雪子
障子がすっと開いて、雪子さんが入ってくる。 白髪を綺麗にまとめた、優しい目をしたおばあさん。 阿部家に仕えて何十年も経つらしいけど
俺にとっては家族より、ずっと家族みたいな人だ。
亮平
雪子
亮平
雪子さんは目を細め、少し気まづそうに笑った
雪子
亮平
雪子
雪子さんはわざとらしくため息をつく
雪子
ちょっと嫌味混じったその言い方に、思わず笑ってしまった
亮平
雪子さんは僕に湯呑みを差し出す
亮平
すると雪子さんは俺の手を取り
雪子
亮平
雪子
雪子さんは笑ったけど、その目は少しだけ潤んでいた
少しすると廊下の向こうから、母と弟の楽しそうな声が聞こえる
華やかで、明るくて、俺の世界とは違う音がした
夕方、部屋で読書をしていると、雪子さんが少し緊張した顔で入ってきた
雪子
亮平
このときだけ呼ぶなんて、ろくな話じゃない
また、家の都合なんだろな
奥の間に入ると、父上と母上が座っており、その横には弟も膝を揃えていた。
母
亮平
父上が代わって説明をする
父
弟
母上が手紙を広げ、読み上げる
母
やっぱり、弟か 俺じゃない。当然だろ
心の中で苦笑する
弟は華やかで愛嬌があって、 俺なんかより、ずっと嫁に求められるタイプだもんな
弟
弟がきっぱり言い放つ
弟
弟
母
母
弟
あぁ、そうか、なるほど…俺は弟の代わりとして呼ばれたんだ。 父上も弟が拒むと知っていて俺を呼んだんだろう
父上が手紙を畳み、弟に言った
父
弟
弟の声が和らぐ
父
その言葉に胸がきゅっと苦しくなった
母
俺はゆっくり息を吐き、笑ってみせた
亮平
弟は「はぁ?いいの兄上?」と呆れた声をあげるが、これは家が決めたこと、俺が拒んでもその未来は変わらないだろう
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続き楽しみです🖤💚😊
めめあべ?