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「もう時間よ。」
母親がそう言った。アニメを見ていたから、やめたくない。
僕の両親は良い言い方をすると教育熱心なもので、スマホやゲームなんか触れやしない。いんく島での生活には支障はなかったけど。
まぁ、子供に「りもこん」と名付ける時点で変だとお察しではあるが。
「あと3分!」
「もう、しょうがないわね。」
そう言いつつも、目はおおらかだ。
「ほんとに3分だから。」
「どうかしら、見ものね」
「〇〇県〇〇市で男性が殺害されました。」
ラジオがそう告げた。アニメの邪魔をされて少し腹が立ったがその男の姿を見て思わず目を見開いてしまう。
「この人、今日会った人だ…」
「なんですって!?」
母親が驚くのも無理はない。
ポチッ
「ねぇ、まだ見てたよ!」
「あと3分って約束でしょ?」
「知ってる人が殺されたんだよ?」
「たまたま似ていただけじゃないの?」
そんな訳ない。そんな年でもないし…
「馬鹿なこと言ってないで、宿題でもやりなさい。報告の時間を始めるわよ。」
報告の時間とは我が家にあるルールみたいなもので、僕がリビングの椅子に座って今日あった出来事を話すこと。最初は面倒くさかったものの、もう慣れてしまった。
「さぁ。」
期待しているように、母親が隣に座ってくる。
「ええっと、まず…」