この世界は嘘で出来ている。
嘘ついてるって知っているのになんで言い訳をするのか
僕には分からない。
僕は昔から人の心が読める。
そのせいで人を昔から信じれなくなって行った。
でも、四歳年上の兄だけは信じれた。
兄は純粋で嘘をつかない正直者だった。
兄はいつも優しくて、無愛想の僕でも笑顔で話しかけてくれて他の人も皆兄を頼っていた。
兄「龍斗兄ちゃん高校行ってくるな!」
龍斗「行ってらっしゃい…」
兄は高校一年生で部活が忙しいらしい
龍斗「僕も学校行かなきゃ」
本当は行きたくない。小学校に行っても沢山の人が皆に自分自身に嘘をついているところをまた見ることになってしまう。
僕の能力の事は他の人に話した事は無い。
もちろん兄にも。
理由は、この能力を知られたら、皆僕を軽蔑の目で見るかもしれないからだ。
「人の心読めるなんて気持ち悪い」
「いつも読んでたってこと?やば…」
正直皆に嫌われてもいいのだが…兄に嫌われるのは嫌だ
そんな事を考えていたら学校に着いた。
「みんなおはよ!(面倒くさ)」
「おはよ!(声でかうるさいんだけど)」
龍斗「…(皆やっぱり嘘ついてる…)」
龍斗「人間って面倒くさ…(小声)」
クラスメイト「よっ!龍斗!」
元気な声で挨拶してきたのはクラスメイトの圭太だった。
龍斗「圭太か…びっくりさせるなよ…」
圭太「ごめんて笑(こいつが驚くなんて珍しいな)」
龍斗「…(そんなに珍しいか…?)」
圭太「どうした?」
龍斗「なんでもない、それより教室行くぞ」
圭太「おう!(1時間目ってなんだっけ?)」
龍斗「そう言えば1時間目はお前が嫌いな算数だぞ」
圭太「嘘だろ!最悪なんだけど…」
そんなくだらない話をしていたら教室に着いた
いつもどうりの日常…あぁ全てが嘘になっていくんだな。
圭太「おはよう!」
クラスメイト「今日も元気だな!(学校来んなよ)」
龍斗「…(くだらないな)」
先生「授業始めるぞ!」
その後はくだらない授業を6時間目まで聞いて終わった。
授業が終わったら僕は直ぐに家に帰った。
龍斗「お兄ちゃんはまだ帰ってないか…」
大抵お兄ちゃんは帰ってくるのが遅い
だけど今日は一段と遅かった
龍斗「もう7時か…お母さんとお父さんの電話も無いな…」
お父さんとお母さんはいつも働いていて帰ってこないことが多い…ってのは嘘で本当は仕事はそんなに長くなくていつも2人で豪華な食事をとっていて僕たちは要らないらしい。
その時1本の電話がなった
お兄ちゃん「今から病院行くから準備してくれ…」
今日のお兄ちゃんはいつもより暗くて元気がなかった。
龍斗「分かった…」
その後お兄ちゃんが帰っていきて一緒に病院に行った。
その間お兄ちゃんはピリピリしていた。お兄ちゃんは学校から帰ってきたばっかりだからか制服のままだった。
お兄ちゃん「…(お母さんとお父さんは無事だよな…?)」
僕は驚いた。何となくだけどお父さんとお母さんが命の危機なのだと分かってしまった。
病院に着いたら、お兄ちゃんはお医者さんと話をしていた。
内容を聞いたら、お母さんとお父さんは死んでしまったらしい。僕はお兄ちゃんの顔を見たら、泣いていて僕はどうしたらいいか分からなくなってしまった。
その時誰かに呼ばれた気がした。
龍…斗…く…ん…龍斗…くん!
僕は驚いて周りを見たら病室だった。
龍斗「ここは…どこ?」
看護師「良かった…起きてくれた…」
僕はその時思い出してしまった。
あの時死んだのはお兄ちゃんでそれからお父さんとお母さんは僕に冷たくなっていったのは。
どうしてここに居るのかも思い出した。僕はお兄ちゃんが死んで精神がおかしくなってここに来たんだ。
あぁ結局は僕自身にも嘘をついてしまった。
嘘だと知っているのに帰ってくる訳じゃ無いのに。
お兄ちゃんと過ごす妄想をしてしまう。そうしないとまた。
僕がおかしくなってしまいそうだ。
嘘だって知っているのになんでだろう。
あぁやっぱり僕は嘘が嫌いだ。