこで反応してくれるユーザーさんもいますし、もちろんいいコメントから批判からいろいろあったんですけど、それなりに全部受け止めて…。キャラを応援してくれるコメントとかは、やっぱり面白かったですね。

TNM編集部
キャラへの思いを書いてくださる読者さんに対して、感謝している作家さんが多くて。やっぱりキャラに思いを寄せていただけるのは、作家として嬉しいものですか?

春野せりさん
感情移入してもらえてるってことかなと思うんで、やっぱり嬉しいですね。

作品へのコメントももちろん嬉しいんですけど、「今回の作品も読んでます」とか、いつも見てくれている方からのコメントは嬉しいですね。もちろん、新しい読者さんのコメントも嬉しいんですけど。

TNM編集部
ご自身のファンになっている方からのコメントってことでしょうか。

春野せりさん
そうですね。ユーザーさんがコメントにいいねくれたり、コメントに対してユーザーさんが返信をくれたりとかもしてたんで、それなりにコメント欄で交流できていたのかなっていう風に思いましたね。

TNM編集部
やっぱ直接のリアクションっていうのは嬉しいですよね〜。

春野せりさん
そうですね。テラーノベルに作品を多く掲載していたときは、たまに読者さんがXで「読んでます」って送ってくれることもあったんで、そうして交流してる時もありました(笑)。

現在は創作1本で活動中!春野さんの経歴にフォーカス

TNM編集部
次は、春野さんご自身についてお伺いできたらと思います。可能な範囲で構わないので、ご自身のプロフィールやこれまでのご経歴を教えてください。

春野せりさん
本業は事務やパソコンのインストラクターをやりつつ、2016年の秋ぐらいから兼業でフリーのシナリオライターとして活動を始めました。ちょうど2018年ぐらいにテラーさんから声をかけてもらって、それからライター活動はテラーさんの方で手一杯だったんでテラーさんのみでやっていて。現在は本業でフリーのシナリオライターとして活動してますね。

TNM編集部
そうなんですね。今は創作1本でお仕事をされているんですか?

春野せりさん
はい、そうですね。なんとかギリギリって感じですが…!

TNM編集部
2016年ごろからフリーのシナリオライターを始められたということで、創作活動もそのタイミングで始められたんですか。

春野せりさん
そうですね。その前も小説やシナリオとは別の創作をしていたので、創作歴は結構長い感じかなと。

TNM編集部
そうなんですね。作家になる前から別の活動もされていたってことで、元々自分の中から発想を生み出すようなことにご興味があるんだなと思ったんですけど、どうですか?

春野せりさん
それはもう学生の頃からありました。言葉とかそういうのが好きですね。 

TNM編集部
元々やっていた小説以外の創作から、小説に転換していったのは何がきっかけだったんでしょうか?

春野せりさん
ぶっちゃけ小説を作ろうと思ったわけじゃなくて。テラーさんは偶然ああいう形でしたが、最初にライターとして書いたのはゲームシナリオだったんですよ。なので、シナリオに興味があったって感じですかね。媒体云々じゃなく、創作に興味があったっていう感じだったんで。

自らの応募で掴み取った、ゲームシナリオの仕事

TNM編集部
なるほど〜。ゲームシナリオはどこかからお声がけされて始めたんですか?

春野せりさん
それは私の方から応募しました! 今でこそ少ないけど、その当時は募集とかもあったんで。ただ、外で働いてるってこともあってそこからなかなかライター業はできず、がっつりライター業をやり始めたのは、テラーさんが始まったぐらいかな。

TNM編集部
ゲームシナリオ制作などの活動を始めてからちょうど2年後ぐらいにテラーノベルの公式作家を始められたんですね。ゲームシナリオの仕事に自ら応募されたってことですが、実績としてどこかに作品を掲載されてたり、過去の作品を持ち込みされたりしたんですか?

春野せりさん
その前は別の創作をやってて小説の創作はしてなかったんで、掲載とかもしてなかったですね。ゲームシナリオの募集は規模が大きくて未経験でも可能って感じのところだったんで、過去の作品を見せたりとかはしてなくて、たしかトライアルとかを受けたんだと思います。

TNM編集部
じゃあ本当に募集を見て思い切って応募された形だったんですね…! そこからゲームシナリオの仕事を掴み、2年後ぐらいにテラーノベルから声がかかったっていう…本当にすごい縁ですね。

公式作家デビューは、創作活動の“ターニングポイント”

