──あれから、何日かたった。
結局、おんりーの返事は聞けないまま日にちが過ぎていった。
そして僕も、あの質問のことを忘れかけていた。
今日は二人でコラボ企画。これからディスコを繋いで撮影をする。
「あ、おらふくん?聞こえるー?」
「聞こえとるよーこっちの声も聞こえる?」
「うん、大丈夫そう。じゃ、撮影始めるねー」
「はーい」
────────────────────────
「今日やっていく企画は、リアルな世界でマインクラフトー!」
「いえーい!ってあれ?リアルなだけ?」
「そんなわけ無いじゃんおらふくん。」
「だよねーどんなチートが入るのかなー?」
「フッフッフ…チートとは限らないよ?」
「ええー…じゃあ鬼畜企画?」
「きっと鬼畜になります。」
「まじかぁ…それで、どんな要素が入るの?」
「今日は、5分ごとにものが消えていく世界でございます。」
「ものが消える?あ….」
「どうかした?」
「い、いや?何でもないよ?てか、結構鬼畜じゃない?」
「二人で協力して、エンドラ討伐しよっか。」
「よーし頑張るぞー!」
(そういえば、あの質問…おんりー覚えてたのかな)
────────────────────────
「そろそろ夜だし、ベッド作って寝よっか。」
「そうだねーモンスターめっちゃ怖そうw」
「確かに…あ…」
「ん?どうかした?おんりー」
「見てみて、空」
「…あ、月…すっごいリアルだね」
(あれ、言ってみようかな…おんりー分かってくれるかな…)
実は、こっそりどうにかおんりーに想いを伝えられないか調べてた時があった。
その時に見つけたあの言葉。
夏目漱石がI Loveyouを訳したあの言葉。
おんりーなら知っているだろう。知らなかったとてなんとも思われないだろう。
「ねぇ、おんりー」
「ねぇ、おらふくん」
かぶった。めっちゃかぶった。
「あ、ごめんおらふくんいいよ」
「え、あぁ、ありがとう。えっと…」
改めて意味知ってから言うの恥ずかしいななんか。
「えっとね」
わかってくれるかな
「その…月が綺麗だね。」
「…そうだねぇ。やっぱり影Modはすごいねぇ。」
「あ…う、うん、そうだね。」
伝わらなかった。結構勇気振り絞ったのに。
「ねぇおらふくん。」
「ん?なに?」
「今ならきっと手が届いちゃうね?」
「え….」
調べてるときにでてきた。
「おらふくんもお洒落なこと言うね。」
“月が綺麗ですね”の返し。
「お、おんりー知っとったんやね」
「うん。知ってたよ?ところでおらふくん。」
「ん?」
「月が綺麗ですねの意味知ってて言ったんだよね?」
「っ!…うん….。」
「なら、俺の返しも分かってくれたんだよね?」
「うん。もちろん。」
「じゃあ..これからもよろしくね?」
「もちろん!」
月が綺麗ですね
意味:I Loveyou
今ならきっと手が届くでしょう
意味:今ならあなたと付き合う気でいます