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わぁぁ!!!!! ありがとうございます!! めっちゃ可愛い!!最高すぎます!!ほんとにいつも神すぎる作品をありがとうございます!!⸜(*ˊᗜˋ*)⸝
あかりさんリクエスト
おんおら クリスマス
大変長らくお待たせしました。
なぜにこんなに遅くなってしまったかというところは前の作品にかいておりますのでそちらをお読みください。
重ね重ね、リクエスト下さった方、すいませんでした。
※おんおら
※おらふくんは東京に住んでる謎設定
※クリスマス要素がかなーり薄い
「…もう12月…か。」
クリスマスまでもう一週間もない。都内は一層クリスマスムードで、仲が良さそうなカップルをよく見かける。
「…ケーキと、クリスマス料理….惣菜でも買うかぁ。」
独り言を呟きながらご飯の準備をする。
「今年も一人かな。まあ、別に…寂しくなんか無いけど。」
寂しくないのは本音。
一緒に過ごしたい人はいるけど、きっと一緒に過ごしている人がいるだろうし。
今年もコンビニの一切れのケーキと惣菜を食べることになりそうだ。
「何ケーキにしよっかなぁ…ん?…これって…」
スマホの画面に映るは料理動画。
よくあるたった◯個の材料でできる!ってやつだ。
いつもなら気にしないところだけど、せっかくなら。
「作ってみてもいいか。」
台所の調味料を確認することにした。
「…おらふくん何ケーキが好きかなぁ…」
「ええ、クリスマス会やらへんの?」
『そぉなんよ。まあみんな忙しいんやろ。』
「そっかぁ。じゃあしかたないなぁ。」
『おん。お前も風邪とか気を付けろよ。』
「うん。じゃ、また同窓会とかでね。」
『おう。』
ピッ
「クリスマス予定無くなってもぉた…」
高校時代の同級生が、集まってクリスマス会しようぜ!なんていうから予定開けて楽しみにしとったのに。
まあ、ほんまはおんりーとおりたかったけど…おんりーはおんりーでだれかと過ごすんやろうし。しゃあないな。
僕が勝手に好きになって、勝手に気になってるだけだから。僕がおんりーの時間を奪っちゃだめだ。
「んー…ゲーム配信でもしよかなぁ。」
それなら、おんりー誘っても不自然じゃないかな。
そしてクリスマス。
「ん?おんりーから電話?なんやろ。」
結局、おんりーを配信に誘うこともできず。
一人でエペをやって配信を切った後の事だった。
「もしもーし。どしたん、おんりー。」
『ごめんねこんな時間に。配信お疲れ様。』
「うん。やっぱちょっとやらんかったらPS落ちるねー…」
『まあゲームってそんなもんよ。』
「そやなぁ。」
『…ところで、晩御飯ってもう食べた?』
「いや?今から買いに行こうかなぁと思っとったとこやけど。」
『…じゃあさ、今からなんか予定ってある?その…ちょっと晩御飯、作りすぎちゃって。』
「この後はもうなんも予定ないからええよ。すぐ行く!」
『ありがと。ホント助かる。』
「ええよぉ。じゃ、また後でな。」
『うん。』
思いがけずおんりーとクリスマスを過ごすことになってしまった。
「やっ…た!」
最低限の荷物をもって小走りで向かった。
「あ、ごめんねおらふくん!そこ荷物置いていいから!」
「おじゃましまーす…わ!めっちゃ料理あるやん!」
声のした方を見ると、台所で料理をするおんりーとテーブルに並べられた料理が目に入った。
「レシピにかいてあった分量2~3人分だったんよ…」
「あーwよくやるやつやなぁ。」
「そ。でしかも肉の下準備済ませちゃったから早く作っちゃわないと…」
「それでばたばたしとるんかwなんか手伝えることない?」
「あ、いいよおらふくんは座っといて!というかそこにあるやつもう食べといてほしいかな。結構あるから食べるの時間かかっちゃうだろうし。」
「たしかにめっちゃあるなぁ。じゃあお腹も空いとるし、遠慮なくいただくわ!」
「うん、食べて食べて!あ、でも美味しくなかったら全然残していいから!」
「いただきまーす!」
「….どぉ、かな?」
料理の手を止めておんりーが心配そうに台所からこちらを覗いている。
「…ふふ、めっちゃ美味しいよ!」
「…よ、よかったぁ…」
安心した表情を溢す。
「さすがおんりーやなぁ。お店で出してもええんちゃう?」
「さ、さすがにそれは…」
「あ、おんりー!油油!」
「え、あ!わ、わすれてた…!」
油がパチパチと弾ける音で思い出したのか急いでフライパンの方へ向く。
「わ、火強すぎたかな…熱っ..!」
「お、おんりー?!大丈夫?!」
急いで駆け寄る。
「あ、うん大丈夫…火傷はしてないから。」
「ほ、ほんまに?大丈夫なん?手ぇ見して?」
そっとおんりーの手を見る。
たしかに油が散ったわけではなさそうだ。
「大丈夫だってば…心配しないで?」