春野せりさん
そうですね。本当急だったんで何事⁉︎ って思ったんですけど。でもやっぱりそれが作家としての1つのターニングポイントにはなりました。

TNM編集部
ターニングポイント! 嬉しい限りです(泣)。

春野せりさん
そこはもう本当に間違いないって、私の中でも思ってますね。テラーさんで書き始めた以降に、仕事の連絡くれるクライアントさんも、「テラーで書いてるんですよね?」っていう反応がやっぱり多いんで。なので、結構私の代名詞みたいな感じになっちゃってるんですよ(笑)。

テラーさんは掲載している作品数が一番多くて、自分のブログにも作品の経歴を載せてるんで、テラーに連載してない時でも「テラーさんで書いてたんですね〜!」って反応するクライアントさんも多いです。だからやっぱり、ターニングポイントだなって思いますね。

TNM編集部
ありがたい…! ちなみに、ゲームシナリオをやられてテラーから声がかかるまでの間も何か活動をされていたんですか?

春野せりさん
その間も女性向けの音声作品のシナリオをちょこちょこ書いていましたね。

活躍の幅が広がり、今の仕事は「第一に楽しい」

TNM編集部
ゲームシナリオに自ら応募したところから、シナリオ制作・コミカライズなど着々と創作活動の幅を広げていっていると思いますが、これまでの創作活動を振り返ってどうですか?

春野せりさん
創作活動を振り返って…。テラーさんや音声作品などのこれまで自分が書いた作品に加えて、最近はボイスドラマとかシチュエーションボイスとか音声作品の仕事が結構増えてるんですよね。去年は漫画脚本も1作やりましたし、YouTubeの漫画動画のシナリオも結構な数書いて、いろんな媒体や分野で書いてきて…第一は楽しい!

なかなか自分の書きたいジャンルを書けないのは、お仕事なんでもう当たり前の前提としてあるけども、創作自体はすごく楽しいので、自分に合ってる仕事なのかなっていうのは思いますね。

TNM編集部
お〜。ご自身に合ってる仕事ができるって本当にいいことですよね。

物語のアイデアのインプットはどうしてる?

TNM編集部
ありがとうございます。 続いては、作品の制作についてお伺いさせてください。物語のアイデアはいつもどうやって生み出しているんでしょうか?

春野せりさん
インプットしてる時やドラマ見てる時、あとはお風呂でぼーっとしてる時とか、結構色々ですね。 それこそパソコンの前に座って、さあ書くぞ!みたいな感じで書く時もありますし。

TNM編集部
インプットと同時にアウトプットされるんですね!

春野せりさん
インプットはアウトプットのためっていう認識があるんで、その関係かな。そのせいで純粋にインプットが楽しめてないかもしれないですね(笑)。

TNM編集部
あるあるですね。 職業にするとどうしても純粋な楽しみ方ができなくなっちゃいますよね。ドラマを見る以外にも行っているインプットはありますか?

春野せりさん
あと漫画とか小説ですよね。やっぱり好きだし、漫画が一番多いかもしれませんね。あと音声作品のネタもチェックします。それと、お仕事に関係してくるジャンルは、人気の傾向のものを見たりしますね。例えば、ファンタジーで異世界のジャンルがずっと流行ってますけども、ず〜っと人気のジャンルでも転生者とか悪役令嬢とか人気傾向が変わってきたりすると思うので。

悩んだら考えない⁉︎ 春野さん流のつまずき解消法

TNM編集部
人気のものから得られるインプットで、また新しく作品を作られてるんですね。

今度はアウトプットについてですが、アイデア出しってほかの作家さんがつまずかれるポイントでもあって、春野さんでもアイデア出しにつまずくことはありますか?

春野せりさん
ありますね。ただ、テラーさんで書いている時はもうそういう脳になってたから、ぶっちゃけあんまりつまずくことはなかったんですよ。けど、最近はありますね。いろんな分野や媒体で書いてるっていうのもあるんですけど、その時はもう一旦考えないことにしてます。逆にもう悩んだら考えない。

TNM編集部
1回頭から全部なくしちゃうってことですか。

春野せりさん
そうですね。結局考えても思いつかない時は思いつかないんで、一旦離れて考えなくして、それで息抜きで違うことやっている時に、そういえばああいう案もあるかみたいな感じで出てくる時があるんで。あとはほかの仕事をしてる時もアイデアが出たりするんで、結局頭の切り替えをするのかなって感じですね。

TNM編集部
切り替え大事ですね。じゃあ1度脳をクリアにして、またぱっとアイデアが出てくる瞬間を待つような感じですね。

春野せりさん
そうですね。もちろん締め切りがあったら、パソコンの前に座って、んーって考えますけど、そうじゃない場合だと一旦離れますかね。

“引き”の達人、春野さんさんはどう身につけた?

TNM編集部
全体を通して作品作りの心がけってあったりしますか?

