テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
その後、わたしは無事回復し、歩けるようにはなった。どちらかというとこの傷はあおばに吹っ飛ばされた時に出来たんだけど…彼女にはそんな悪意は感じなかった。ていうより、あおばが無邪気な笑顔でリハビリをしてくれるから、悪意は絶対にないんだと思う。ここみも来てくれて、3人で手を繋いで歩いたりもした。なんか知らないけど木の棒でチャンバラごっこもした。全部負けたけど。その夜、またあかりが医療食を出してきた。「どうぞ、でももうあきたでしょ。」だけど、あかりがポケットから地球で言うパンを取り出した。「これも。」ポケットから出たものはあんまし食べたくないが、その時のわたしは苦い医療食ばかりで飽きていたから、一種の幸せの瞬間でもあった。あかりは私のことをじっと見ていた。なんだろうと思い、手を振っても、ずっと見たまま。「な、なんか付いてる?」わたしがそう聞くと、「しらないのですか。」「し、知らないかな…?」「はぁ。ここでは、あいさつやかんしゃをつたえるとき、あたまをよしよしするの。」そういって、あかりは頭を近づけた。わたしは言われるがままに頭をよしよしした。あかりは満足したのか、病床から出ていった。