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us「数年前…同級生から性暴力を受けていた時、貴方に助けてもらったんです」
us「その事があってから、俺はgtさんが大好きで大好きで堪らなくて」
us「俺は高校を中退して親にも見放されたから、もう貴方しか頼れる人は居なくて…」
us「だ、だから…」
伸ばした手が、なんの躊躇いもなく彼の足首に巻きついた。
怯えながら肺いっぱいに空気を吸い込み、震える声を無理やり押し出す。
us「俺の事、地下室に1人にしないで!!お願い…!!」
静寂を引き裂くように、その叫びは放たれる。
胸が痛むほどの力で、何度も、何度も「お願いします」と繰り返した。
gt「…なぁ」
ようやく口にした彼の声は、空気を震わせるように低かった。
次の瞬間、彼の拳がためらいもなく振り抜かれる。
us「うあ”っ!?」
空気を裂く鈍い音のあと、衝撃が一拍遅れて伝わってくる。
gt「その顔すんのやめろって言ったよな?」
gt「俺の母親に似て、何処と無く虫酸が走るんだ」
頬の奥で、鈍い痛みが脈を打っていた。
触れなくてもわかる。そこに、確かに何かが残っている。 時間が経てば引くはずの痛みなのに、むしろじわじわと広がっていくようだった。
息をするたび、わずかな振動が伝わって奥のほうまで響く。
顔はいつの間にか、彼の両手で掴まれていた。
gt「笑って」
そう言われると咄嗟に、一瞬だけ表情を固めた後、一生懸命に口角を持ち上げた。
唇は笑みの形をなぞっているのに、頬も目もそれに追いつかない。
gt「はは、俺に言われたらなんでもやるの?」
gt「なんかエロいね」
us「…っ……」
一粒の涙が頬を伝い、やがてその跡をなぞるように次々と落ちていった。
声は出ない。ただ、呼吸だけが不規則に乱れている。
gt「ほら、泣かないで」
us「うぅ……うああ…」
us「痛いよ……gtさん…」
あの優しいgtさんは何処に行ったの?
頬を伝う感触は思っていたよりもあたたかく、確かだった。
ぽたりと小さな音を立てて、タイルの隙間に落ちていく。
gt「あ〜あ、可哀想に」
gt「こんなことになるなら、地下室なんか入らなければ良かったね」
押し殺していた感情が、もう隠しきれないと悟ったかのように俺は小さく顔を伏せた。
gt「俺の母親みたいな泣き方するね?」
gt「あは…面白い」
gt「…ねぇ」
彼は、ほんの僅かに目を細める。
gt「俺のこと、好き?」
us「……え?」
思わず声が漏れてしまう。
彼からそんな言葉が出るなんて、今まで聞いた事なんて無かったから。
us「す…好き!大好きだよ!」
これは紛れもなく本心だった。
それに、俺を見つめるその瞳は、まるで全ての嘘を見抜かしていたように思えたから。
gt「…そう」
やがて、彼の背は伸びた。頼りなかった影が、地面から切り離されるように立ち上がる。
gt「着替えはそこに置いてあるから、終わったら俺に話しかけて」
us「…?」
彼は何事も無かったかのようにすんとして、手に付いた泡をシャワーで流しこの場を去っていった。
us「ちょ…ちょっとでかくないですか?」
gt「まぁ俺用だしね」
gt「1週間も裸でいるよりマシでしょ」
us「…うん、ありがとう…ございます」
gt「洗い終わったなら、さっさと地下室に戻って」
us「…」
us「…ぁ……え」
gt「何?」
us「…分かりました」
gt「そんなに地下室嫌?笑」
gt「明るくないし、俺は結構地下室好きなんだけど」
us「で、でも…」
us「また1人になっちゃうの…嫌だ」
gt「…」
gt「一応聞くけど、お前男だよな?」
gt「男の俺に向かってそんな恋人みたいなセリフ言って、恥ずかしくないの?笑」
us「だって!!本当に…好きなんだもん」
彼は明らかに引いた顔をして目を細めた。
俺は何を言っているんだ?てか、こんなの…
ほぼ告白みたいじゃないか。
gt「…へぇ〜、そんなに俺のことが好きなんだ?」
熱が一気に頬へとのぼってくる。自分でもわかるくらい、じんわりと確実に。
gt「…」
gt「……じゃあさ」
gt「付き合ってみる?」
us「…え?」
【第3話】 ~完~