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#けちゃちぐ
522
※二次創作
※nmmn注意
※初心者の為下手です、注意
※ご本人様には一切関係ありません
10月4日
「いるまくん…っ、!」
「え、何?」
「ぇっと…これっ…落としたから…っ、(財布)」
「あ、マジ?さんきゅ。
えーっと、、
ごめん、誰だっけ?」
あぁ、もう
名前すらも思い出せなくなっちゃったの、?
俺のこと、忘れちゃうの、?
さっきまで聞こえていたはずの声が、急に遠くなる。
足元が少しだけぐらついた気がした。
やっぱり、だめなんだ。
何かが、決定的に終わった気がした。
なんとなく、
なんとなくわかってた。
もう思い出してくれないんだな、
忘れちゃったんだなって、
わかってたのに、
心が抉られるようだった。
まさかこんなにすぐ忘れられると思わなかったなぁ…っ、笑
10月13日
授業が終わったあと。
ノートを回収するらしく、
俺の班の回収係はこさめちゃんだった。
ノートを差し出す手が、少しだけ震える。
このくらいで、と思って、力を込める。
「雨乃さん…これ…っ、、」
「あ!ありがとねっ!
あと提出してないのは……」
こさめちゃんは、
まだなにか言っていたような気がしたけれど、
うまく頭に入ってこなかった。
もう、気づけば——
こさめちゃんたちのことは、
苗字にさん付けで呼ぶようになっていた。
”あの日”から、
5人と向き合うのが、少しずつ怖くなった。
思い出してもらえないかもしれない。
——いや、きっともう、思い出されない。
それでも、
ほんの少しだけ期待してしまう自分がいて、
そのたびに、
自分で打ち消した。
どうせ、
裏切られるだけだから。
だったら——
最初から、期待しなければいい。
その方が、楽だから。
気づけば、
楽な方へ、楽な方へと逃げていた。
何をしているんだろう、と
ぼんやり考える日もあったけれど、
もう、いい。
これ以上、傷つきたくない。
信じて、
裏切られて、
また失うくらいなら——
最初から、何も持たない方がいい。
だから今日も、
俺は選ぶ。
何も感じなくていい場所を。
10月26日
放課後。
西日の差す薄暗い廊下には、
部活に向かう足音と話し声が響いている。
俺はすちくんを探していた。
理由は委員会活動。
幸か不幸か、
俺はすちくんと委員会が同じだった。
加えて、すちくんは委員長で
俺は副委員長。
——あの頃の俺を、少しだけ恨みたくなる。
でも。
今さらどうにもならないことくらい、
もうわかっている。
すちくんのクラスを見つける。
息を大きく吸って、
ドアに手をかけた。
「…ぁの…、」
「………」
机に突っ伏して、
寝ている。
そのおかげかどうかはわからないが、
先程の緊張が少しほぐれた気がする。
「…あの…、!」
少し声量を上げて、
声を出してみる。
「んぇ〜…どちら様ぁ〜…、?」
のびやかで、力の抜けた声が、
静かな教室にゆっくりと広がっていく。
「黄原です…、」
——このやり取りにも、もう慣れた。
最初は、名前を聞かれるたびに、
胸の奥がきしむみたいに痛かった。
でも、何度も、何度も繰り返されるうちに、
その痛みは、少しずつ薄れていって。
気付けば、何も感じなくなっていた。
「…うちのクラスだっけぇ…、?」
「…っ、そうだよ…っ、?」
「あれぇ…おかしいなぁ……、」
すちくんが首を傾げる。
『どちら様だい?』
『ほう。みことくんか。』
ぼんやりと、
何かが聞こえた。
聞き覚えがある、声。
みことだよ、
なんで忘れちゃったの、?
声に出して言えたら、
どれだけ楽だったんだろう。
なんで、
どうして、
喉の奥で、言葉が引っかかる。
俺は、
こんなに苦しい思いをしてまで、
ここにいるのに。
胸の奥に、重たいものが溜まっていく。
黒くて、形のないものが、
ゆっくりと広がっていくみたいに。
息をするたびに、それが揺れて、
うまく呼吸ができない。
——こんなこと、考えたくないのに。
誰も悪くないことも。
責める相手がいないことも。
わかっているのに。
どうしても、
心のなかにある黒いものは、
消えてくれなかった。
「…………、」
足元が揺れる。視界の端から色が抜けていく。
誰かの声が聞こえるのに、言葉として届かない。
どうしたんだろうなぁ…、
多分すちくんの声だよなぁ…
また4人と話してるのかな…。
もうここに俺の居場所は…、
ない、よね。
「『みこちゃんっ!』」
誰だろう。
久しぶりだなぁ…、
「みこちゃん」って呼ばれるの。
あったかい。
ありがとう。
俺は謎の安心感と温もりに包まれて、
意識を手放した。
コメント
3件
展開が読めなさすぎてめっちゃおもろい! でもやっぱりちょっと悲しいな… 続き楽しみすぎる!