コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
チャイムが鳴り終わっても、教室のざわめきは消えなかった。
放課後の陽射しが斜めに差し込み、黒板のチョーク跡を淡く照らしている。
その中で――ひときわ目立つ二人がいた。
赫)「水、離れて」
机にノートを広げながら、赫が困ったように眉を寄せた。
赫)「え〜?赫ちゃん、また照れてるの?」
水は頬杖をつきながら、にっこり。
赫)「照れてねぇって!」
水)「そう? でもほら、顔、赤いよ?」
赫の耳がピクリと動いた。
その瞬間――水のスマホが、軽く震える。
**《運命値:+2》**
水)「ほらぁ。上がった」
赫)「上がったって何が!?」
水)「運命値〜 今日も順調に上昇中赫ちゃん♡」
赫)「……やめろ、その言い方!」
水はにやにやと笑いながら、スマホの画面を見せる。
そこには、二人の名前と並んで“相性98%”の数字。
ピンクのハートがぽわん、と浮かんでは消えていく。
水)「あと2%で運命確定だね〜」
赫)「確定しなくていいわ!!」
水)「えぇ、僕は確定したいけど?」
赫)「……ッ水!!」
赫ちゃんの反応がわかりやすい。
だから水は、つい、いじめたくなる。
水)「もしかして、赫ちゃんも気になってる?」
赫)「気になってない!」
水)「そう? じゃあこの前の“夢の中でも僕の名前呼んでた”って話は?」
赫)「誰が言ったそんなこと!?」
水)「いふくん」
赫)「アイツ絶対あとで締める……!!」
そんな二人を、教室の外からこっそり覗くクラスメイトたち。
モ)「ねぇ見て、またやってる」
モ)「もはや公式カップルでしょあれ」
水)「ねぇ赫ちゃん、外で見られてるよ」
赫)「うわ、恥ずいって!!」
水)「じゃあ照れたついでに、もうちょっと近づいちゃおっか」
赫)「やめろって言ってんだろ!!」
水)「……ねぇ、そんなに赤くなったら」
水)「運命値、また上がっちゃうよ?」
ピロン。
**《運命値:99%》**
赫)「もうっ、頼むから鳴るなぁああ!!」
水はくすくすと笑いながら、
そのまま机に突っ伏した赫ちゃんの髪をそっと撫でた。
水)「ねぇ、赫ちゃん。100%になったら、どうなるんだろうね?」
放課後の教室。
2人は今日も運命値で絡み合っている