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朝の教室はまだ少し静かで、窓から差し込む陽射しが机の上を温めていた 有馬純は後ろの席に座り、前の席でノートを広げる七瀬琉真をチラチラ見ていた ――やっぱり、琉真かっこええな… 心の中で小さく呟く まだ自分でも、なぜこんなに気になるのかよくわからない 横を見ると、白羽汐莉がノートを整理している いつもはおちゃらけてるのに、今日は真剣な顔だ
有馬純(ありまじゅん)
心の中で思いながら、ペンを持つ手が少し震えるのに気づく 後ろから声が飛ぶ
りん
振り返ると、加藤凛がにこにこしながら手を振っている
そよ
さらにそよも横でニヤニヤしながら
そよ
と小声で突っ込む ――うっ…見てるのは否定できんけど、恥ずかしいやん… 心臓が少し跳ねる
石井先生の声が授業を始める。黒板に板書する手元を見ながらも、俺の視線はやっぱり琉真に向いてしまう 板書の手つき、ペンを持つ指の動き、ちょっとした仕草…全部が目に焼き付く そんな時、汐莉がうっかり教科書を落とした
白羽汐莉(しらはねゆうり)
慌てて手を伸ばす俺 距離が近づき、胸がドキッとする でも視線は自然と琉真に戻る 後ろでは凛とそよがくすくす笑いながら
そよ
りん
と囁いている
みとは遠くでため息をつきつつ、こちらを観察中 授業が終わると、教室は一気にざわざわしだす みんなノートを片付けたり、友達と話したりしている 俺は少し遅れて立ち上がり、机の上を整理する 汐莉が教科書を抱えながら駆け寄ってくる
白羽汐莉(しらはねゆうり)
顔はまだ赤い
有馬純(ありまじゅん)
と思いつつ、視線は前の琉真に向いてしまう。 琉真は窓の外を見ながら、にこっと笑う
りん
その声にまた心臓がドキッとなる 休み時間は、凛・そよ・みとの小さな笑い声が教室に混ざる
そよ
りん
こそこそ囁かれ、内心さらに焦る俺 午後の授業はちょっと退屈に感じつつも、黒板の向こうで琉真がノートを取りながら話す様子に、心は離れない
放課後
部活の時間 俺は野球部のユニフォームに着替え、琉真はサッカー部へ 休憩中、偶然廊下で 鉢合わせした汐莉
白羽汐莉(しらはねゆうり)
有馬純(ありまじゅん)
なんでもない会話なのに、顔が熱くなる その日の最後、帰り道 凛・そよ・みと・汐莉と一緒に下校する 夕焼けが校舎を赤く染め、心の中のざわめきも少しだけ落ち着いた気がする でも、視線の先はやっぱり琉真… ――今日一日、色んなことがあったけど、やっぱり俺の気持ちは変わらんな 琉真を見てると、心がこんなに騒ぐんやな…って、少しだけ笑った