テラーノベルの公式作家として活躍中のあおいさん。2025年3月にスクウェア・エニックス『マンガUP!』でコミカライズした『身代わりで嫁いだ冷酷国王は初恋相手でした』が、このたび、7月7日に単行本化&書籍化しました!
原作者・あおいさんにとって初の書籍化である本作。作品に込めた想いや魅力、そして読者への感謝を語っていただきました。
ーーこの度は、インタビューをお引き受けいただきありがとうございます。
改めて今回の単行本についてうかがう前に、簡単にあおいさんの自己紹介をお願いします。
あおいと申します。現在は主にマンガ原作、Web小説の仕事をしています。ジャンルは女性向け、異世界ロマンスファンタジーものが多いです。
過去には乙女ゲームのシナリオ執筆や、シナリオディレクターの仕事をしていたこともありました。

ーー今年3月にリリースされた、あおいさん原作の漫画『身代わりで嫁いだ冷酷国王は初恋相手でした』が、このたび単行本として発売されました。率直なお気持ちをお聞かせください。
素直に嬉しいです! ただ一方で、いまだに「本当なのかな?現実なのかな?」と信じられないというか実感がなくて、なんだかふわふわしています。
初めて“本”になる心境は、「驚きと感謝でいっぱい」
ーーすでにウェブで楽しまれていた本作ですが、単行本化に際して書籍としての発売も決まりましたね。
ご自身が携わった作品が書籍化されるのは初めてと伺いましたが、「本」というかたちで世に出ると聞いたときは、どんなお気持ちでしたか?
自分が関わった作品が書籍化されることが実際にあるとは思っていなかったので、最初にお話を聞いたときは本当にびっくりして信じられず…担当編集さんからの連絡を何度も見返してしまいました。ですが、すぐに喜びが湧き上がって、このような機会を作ってくださったことに、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
また、担当編集さんから、ご自身が担当された作品が書籍化するのは今回が初めてだと伺って、その初めての作品になれたことが嬉しく、常日頃お世話になりまくっているので、少しでも恩返しができていたら嬉しいな…とも思いました。

『身代わりで嫁いだ冷酷国王は初恋相手でした』のあらすじ
28歳、独身、彼氏なしの矢野奏衣は、ある日突然、異世界に召喚されてしまう…。そこには容姿が瓜二つの公爵令嬢リタ・スクラインとその父ザックがおり、『非情の狼』として恐れられる、独裁的でひどく冷酷な王ユージーン・エイスタロットにリタの身代わりとして嫁いでほしいと依頼される…。「召喚術は『異世界』から呼び寄せる事はできても、帰す事はできない」と言われ、八方塞がりの奏衣は仕方なくその話を受諾する。そしてユージーン王のもとを訪れた奏衣だったが、王の正体は実は――!?
異世界で初恋の人と再会を果たす、ファンタジーラブロマンス!
ーー本作はもともと、ウェブ小説として執筆された作品でしたが、発案に至ったきっかけや背景には、どのような出来事や想いがあったのでしょうか?
今も担当してくださっている編集さんから、執筆のお声がけをいただいたのをきっかけに制作が始まりました。現代もの、異世界もの、ちょっと変わった内容のものなど、いくつか案を出して、その中から選んでいただいたのが『身代わりで嫁いだ冷酷国王は初恋相手でした』でした。
案を出す際、恋愛ものにすることは決まっていたのですが、どんな内容がよいかわからなかったので、とにかくいろんな設定や世界観のものを見てもらおうと思い、当時、異世界ものを書いたことはありませんでしたが、流行っていたジャンルだったこともあり、何案か入れることにしました。
ただ、他の異世界作品とは少し違う感じにしたいな…という思いがあり、その頃に私が見た中では、“ヒーローも転生者”という設定の作品があまりなかったので、「もし現代でうまくいかなかった男女が異世界で再会したらどうなるんだろう…」というところから、元になる案を考えた記憶があります。
いくつかある案の中で、私自身もこの案を気に入っていたので、担当編集さんにも選んでいただけてよかったです。

ーー本作を執筆するうえで、特に込めたテーマや大切にした想いがあれば教えてください。
元の世界での後悔を抱えたまま、前とは違う異世界で再会するヒロインとヒーローのお話なので、再会したときにただ昔の気持ちが再燃するだけの恋愛にはならないように…とは考えていたと思います。
ヒーローのユージーン(保科くん)は国王になっていますし、ヒロインの奏衣も大人になっているので、変わらないところもありつつ、お互いに初めて見る顔があり、新たに恋に落ちていくようなところが描ければいいなと…。
それ以外にも、とにかく読んでくださる読者の皆様に、少しでもキュンとしたり楽しんでもらえるような作品にできれば、と思っていました。
テラーノベル様で作品が掲載されてから、たくさんの読者の方に読んでいただけて、楽しんでいただけて、本当に嬉しいです。
“冷酷さ”と“繊細さ”を併せ持つギャップに注目。原作者・あおいさんが考える本作の魅力とは
ーーご自身が思う、本作の “推しポイント” があれば、ぜひ教えてください。
やっぱり、ヒーローであるユージーン(保科くん)の二面性でしょうか。周囲に見せている『冷酷国王』の一面と、ヒロインの奏衣にしか見せない『繊細で優しい青年』の一面、そのギャップが私的に推しポイントです。
漫画版では、輝先生がそのユージーンの二面性をとても魅力的に描いてくださっているので、「本当にありがとうございます…!最高です…!」と原稿を見せていただくたびに拍手喝采しております。
また、小説のほうにもクスっとしていただけたらいいな…というやり取りをちょこちょこ入れているのですが、漫画版ではその部分を面白く、可愛く描いていただいているので、そこも注目して読んでもらえたらと思います。
ーーウェブでの連載から、漫画化、そして紙の単行本発売に至るまでの流れを振り返って、改めて今どんなことを感じていますか?
小説を読んでいただけるだけで十分嬉しかったので、漫画化は「されたらいいな…」と思いつつも、あまり考えず、期待しないようにしていました。
なので、今回のことは本当に驚きで、「漫画化をしたい」と言ってくださり、しかも以前から漫画を拝見していた輝先生にご担当いただけるなんて嬉しくて…何度も言ってしまいますが、このような機会をくださった関係者の皆様に感謝しています。
そして、今回漫画化・書籍化していただけたのは、作品を読んでくださった方がたくさんいたおかげでもあるので、読者の皆様に「ありがとうございます」とお伝えしたいです。