「だ、だって…てか、エプロンないん?」
「あるにはあるけど…着るのめんどくて。」
そういいながら下ごしらえを済ませた肉をフライパンに入れていく。
「もー、そんなんじゃほんとに火傷しちゃうよ?服も汚れちゃうし着た方がええって…」
「おらふくんが言うなら…じゃあそこの黒いやつとってくれる?」
「いいよぉ。これかな?はい。」
「ありがと。ほっ…と、ん….あれぇ…?」
エプロンの紐を首に通すまでは順調だったのに、紐を結び始めたとたん、おんりーの指が絡まるような動きをはじめた。
「….おんりー、もしかして紐結ぶの苦手?」
「う、いや…その、普段しないから…」
「はは、それくらいやったげるよぉ。ん、貸してー」
「ごめん、ありがと。」
「….よ、し。できたよ。」
「こっちも…うん、よさげじゃない?」
「お、ええやーん!おいしそ。」
「味見する?」
「する!」
「じゃあこのちっちゃいやつね。はい。」
と、当たり前のように箸でつまんだ肉をこちらに向ける。
「え?」
てっきり小皿にのせて渡されるものだと思っていたから驚いた。
「ん?食べないの?」
「い、いや!食べる食べる!」
「はい、あーん。」
「あ、あー….んむ。」
「味付けどうかな。一応レシピ通りではあるんだけど…もっと甘い方がいい、とかある?」
「ん!こんくらいがいい!」
「おけおけ。じゃ、これでいくわ。」
「はーい。楽しみにしとく~」
「うん。火傷せんように!気を付けるんよ!」
「わかってるってwてか、エプロンしただけじゃ別に火傷対策にはなってないし。」
「…あ!ほんまやん!」
「ま、こっからはちょっと炒めるだけだから。」
「ん、まあ…それなら大丈夫か。」
「だから続き食べてて。すぐできるから。」
「うん。」
言われたとおり、大人しく食卓に戻る。
なんかさっきのやり取りが夫婦みたいでよかったな、と思ったのは心の内に隠した。
最後の料理を作り終えて、おらふくんの向かい側に腰を下ろして手を合わせる。
「よし、いただきます。」
「うん!早よ食べて食べて!むっちゃおいしいから!」
おらふくんが普段以上の笑顔で言う。
「ふふ、うん。あ、んむ….ん、おいしい。我ながら結構うまくできた方かな。」
それに、おらふくんがこんな幸せそうな顔をしてくれるなら、どんなに手間がかかるとしても毎日作ってもいい。
「ねー!毎日食べたいくらいやわ、おんりーの手料理!」
….同じことを、思ってくれてた?
「….じゃあ、毎日作ってあげようか?」
確かめるように口から言葉が出る。
「…..ふぇっ….!?」
カチャン、と音を立てておらふくんの手から箸が滑り落ちた。
これを脈あり、ととらえていいものか。
「….俺、おらふくんのこと好きだから。毎日でも作ってあげられるかなって、思った。」
口から本音が溢れ落ちていく。
「どんなに手間がかかっても、幸せそうな顔見れるなら….って、思っちゃった。」
うっかり、全部言ってしまった。
「….っえ、ぁ…ぇ?」
驚きのあまり感情に表情も言葉も追い付いてないみたいだ。
その感情が喜びなのか、はたまた嫌悪なのか。
「….ごめん、なんでもないよ。忘れて。箸落ちちゃったから新しいやつ取ってくるね。」
なるべく、顔を見ないように立ち上がる。
本音を人に伝えるのは、本当に怖い。
それが相手にどう影響を及ぼすかが計り知れなくて、それが相手にとって良いのかが分からないから。
だからきっと、この涙もそんな恐怖からだ。
本当に、感情って複雑だと思う。
「….っお、んり!」
そんなことを思いながら台所に向かっていくと後ろから手を掴まれた。
「….なぁに?箸じゃない方がよかった───」
後ろから抱き締められた。
そう気付くのに少し時間がかかった。
「…ぼ、僕も!僕も…やから!」
「….?」
「ぼ、くもおんりーのこと、好き…やから。」
「….っえ、」
「やから…そ、その…ま、毎日でも作ってあげられるって言ってくれたこと、むっちゃ嬉しかった…んよ。」
「…..っえ…?!い、ま…..な…?」
….何て言った?
「うぅ….せ、せやから!僕もおんりーのこと、大好きやから!毎日料理作ってほしい!」
「…..えっ….!」
「ぁう….ほ、本音言うのってちょっと恥ずかしいなぁ…」
「….ねぇ、今そっち向いてもいい?」
「や、それはぁ….」
返事を聞く前におらふくんの方を向いて抱き締める。
「….ありがとう。」
自分の涙を気取られぬよう、強く抱き締める。
「….ふふ、俺はなんもしとらんよぉ。」
「….ほんとに、俺か作って良いの?おらふくんが食べる料理。」
「…おんりーじゃないと、やーだ。」
「….じゃあ、腕によりを掛けなきゃね。」
「ふふ。毎日の楽しみが増えた!」
「…ふふ、はは…」
こういうときに感情は便利だと思った。
幸せだ、と感じたら自然と笑いがでてきてくれるから。