コメント
2件
めっちゃ良かったです、、👏👏 続き気になる!!!
「っ…ハァ、ハァ…」
私はレミリア・スカーレット…吸血鬼だ……この世界では、人間の中にごく稀に、吸血鬼の血を持っている者がいる。こんな者が生まれてきてしまったのは、人間と吸血鬼が昔交した契約のせいだろう。吸血鬼は、時間と共に活性化し、生を受けて15年を過ぎるころには、完全体となる。そして、吸血鬼は悪魔の子だと考えられ、昔から忌み嫌われていた。その風潮は今も変わらず、吸血鬼は忌み嫌われている。
『痛い……痛い……』
そう思いながらも吸血鬼を狩る「吸血鬼ハンター」から必死に逃げている。走っている。
「今まで普通に過ごせてきたのにっ……なんで、なんでっ……」
私は走りながら口からこぼした。呟くように。嘆くように。
そう、吸血鬼は14歳までは普通の人間のような生活が送れるが、15歳になると背中に羽のようなアザができる。これがあると吸血鬼だとみなされ、殺害の対象になってしまう。私は高校受験後の検査で吸血鬼だと分かってしまったから吸血鬼ハンターに追われ、命を奪われそうになっている。無我夢中で走っていると大きな山に入った。そして私は、茂みに身を隠した。
「どこ行った?」「早く出て来い!」
そんな言葉がすぐ近くで聞こえてくる。
『ドッドッドッ……』
足音が近くなるにつれて鼓動も早くなる。私は必死に息を殺した。隠れてから20分くらいが経過した時、吸血鬼ハンターのリーダーらしき人物が言った。
「全ハンターに告ぐ。一旦引き上げる。拠点にて再度作戦を立て直す。繰り返す。拠点にて再度作戦を立て直す。一旦引け。」
その一声でハンターらは姿を消した。私は走り続けて疲労した心身を癒すために茂みで眠りについた。
朝になった……今までは好きだった朝。いつでも来てくれる素晴らしいもの。そう思ってた。しかし、吸血鬼になってからは、日光に長時間当たれない体になってしまった。私は木陰で日光を避けながら山の奥へと進む。しばらくすると1本の大きな木があった。私はふと感じた。
「きれいだな」
気付けば私は大きく勇敢な木に手を触れていた。私を光が包み込んだ。