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ある日の事だった。
中学の卒業生達で作ったグループLINEに、久々に通知が来ていた。
[みんなどう?元気してる?久々に会わない?]
[会える人だけで大丈夫だけど!]
クラスメイトからのメッセージだ。
すると、また次々にメッセージが出てきた。
[いいね!]
[場所はどこにする?]
[居酒屋とか!]
[ベタじゃない?全然いいけど(笑)]
………………中学、か。
どうしよう。彼奴、来るかな…………?
[うん、いいんじゃない?みんなでお酒飲もうよ(笑)]
あ……………彼奴からのメッセージだ。
ユーザーの名前は「悠木」。
アイコンはオレンジがかった綺麗な小麦色のビターバレン。だけれどプロフィールは見ることができない。
なぜなら私は彼のアカウントをブロックしているから。
自分の心の中で、あの時の気持ちが渦巻いていっているような感じがした。
高校卒業まで続いた元カレとの恋の記憶は、想いにあふれている。楽しさと、嬉しさと、ある時貴重な恋人という関係を自ら断ち切ってしまった悲しさ。
私が彼と別れた後、彼も私のアカウントもブロックしていたみたいだったし、電話もLINEのビデオ通話で済ませていたため、電話番号は知らなかった。その為あれから私達はお互い姿をこつ然と消したことになるだろう。
「はぁ……………なんでなんだろう。」
私はまた会えるかどうか分からない、彼への想いがあふれて止まらずにいる。
「どうしましたー?瑠菜さん。あ、それグループLINEですか?」「あっ…あ、はい。」
私はとっさに画面を隠し、向かいに座る有紗さんにニコリと微笑んだ。
今現在は、いつも通うカフェで、有紗さんと2人仲良くお茶をしている。
「どうしました?私でよければご相談にのります?」「…えっ。」「あ、そうですよね、すみません、私なんかに話せることなんて……」「あぁいや、そういうことじゃなくて、相談にのってくださるなんて、とても嬉しいです。親はどちらも心配性ですし、学生時代の友人も、今はみんな忙しいでしょうからあまり頼るのもよくないと思っていたので………。」「そうでしたか。」「それで………」
私は事情を話した。
卒業生のグループLINEで、同窓会を開くことを提案されたこと。
次々に賛成の意見が上がり、中高で付き合っていた元カレも同窓会に賛成したこと。
「元カレですか。それからよりを戻すとかはなかったんですか?」「………はい。実は…色々ありまして、私が自分から別れようって言ったんです。それからは連絡もとっていなくて………」「あら………それは大変でしたね。」「私も、みんなと久しぶりに会いたいのですけれど、彼と会うのはちょっと気がひくと言いますか………」「まぁ。悩ましいこと。そりゃあ別れて以来連絡もとっていない元カレと会うのは気まずいですよねぇ………何があったんですか?」「え、えっと…………」
私は言葉を詰まらせた。
あのことを話すべきなのか。