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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
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扉のノック音が聞こえる。

「フェリちゃーん、俺様が来たぞー!」

声の主はきっとギルベルトだろうな~。俺あいつのこと苦手かもしれない!だって騒がしすぎるもん

「はいはーい、どうしたの?珍しいじゃんギルベルトから来るなんて!俺今日お前のこと呼んでないよ?」

「うっ!今のは心にくるぜ…」

「もう!そういうのはいいから要件教えて!」

「お前の所に新しい子がくるぜ?」

「ふーん、でもどうせ人間でしょ?」

「あったり!まあ仲良くしてやってくれよ!話はこれだけだ」

「わかった、じゃあね!」

どうせ前の子みたいになっちゃうんだろうなー


菊は今日から観察する人魚の情報に目を通していた。

「ふぇりしあーの・ゔぁるがす?危険指定レベルRED…」

人魚の危険指定レベルは主にBLUE, Yellow,Whiteと分類されている。今回のREDは危険レベルが高いため上からの推奨がなければ担当できないものだ。いろいろとやらかしたらしいが詳しくは知らない。きっと知らないほうがいい。ため息をつきながら菊は耳栓を付けた。人魚の超音波を真に聞くと正気ではいられなくなるからだ。

そのあといろいろと認証をクリアした。その先に見えたのはまるで海のような空間。本当は分厚い特殊強化ガラスでできた大きい水槽があるだけだ。そのスペースには一匹の姿が確認された。

「…君が新しい子?」

そこには想像より少し大きい人魚がいた。だがここからではうまく確認できない。近づくと髪と瞳はキャラメル色で尾鰭はマーマレードを想像させる色合いだった。

「なんだ~ただの子供じゃん!俺フェリシアーノって言います!怖くないよ~?」

その人魚は大きく菊を包み込むように近づいてそういった。

「0602番、私の質問にこれから答えていただきます。」

「え~?じゃあ名前教えてくれない?趣味でもいいよ!」

「その質問は上の者から許可が下りてません。」

「え~それひどくない?こっちは仲良くしたいのに…」

「ですが…」

「ん?」

菊はこの作戦をやめることにし取扱注意書を投げ捨てた。これは身の安全を確保するための物だったが必要ないと判断したようだ。

「ではフェリシアーノ君

「!」

フェリシアーノは驚いた。前の子たちはどんな時もその紙を手放さなかったのにと。そしてこの後もっと驚いた。

新しい子が近づいてきたと思ったらこう言った。

「私と今日からお友達になりましょう?」

前の子たちは会話らしい会話なんて一度もなかったのに。人魚は心を惹かれた。

「なにそれ…ほんとに言ってる~?お前肝座りすぎてるよ?」

「そうですか?ですが私は貴方と仲良くなりたいのです。」

「ほんとお前変わってるよ!でも嬉しいな~」

「ふふ、では申し遅れました本田菊といいます」

「うん!よろしくね~!」

フェリシアーノはますます菊に興味がわいてきて質問攻めをした。好きな食べ物は?など人生の楽しみなど本当に仲の良い友人みたいな会話を続けた。

「それじゃあね~どうしよっかな~」

「ではそろそろ私が質問しても?」

質問攻めに疲れたのか菊から質問を受けることになった。

「貴方の力ならここからすぐに抜け出せるでしょう?こんなちっぽけな水槽より、広大な海で過ごした方が素晴らしいのでは?」

「ヴェ~菊は勘違いしてるよ~、海の世界だって上下関係がいろいろと厳しいんだよ?」

「そうですか?ですが私的には貴方が上の立場だと思うのですが…」

「ヴェ~」

「菊~許可も取らずに録音ってちょっと趣味悪いね~?」

「!」

試しに録音終了ボタンを押しても振動がこない。おかしいと思い手に取ると画面に大きなひびが入っていた。

高かったのに…

「あー壊れちゃってるみたいだね」

「貴方まさか?」

「ヴェ~どうだろうねー?」

彼はとても笑顔だった

「本気じゃないのでしょう?」

「ヴェ!ばれちゃった?」

ヒヤッとはしたが彼からは殺意や敵意は感じ取れなかった。

「俺菊のことすっごい気に入っちゃった!」

「あら」

「だから菊のいろんなこと沢山教えてね?」

その声は子供に優しく言い聞かせるようなものだった。だからか菊も相手から恋愛的な好意に気づかずに頷いたのだろう。

ピーと時間切れを知らす音が鳴った。今日はここまでだ。

「今日はありがとうございました。また来ますね?」

「またね~」

別れの挨拶のはずなのの菊には「必ず来てね」という命令のように聞こえた。

こうして奇妙は友人関係が出来上がった。

「…菊か、すごい可愛い子だったな~」

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誤字脱字があったかもしれませんが読んでくれてありがとう!

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