ーー現在、作家活動はどのように取り組まれているのでしょうか? 現在取り組んでいる企画や、日々の執筆スタイルなどがあれば教えてください。
今は、テラーノベル様で『王女様と体が入れ替わったので侍女の私が冷徹公爵の妻になります』が連載中です。登場人物たちの恋愛関係に変化が見えてきているところなので、ぜひこちらの作品も興味を持っていただけたら嬉しいです。その他には、他社様でマンガ原作も担当しています。
また、私は基本的にタブレット端末や紙に手書きで原稿等の下書きを書いてから、推敲や修正を兼ねてWordに打ち込むという形で制作をしています。効率が悪いよな…と思っているのですが、手書きの方が頭の中に浮かんだものをアウトプットしやすいので、なかなか変えられていません(笑)。
ーー執筆をするうえで、あおいさんが大事にしていること、特に意識しているポイントは何ですか?
原稿を一度書いたあと、自分が書いたものが読者の方にどう見えているか、どう思われるかをなるべく意識して推敲するようにしています。ただ、考えすぎると何がいいのかがわからなくなったりもするので難しいのですが…。
あと、執筆には直接関係ないかもしれませんが、健康には気をつけています。以前、腰を痛めてしまったときは、ベッドから動けない状態で仕事をしなければならず大変でしたし、体の調子が悪いと執筆に集中することも難しくなってしまうので…。今は、一日の始まりにストレッチや軽い筋トレをするように習慣づけています。
“また読みたい”と言われる作家を目指して。あおいさんの展望と読者・創作者へのメッセージ
ーーまた、今後の創作活動において挑戦してみたいことや、作家としての目標があれば教えてください。とくに、今回の書籍化という経験を通じて芽生えた新たな想いや展望があれば、ぜひお聞かせください。
挑戦というか、書いてみたい作品はいろいろあります。異世界ロマンスファンタジーだけでなく、現代を舞台にした恋愛ものや不倫をテーマにしたものなど、様々な作品を執筆できたらいいなと思っています。
それと、『またこの人の作品を掲載したい』『またこの人の作品を読みたい』と思ってもらえる作家になれるよう精一杯頑張りつつ、その中でもしまた書籍化などの機会をいただけることがあれば嬉しいですね。

ーーウェブ小説の頃からの読者の方々、そして今回の書籍化をきっかけに作品に触れる新たな読者の皆さまへ、メッセージをお願いします。
先ほどもお伝えしましたが、Web小説から読んでくださっている読者の方々には「ありがとうございます」と言いたいです。漫画では輝先生のお力でキャラクターたちが可愛く、かっこよく動いていて、また新たな気持ちで作品を楽しめるかと思いますので、ぜひ読んでもらえたら嬉しいです。
また、漫画から作品を知ってくださった読者の方々、初めまして、原作者のあおいと申します。お気に入りのキャラクターやシーンを見つけてもらえたら嬉しいです。もし原作小説にも興味を持っていただけたら、テラーノベル様にて掲載していただいているので、ぜひ読んでみてください。
ーーまた、これから創作に挑戦したいと考えているがテラーノベルで執筆したことがない方、あるいは将来的にコミカライズ・書籍化等を目指している創作者へ向けて、あおいさんからアドバイスや応援のメッセージがあればお願いします。
テラーノベル様は、通常のノベルとチャットノベルという二つの形態で作品を投稿ができるところが、すごくいいなと思っています。自分の書きたいスタイルに合わせて自由に創作・表現できるので、挑戦しやすいのではないでしょうか。
世の中には毎日たくさんの作品が生まれていて、自分の作品なんて埋もれてしまうかも…と思ってしまう方もいると思います。ですが、書き続けていればいつか、自分の作品を良いと言ってくれるたくさんの人と出会えるときがくると思うので、挫けそうになってもぜひ創作を続けてほしいです。
今回ご協力いただいたクリエイター
あおい
主にマンガ原作やWeb小説の執筆を中心に活動。女性向け作品や異世界ロマンスファンタジーを多く手がける。乙女ゲームのシナリオライター・シナリオディレクターとしての経験も持つ。現在、テラーノベルにて『王女様と体が入れ替わったので侍女の私が冷徹公爵の妻になります』を連載中。
🔗 X(@aoi_oaoaii_)
🔗 テラーノベル作品一覧
「身代わりで嫁いだ冷酷国王は初恋相手でした」はこちらから

あおい先生による原作小説をチェック
原作小説『身代わりで嫁いだ冷酷国王は初恋相手でした』を読む
コミカライズ版をチェック
コミカライズ版『身代わりで嫁いだ冷酷国王は初恋相手でした』を見る