テラーノベル
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兄の元貴が嫌いだった
1歳しか離れてなかった俺達はいつも周りに比べられた
真面目で優秀で非の打ち所が無い兄、何も無い俺。いつも強い劣等感を感じながら生きてきた
兄とは反対の道に進むように高校に上がる頃には不良の先輩とつるむようになった
「滉斗、こんな時間にどこ行くの?」
「コンビニ」
「僕も行こうかな」
「1人で行くから着いてこないで」
「わかった…」
俺は兄に冷たい態度を取るようになった。落ちこぼれの俺となんていない方がいいに決まってる
「滉斗!!」
コンビニの駐車場で不良仲間とタバコを吸ってたら兄が駆け寄ってきた
「兄さん、なんでここに…」
「まだタバコ吸える年齢じゃないでしょ!
ほら!帰るよ!」
手を強く引かれて家に強制連行された
「邪魔しないでよ!何しようが俺の勝手でしょ!?」
「滉斗はほんとにこんなことしたくてしてるの?」
「俺は兄さんみたいになれないんだよ!!
頭がよくて何でもできる兄さんに俺の気持ちなんて分かりっこないよ!
やりたいことなんてわかんないけど兄さん見てると辛くなるから逃げるしかないんだよ」
気がついたらぼろぼろと涙が出ていた。
こんなに酷いこと言ったのに兄さんは俺を抱きしめてくれた。
「ごめんね滉斗、僕が助けるから」
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