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戦場の煙は、まだ冷めていなかった。焦げた土の匂いが、彼の赤い軍服に染みついて離れない。
——大英帝国。
大英帝国は、静かに地図を見つめていた。
その地図の上で、赤く塗られていた領土の一部が――黒く塗り潰されている。
第十三植民地ーーアメリカ
かつて、大英帝国の誇りであり、支配の象徴だった土地。
もう、そこに“領土”はなかった。
🇬🇧👑「……独立した、のか……」
自分の声が震えていることに気づき、大英は歯を噛みしめた。
周囲の植民地たちは誰も目を合わせない。
大英帝国の手の中で、ティーカップがわずかに揺れ――中の紅茶が静かに波打つ。
🇬🇧👑「……これは一時の敗北だ。再び立て直せば——」
言いかけた瞬間、扉が開いた。
🇫🇷👑「やぁ、ブリテン。少し気になったんだけど…“一時の敗北”、ね?本当にそう思っているのかな?」
フランス帝国が、薄い笑みを浮かべて現れた。
戦勝国の余裕を全身にまとい、まるで劇を見物するような眼差し。
🇬🇧👑「……貴様、来るなと言ったはずだ」
🇫🇷👑「でも、英帝の顔が見たくてね。勝者として、哀れな覇者を慰めに来たんだ」
その言葉に、大英の拳がわずかに震える。
誇りが、痛みのように胸を突く。
🇬🇧👑「……慰めなど要らん。貴様のような偽善者に、私を理解できるものか」
🇫🇷👑「偽善?違うよ。僕は……君の“変わりゆく顔”を見るのが好きなんだ」
フランスが一歩、近づく。
冷たい指が大英の顎を持ち上げ、無理やり視線を合わせた。
🇫🇷👑「ねぇ、英帝?君が“完璧”でなくなる瞬間こそ、一番美しいと思わないか?」
🇬🇧👑「やめろ…気色悪いっ…!」
大英はその手を振り払う。
だが、かすかな動揺が瞳に浮かんでいた。
その隙を、フランスは見逃さなかった。
🇫🇷👑「強者は孤独だよ。でも、君が堕ちていくなら……僕が見届けてあげる」
扉が閉まる音だけが、部屋に残った。
コツコツ。広い廊下を1人で歩く。
🇫🇷👑「どれだけ君は僕に堕ちてくれるのやら…楽しみだなぁ」
その夜。
大英帝国は生きてきた中で二回目の、ワインを手に取った。
🇬🇧👑「はぁ……何なんだ」
葡萄の香りは、悔しさと混ざって――ほのかに甘かった。
お久しぶりです…!
活動休止しててすいませんでした!
活動休止の理由が、勉強だったのにブラウザチャットにハマって勉強を全然してません🤗
中間テストがどうなる事やら…:(;゙゚’ω゚’):
ではまたー