雷亜視点
〜集会中〜
雷亜「はぁ…」
若狭「雷亜どした?何か元気ねぇな 」
雷亜「うん…まぁ…」
学校が終わり帰宅した後、俺は東卍、天竺、黒龍が合併宣言する集会に来ていた。まぁ何故その集会で俺が幹部である若狭と話しているかというと、俺も若狭と同じ黒龍の幹部だからだ。
武道「あの…雷亜君」
雷亜「あぁ…武道か…何かごめんな、色々と」
武道「いや!大丈夫っスよ!
アイツ…大丈夫なんスか…」
雷亜「いや、分かんねぇ…」
俺がそう言うと、武道は不安そうな顔をした。
武道「そ、そうっスよね💦すみません」
マイキー「そういやさ、武ミッチと雷亜って
どういう関係?」
雷亜「万次郎敬語使え、馬鹿
年上だぞ、俺 」
急に話に割り込んできたコイツは東卍の総長で真一郎の弟。マイキーこと佐野万次郎。
佐野家は俺が黒龍に入ってからずっと世話になっている。特に、おじいさんとエマには梨々の事で世話になりっぱなしだった。
真一郎とは梨々の事でむしゃくしゃして不良をボコしてる頃に知り合った。
その頃は黒龍と佐野家、そして天竺にも何故か世話になるとは思ってなかったのだ。
真一郎「龍の事か?」
真一郎が察したように聞いてきた。
雷亜「うん、まぁ…」
俺は肩をすくめた。俺が黒龍に入った時期は
龍こと俺の妹、梨々が男装し自分を隠すようになった時期と重なるからだ。
黒龍の幹部や佐野家にはよく世話になっていた。
千冬「天竺、遅いっスねぇ…」
天竺が遅いのは別に珍しい事ではなかった。
むしろいつも通り。いつもヘラヘラしているイメージがあるが集会に遅れてくる際には全員の顔が曇っている。
雷亜(何かあったのか…?)
そう思っていると、
梨々「ふざけんな!降ろせ!」
梨々の罵倒が聞こえてきた。
イザナ「悪ぃ、遅れた。
コイツが3回脱走して」
梨々「脱走じゃねぇ!いいから離せ!」
階段を淡々と上がってイザナ率いる天竺がやっと姿を見せる。しかし、蘭の肩にはいつも不在のもう1人の幹部の姿があった。
蘭「はいはい、暴れないの」
梨々「この誘拐犯!通報してやる!」
竜胆「龍、それだけはやめて。 兄貴、真面目に
サツに捕まっちゃうから。」
ソイツはジタバタと手足を動かして何とか逃れようとするが、蘭には全く効いていない。
ソイツは天竺の特服を着て髪先が赤黒く染まった長い白髪を後ろで束ねている。しかし、髪飾りはまるでイザナが自分の所有物であるのを表しているような赤の玉飾りと白い札のついた、見た事のない飾りがついた髪飾りだった。
梨々「くそッ…このッ!」
ガンッ!
蘭「痛って!」
蘭の鳩尾を蹴り、一瞬力が弱まった隙にソイツは逃げようとする。が、
竜胆「ほら、捕まえた〜」
すぐ竜胆に捕まっていた。
梨々「嫌だッ!絶対嫌だッ!」
竜胆から離れようとするが、龍は、梨々は女だ。力で竜胆に勝てる訳がない。
梨々「離せよッ!(泣)」
とうとう泣き叫びながら暴れている。
梨々「離せぇッ!(泣)」
鶴蝶「龍」
梨々「何だよッ!(泣)」
鶴蝶「何が怖いんだ」
梨々「うるさいッ!(泣)」
ドンッ
竜胆「いッ…」
鶴蝶は梨々から目を話そうとしなかった。
梨々「お前らにッ…お前らに何が分かる!」
梨々は泣きながらそう言った。
梨々「ただこの姿でッ性別でッ
生まれただけなのにッ(泣)」
あぁ…分かっていたはずなのに…
梨々が、ずっと引きずっている事も。
目の前のこの子はただボロボロと涙を流し続ける。自分を受け入れたくないのか、受け入れて現実を受け止めるのがただ怖いのか。
この子をこうした犯人は、今の所まだ捕まってない。
俺が、捕まえて殺さなければ
この子が黒く染まる前に
蘭「少し眠ってろ」
トンッ(手刀)
梨々「うあッ…」
ガクッ ドサッ
梨々「天竺の獣ッ…めッ…」
イザナ「気絶したか?」
蘭「したんじゃない?」
梨々「…ニヤッ」
雷亜「?」(何だ?違和感が…)
梨々「もう染まってるよ」
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