春野せりさん
連載ものですと、最後の“引き”は気をつけますね。最後は気になる感じで終わらないと、やっぱり次の話に飛んでもらえないと思うんで。これに関しては本当にテラーさんに鍛えられました(笑)。

TNM編集部
最後の“引き”、お上手ですよね…!

春野せりさん
長かった編集担当に「引き大事なんで」って一番言われたんで(笑)。引きに関しては本当にテラーさんでかなりがっつり勉強した感じですね。

TNM編集部
編集担当から“引き”についてアドバイスされて、それは作っていくうちに習得していったんですか?

春野せりさん
引きくださいっていうか、「最後を印象づけるように」っていう感じで。最初のうちはなかなかうまいことできなかったんですけど、繰り返し書いていくとかなり鍛えられたかなって思いますね。今では読み切り作品だったとしても、最後の終わり方に気をつけています。

TNM編集部
うんうん。引きを作るコツってあったりしますか?

春野せりさん
作品数が多いからできることなんですけど、別の作品の登場人物を持ってきて作品同士をリンクさせるとか。これはテラーさんの作品で結構やっていて、読者さんが気づいてくれるパターンが多かったんで、頻繁に作品を掲載してもらってる頃は、あらゆるところで以前の作品のキャラを持ってきてましたね。

TNM編集部
すごい〜! 読者の方、読んでてワクワクしますよね。

春野せりさん
当時はリンクしてるってわかってくれてる読者さんが一部にいたんで。コメント欄に「○○っていう作品の○○君がいた!」と書いてくれる人もいました。意図が伝わってるのは嬉しかったですね。こればっかりは、テラーさんの作品数が多いからできることなんですけどね。

TNM編集部
読者も面白いと思いますし、それはファンになりますね。そうして春野さん独自の工夫をされてたんですね。

春野せりさん
そうですね。ちょうど今連載してるサレ妻の作品(※編集部注:『サレ妻の密かな逆襲 ~社会的に地獄行き~』)も、以前の作品から何人かキャラをリンクして出してるんで。ただの登場人物で会話はしてないんですけど、人物名とか名称だけリンクして出してます。

今後チャレンジしたいジャンルは?

TNM編集部
春野さんが今後チャレンジしたいジャンルはありますか?

春野せりさん
恋愛ファンタジーですかね。けど、まだ私はそういう系がうまく書けなくて、いずれ挑戦したいっていう気持ちはありますね。あとは、映像系のシナリオにもチャレンジしたいです!

TNM編集部
恋愛ファンタジー! 個人的に最近ファンタジー作品にハマっているので読みたいです(笑)。シナリオもこれまでやられていたのは音声の方でしたもんね。

春野せりさん
そうですね。音声作品は自分の中で一番合っているジャンルなんで引き続きやりたいんですけど、新たにっていう感じですとこの2つですかね。

TNM編集部
また創作の幅も活動の幅もどんどん広げられていきそうで、ワクワクしますね。

春野せりさん
増やしていけるといいんですけどね。もちろん漫画の原作とか、そういうのも広げてはいきたいんですけども。

TNM編集部
すごい楽しみにしていますし、応援しています。テラーノベルも何か活動を支えられるようなことがあったら、今後もぜひご提案させてください。

春野せりさん
ありがとうございます。ぜひぜひ書かせてください!


活動の幅をどんどん広げていく春野さん。テラーノベルもその活動をもっと後押しできるよう、一緒に頑張っていきたいです。

テラーノベルはこういった小説のコミカライズプロジェクトを行う中で、より多くの作品と出会い、作品を日本・世界へと広めていきたいと思っています。コミカライズ等の二次展開をする作品は随時募集しているので、ぜひ春野さんのように、自らの手でデビューのきっかけを掴んでもらえらと思います!(作家募集の詳細はこちら

春野せりさんのインタビュー・作品はこちら

\コミカライズの心境や作品制作の裏側は?/
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\コミカライズされた作品をチェック!/
漫画『不倫マンション 住人たちの乱れた秘密』を読む

\春野せりさんによる原作小説はこちら!/
原作小説『マンション不倫』を読む
原作小説『マンション不倫 -シーズン2 交換不倫編-』を読む

今回協力いただいたクリエイター

春野せりさん(テラーノベル公式作家)

フリーのシナリオライター。チャットノベルやビジュアルノベル、シチュボ含む音声作品のシナリオ、YouTube動画シナリオ、漫画原作、女性向けゲームのシナリオ等も手がける。

テラーノベル作品一覧
https://teller.jp/user/2spruqvuat0r2-8469849086

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https://twitter.com/seri_haruno

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