四季 「ムダ先。」
無陀野 「……。」
四季 「…ムダ先…っ…!」
四季 「……無視すんなって…。」
四季 「…俺が告白したから……?」
四季 「……そんなに嫌だったのかよ…。」
無陀野 「………違う…。」
四季 「…じゃあ何でっ__」
四季 「……いくらなんでも無視は酷ぇだろ…。」
無陀野 「……すまない。」
無陀野 「………俺はお前が好きだ。でも付き合えない。」
四季 「……何で…??」
無陀野 「…俺が鬼だからだ。」
四季 「…え……?」
無陀野 「…仲間を失った時から闘う為だけに生きる事を選んだ。今更普通の幸せを手に入れる気なんてない。」
無陀野 「……俺は特別な存在を作るつもりはない。」
四季 「…っ……。」
無陀野 「…俺の言ってる意味をお前も理解出来るはずだ。」
四季 「……分かるよ、痛ぇくらい…。俺も同じ鬼だから。」
四季 「……けどさ、鬼だからって…そんな寂しい生き方しなきゃなんねぇのかよ…??」
四季 「…俺たちにだって普通に幸せになっていい権利があるはずだ…!!…だから…っ、そんな悲しい事言うなよ……。」
無陀野 「…俺だって本当ならそうしたい。」
無陀野 「……だが、俺たちはいつ命を落としてもおかしくない。」
無陀野 「…俺とお前が恋人になっても、どちらかが先に死ぬかもしれない。……残された方はどんな気持ちになる?考えれば分かるだろう?」
無陀野 「……俺はお前とは付き合えない。…いい加減諦めろ。」
四季 「……分かるけど…分かんねぇ…。」
四季 「…分かりたくねぇよ…っ゙!!」
四季 「…俺が綺麗事言ってんのは分かってる…っ…。けどさ……、やっぱりおかしいだろ…、こんなの…!!」
腕掴)
無陀野 「…!」
四季 「…ムダ先の気持ちは分かる…。けど…、鬼だからって…普通の幸せを手に入れる事すら許されねぇのかよ…?!」
四季 「だったら俺が変えてやる…!」
四季 「…俺が…っ、皆を守れるくらい強くなって…鬼が笑って暮らせる世界にしてやる…!!」
四季 「…だから…っ゙……諦めんなよ……。」
四季 「……闘う為だけに生きるなんて…そんな残酷な事言うなって…。(震」
無陀野 「……いい加減にしろ…。」
振払)
無陀野 「…鬼と桃の戦争はもう何千年も前から繰り返されている。」
無陀野 「…本当なら俺たちの代で全て終わらせるつもりだった…。なのにこのザマだ。」
無陀野 「…子供一人の力で何が出来る?」
無陀野 「……都合のいい幻想を抱くのも大概にしろ…。」
四季 「…分かってるよ…っ゙!けどムダ先だって分かってるだろ…?!」
四季 「俺が都合のいい夢物語ばっか語ってムカつく気持ちもわかる…っ。けど、俺が言わなきゃ誰が言うんだよ…?!」
四季 「一人くらいこういう奴が居ねぇと…、皆空気に気圧されて精神的にどんどん弱ってく一方だろ……!!」
四季 「……俺はただ…っ、仲間を守りてぇだけなんだよ……。」
無陀野 「……それは俺も同じだ…。」
無陀野 「…だからこそ、この命が尽きるまで闘い続ける必要がある。」
無陀野 「…それが鬼として生まれた俺の使命だ。」
四季 「……ムダ先…っ゙…!!」
無陀野 「…お前は少しでも幸せになる努力をしろ。」
無陀野 「……俺みたいにはなってくれるなよ。」
続く。
今回はむだしきです!さっき桃源暗鬼の漫画を読んでまして、矢颪の過去編を見たのですが…、本当にどの鬼も辛い過去を持っていて切ないですよね。何の罪もない鬼が無差別に殺されたり大切な人を奪われたり…。でもそれは桃側も同じで、暴走化して自分の意思なしに無差別に殺してしまうだけの鬼を意図的に殺してると勘違いして、まぁお互い奪い奪われの関係ですよね。自分がどちらの立場でも、どうすればいいのか分からないし、どちらが善悪なのか全く分かりません。鬼も桃も、大切な人の為に命を懸けて闘う人達ばかりで本当に素敵だし、桃の事も恨みきれません…。こんな素敵な作品を作ってくださった漆原先生に感謝ですね。いつも拝読して下さっている皆さん、コメントして下さっている皆さん、本当にありがとうございます。これからも頑張って活動していくので、温かく見守って頂けると幸いです。本当にありがとうございました。
コメント
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続き楽しみにしてます(*^^*)
ガチ泣きしてしまった( ;꒳; )
このムダ先の葛藤がわかりすぎて、めっちゃ良かったです。 続き待ってます(^^)