こんにちは、樹です。
今回からループに入りますよ多分。
それでは第4話です。
Side リアム
ちりんと鈴の音が鳴った気がして目を開ける。
「は?」
あの屋敷の玄関?しかも今から上がるところだ。
だが、あの時、確実に俺は___
「どうしたのリアム?」
「あ…いや…」
唐突にスティーブに話しかけられて言葉が詰まる。
その間にもぺいんととリラさんの会話は続いている。
「お茶をいれようと思ったんだけど、ちょっと用事を思い出しちゃった」
「この廊下の突き当りの部屋で待っててくれる?」
「はーい!」
不味い、会話の内容がうまく入ってこない。
リラさんの足音が遠くなる。ほとんど聞こえなくなったところでぺいんとが口を開いた。
「よし、リラさんも行ったし俺等も素直に行きますか!」
部屋、行くのか?いや、今すぐ帰ったほうがいい。
「ッ…!」
勢いよく扉の方を向きドアノブに全体重を乗せて押す。
「ちょっリアムさん⁉」
開かない。やはり出られないということか。
ぺいんとたちの方に向き直す。
「おいお前ら」
「今から俺の言うことはすべて本当だ」
「へ?」
「俺達は一度此処に来て取材を終えている」
「ちょっと⁉どゆこと⁉」
「そして俺は何者かに殺された」
「んなメデューサ号の時みたいに!」
「安心しろ、今回は剣だ」
「なんにも安心できない!」
「いやいやいや…理解しろって方がムズくないですか⁉」
「リアム、どうした落ち着け」
「証拠!証拠を出せー!」
…こうなるから嫌だったんだ。ギャーギャーと騒ぎ立てる元囚人とスティーブ。
至って真剣な顔で俺を心配してくるステイサムさん。
「…証拠ならあるが」
ステイサムさんが天を仰ぐ。
「リアム、正気を取り戻して」
おいスティーブ、いつになく真剣な顔をするな。
まぁ無視して歩きながら話を続ける。
「今から入る部屋の間取りは扉から入って左手に暖炉、その上の壁に絵画がある」
「その付近に二人がけのソファが対面した形で2つ、その付近に一人がけのものが1つ」
「部屋の左端にチェストが一つ、中に聖書と___」
「これが入っていた」
一度死んだはずなのに、俺はまだペンダントを持っていた。
「…冗談ですよね?」
ぺいんとが神妙な面持ちで聞いてくる。
「俺は至って本気だが?」
率直に答えてやると、
「嫌だー!リアムさんがおかしくなったー!」
と叫び始めた。煩い。
「えっドア開けんの怖い、兄貴開けて?」
「…わかった、いくぞ?」
俺以外の全員が緊張しながら入っていく。
「本当じゃん⁉何で⁉」
ぺいんとの第一声で他の奴らも騒ぎ出す。
「エスパーだ!この人エスパーだ!」
「待って俺この部屋見たことある気がしてきた怖い!」
「これは…リアムを一度信用するしかなくなったな」
「でも殺されたんじゃん⁉脱出できないんじゃん⁉どうすんの⁉」
「「「「「「…」」」」」」
沈黙。正直言って俺もどうすべきかわからない。
「…いやまぁ僕ら脱獄したことありますからね?」
「まず第一に探索ですよね」
「どっから探ってく?」
この3人、本当に慣れてるな。さっきまで信じられないと騒ぎ倒してた奴らには思えない。
「人の家を荒らすのは不本意だが…やるしか無いみたいだな」
「そうだね」
全員の意見が一致したところでちょうど良く扉が開いた。
Side ぺいんと
リラさんと少しだけ話をしたあとに本題を切り出す。
「あの…良ければお屋敷の中を少し見て回ってもいいですか?」
「全然いいけど…物を壊さないようにね?」
あっさりOKが出た。
「やったー!」
思わず口に出して喜ぶ。
「じゃあ早速見てきます!」
一斉に部屋を出てアイコンタクトだけする。その後は2人1組に分かれて散らばった。
「やらなきゃいけないことは、本と鍵の回収だよな?」
「はい!」
俺はリアムさんとだ、てか足速いなこの人。
近くにあった部屋に入る。部屋のプレートには厨房と書いてあった。
「うわひっろ」
普通に一部屋が大きくて時間がかかりそうだ。
とにかく棚や引き出しを開けまくっていると、奥の方に行っていたリアムさんが声を上げた。
Side リアム
厨房の奥の方に探しに行ったら、何故か光る床を見つけた。
思わず声を上げると、直ぐにぺいんとがすっ飛んでくる。
「どうしたんです?」
「いや、急に光っている床があってな」
「?」
ぺいんとが首を傾げる。見えていないのか?
「もしかしたら…」
「えっ急にペンダント渡すじゃないですか」
「もう一度床を見てみろ」
「いや床は床ですよ…ってなんか光ってる⁉」
予想的中だ。このペンダントさえあれば見える。
「ちょっと調べてみますか!」
ぺいんとがそういった瞬間、急に電気が消えた。
第4話読了お疲れ様です。
ちょっと時間がなくて乱雑な部分があるので、もしかしたらまた修正が入るかもしれません。
それでは、また次回お会いしましょう。
コメント
5件