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来栖怜カッコよすぎ!
天才少女はアレが苦手‼︎
「天才少女は虫が苦手‼︎」
上条玲奈は天才である。容姿端麗で文武両道。
完璧と言われる上条玲奈にも苦手なものは
ある。例えば、虫。無視も苦手だが虫の方が
もっと苦手。どれ程かと言うと、幼少期には
小さい蟻を見て悲鳴をあげていた程で、
高校2年になった今でさえ、蟻は平気になった
ものの、蛾を見ただけで数秒フリーズして
しまうのだ。
そんな玲奈は夏が少し苦手でもある。
「夏=虫が多い」という謎の偏見を持って
しまったからだ(事実でもあると思う)。
夏休みがあと数週間で始まるというせいで、
クラスメイトは浮かれている空気がする。
玲奈はこの空気が嫌いだ。蒸し暑い。
そんな中、女子の叫ぶ声がした。
「あ、虫!」
余程大きい虫なのか、少しの間悲鳴が響く。
玲奈は窓から一番遠い席。関係ない事だと
思い、涼しい顔をして担任の話を聞く、、、ふり
をする。全然関係ない事だと思えていない。
なんなら今手汗が止まらない。やばい。
嫌な予感がする。ふと、玲奈の視界を
黒いナニカが覆う。嫌な予感的中。
虫とやらは今玲奈の目の前に。
完全にパニックに陥った玲奈。
「〜〜〜ッ!!??」
声にならない悲鳴を上げた後、思わず椅子から
転げ落ちてしまう。そんな玲奈を見て、
教室が笑い声に包まれる。こちとらそんな余裕
は持ててねぇんだよふざけんな、と思いつつも
体が動かない。死を覚悟した玲奈。
だが、視界が開けた。
「大丈夫〜?」
「と、隣の席の来栖、、、!」
「いかにも!ワタシが来栖怜よ‼︎ワタシが来たからには平和は保たれたわ、、、!」
「来栖ぅーーー!!!」
そう。私の隣の席の来栖怜。名前が似ている
からというだけで仲良くなった彼女は、
虫が苦手ではない!!!!
___だが、勉強が壊滅的にできない。
テストは毎回赤点、宿題も毎日忘れ、教師から
も呆れられている。そんな彼女がクラスの
人気者なのは人柄故のことだろう。
「もう大丈夫よ玲奈、、、これからも、ワタシがアナタの事を守って差し上げるわ‼︎」
「やっぱり私にはアナタしかいないわ、、、!」
あれ、来栖って王子様だっけ⁇美しい服に身を
包み、私に向かって手を差し伸べる来栖、、、。
あれ?私達結婚でもするの?まぁ、それでも
いいわね。だが、そんな夢は一瞬にして砕かれる。
「はい、くだらない茶番してないで授業続けるぞー」
邪魔をしやがって、この担任。
私にしては珍しくふざけてることを楽しんで
いたのよ。邪魔をするなよこの悪者っ。
なんて思った事は口に出さず、大人しく私達は
席に着く。
ふと隣の席の彼女を見てみる。
すると私の視線に気がついたのか、美しい笑顔
を向けてくる彼女。
あれ?アナタ、やっぱり本当に王子様なんじゃ
ないの⁇
おわり。