コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「ゴーゴリさん。それでは僕は死の家の鼠の会合に行ってきますので、家から出ないでくださいね」
散々僕を愛した後、そう言って、そそくさと去ってゆく小さくなる背中を見つめていた。
この分厚い扉の先にある、”自由”それに何故か僕は強く惹かれた
外に出ても、、此の容姿じゃ、どうせ嬲られて終わるだけなのに、何故か、、、今だけは、
春の始まりながらの爽やかな桜の匂いに包まれ、何故か胸がほっとする
と言っても行く先も無く、人気の無い道をフラリと歩いていた時、僕は物珍しい者を見た。
彼はスーツのような格好をしていて、此方に気付くとそっと悪戯に笑い掛けた
「其処の君、元気が無いぞ?良ければ、一寸私のショーを見ていかないか?」
普段なら断る筈だけど、不思議彼の笑顔に絆され、僕は道端にちょこんと座った。
鳩を出したり、トランプの数字を当てたり、決して高度なものではない。
しかし、それでも僕の心は、瞳は、彼のマジックに夢中になっていた
ショーが終わり、彼がペコリと頭を下げると僕の手から鳴る拍手と共に彼に問う
「なんで、顔も名前も知らない僕に、わざわざショーを見せてくれたの?」
彼は少し回答に困った様にふにゃりと笑った後、自身の事を語り始めた。
「実は、、、才能が無くてな。
もうマジシャンを辞めようと思ってたんだ、でも暗い顔をしてたから放っておけなくて、、、
仮面を被らなくても良い、有りの侭で良いって私は、伝えたい。
だからその為にどれだけ辛くても、足を止めて見てくれるお客さんの為に笑っていたいんだ。」
その話を聞いて、今迄感じた事のない感情を感じる
憬れ、感傷、、そして、初めての恋心。
ときめく瞳を何とか抑え込み、格好つけて彼に御礼だけ言い。立ち去った
幸いヒョードル君はまだ帰って居らず、ベッドでごろごろしてたら眠くなって寝ていると誰かにガーゼの貼られたおでこを撫でられる。
「話が有ります。ニコラーシャ」
next→♡11