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えちょっと最高ですね夜なのに光ってますよ(物語が
うわぁ、とてもすき。
湊かなえ先生に影響されすぎてNのために風の作品を作ってしまいました…これを投稿した後、通知を見るとフォロワー様が500人超えていてとても嬉しかったです! ありがとうございます!これからも頑張ります!!
二月十一日午前O時三十八分東京都○○区▽▽橋にて、本田菊さん(██)とアルフレッド・F・ジョーンズさん(██)が死亡していた。
そして警察から事件に鉢合わせた男3人が事情聴取されている。
アーサー・カークランド
なぜ俺にとっての正義は誰かにとっての悪で、誰かにとっての正義は俺にとっての悪なのに、俺は 悪役 とされるのだろうか。
本田との出会いは中、高のときに通っていたとある義塾だった。お互い他のヤツらより孤立していて、隣の席ということもあり、仲良くしていた。
本田は謙虚で勉強熱心でなんというか、そういう一生懸命なところに心を惹かれたんだ。
別に【好き】とかそう意味ではなく、ただ単にいつの間にか見とれて…といったところか、自分でもこんなことは初めてだった。
仲もだんだんと深まっていき、時には互いの自宅へと招いたり招かれたりして、そう、もう、もっともっと深まっていった。
あいつは俺を理解してくれる、両親よりも一番の理解者だと錯覚していたんだ。そのときは。
中三の夏休み期間、先生から貰ったアイスを頬張りながら休憩時間を悠々と過ごしていたとき、本田が
「高校はどこへ行かれるのですか」
と俺に尋ねた。
特に進学先は決まっておらず、ただ「Aランクをとっときゃどっかしら受かるだろ」精神でいたため、そんなことは考えもしなかったな。と自分の思考へ没頭してしまっていた。
そんなとき、
「決まっていないのなら、W学園なんてどうでしょう。」
【W学園】、聞いたことがある。結構国際的な学校で有名だ。と。
俺もイギリス人だし、いいんじゃねえかと思って本田と同じ、W学園へ進学することを心に決めた。
徐々に肌寒くなっていく季節へと変化した。
本田と俺は受験会場へ向かい、お互い頑張ろうな。と言葉を交わし、受験を行った。
手応えはあった。
難しい問題もあったが、簡単な問題をせっせとこなし、その、難しい問題へと余った時間を回して解くことができたのでなんとなく、受かった思う。否、受かっていた。
そして俺は受験生の中で上位にいたらしい。本田のことは知らないが。
だが、本田も受かっていたため、それはそれで友達である俺も嬉しかった。
そして春になり、うつくしい桜が宙を舞う季節。
はあ、はあ。と息を切らしながら初日早々寝坊した俺は桜の木の下へ足を運ぶ。その先には、今すぐにでも消えてしまいそうな、不意に手を掴んでしまいそうになる本田がいる。
「…死ぬのか?」
「え?どうして?」
頭が回っていないのかアホな質問をする俺に笑い、寝癖がついていますよ。と母親のように少しふにゃりと笑って寝癖を直す本田は………あ、やっぱりなんでもない。忘れてくれ。
入学式、始業式、が着々と終わり、クラス発表に移る。外国人が多いこの学校では全てファミリーネームのイニシャルをアルファベット順にし、主席番号が決まる。
俺のイニシャルはKなので本田とまあ、そこまで離れてなく、良かった。とそっと胸に手をおろす。
ん?だが、クラスがまだ分からないだろう。本田と同じクラスだったらな。なんて馬鹿馬鹿しい妄想を捗らせていると、なんと、なんと!本田と違うクラスで心の中でfuck!!!と叫んでしまう。
まあ、休憩時間に会いに行けばいだけだ。と自分の心を落ち着かせてやる。
クラスには違う国の血が混ざってる奴らがたくさんいた。特にあのドイツ人。すげえ筋肉だな。あのスイス人もチーズばっか食ってんな。イタリア人なんてここでも居眠りかよ!…など結構楽しい。
本田もいればもっと楽しいのにな…
友達を作るためにここに来たんじゃない。いい就職につけるようにするためだ。
だから、まあ…1人で大丈夫。本田さえいれば、それでいい。
やっと休憩時間になった瞬間、本田のいるC組へと走った。
ドアを音を立てて勢いよく開け、本田の名を呼ぶ。すると本田は、友達ができたらしく、友達と仲良く話している。
なぜか胸がチクリと痛んだ。
よくわからない。
「アーサーさん、クラスが違うなんて…悲しいですね。」
「ああ、そうだな。だが本田に友達が出来て何よりだ。」
「菊〜!お友達?チャオチャオ♪俺、フェリシアーノ・ヴァルガス!君、何組?」
は?なんだこいつは。初対面なのに馴れ馴れしいな。なんて思いつつ素直に答える。
「A組のアーサー・カークランド。」
「あ!A組!俺の兄ちゃんもA組だよ!あとね、ドイツ人のムキムキの友達もいる!」
あの2人、こいつと知り合いだったのか…
「おう、そうか 」
別に馴れ馴れしい仲になりたいわけではないし、その日の本田をじゅうぶんに噛み締めて部活動紹介や委員会紹介を見に行く。興味があるのは魔術部。魔術部の部室でルーマニア人に会った。そいつはもう魔術部に入るって決まっているらしい。
そして委員会で興味があるのは生徒会。いつか絶対会長になってやろうと思っているので、下見だ。生徒会室に入ると髭の生やしたフランス人と長い髪が特徴的な中国人がいた。(あとその他もろもろ)フランス人は知り合いだ。こいつなんかと知り合いなんて夢であって欲しいが、なかなかそれが現実とはならない。クソが。
まあ、それは置いておく。
俺も魔術部に入ることにし、その日は終わった。
そして俺は毎日のように本田に話しかけ、昼食を一緒にとり、勉強をし…と、四六時中本田と過ごしたんだ。
なぜここまで同じヤツと過ごして飽きないのか。その答えは、【本田と価値観が合う】からだった。
答えに気づけたのは結構後の方で、雪が降る季節だった。
また春がやってきて桜が咲いた。
まるで、アイツの笑顔のよう。
「今年は新入生が多いみたいですね。お互いがんばりましょう。」
ああ、話しかけてきてくれた。
なんて優しいんだ。
本田は励ましてくれたが、俺は今回警戒していることがある。
俺の弟、アルフレッドが入学してくること。
まあ、晴れて生徒会長になれたし、そこまで気にする事はないのだが…どうだろう。アイツは本田をすごく気にかけて勉学に励まなくなるのではないか。
今はまだ大丈夫だ。と思っていた矢先
「アルフレッドさんという方とお友達になったんです…!」
やはり、そうなったか。
考えろ、アーサー・カークランド。俺ならどうする??牽制か?脅迫か??なんでもいいが、アルフレッドと本田の仲はこれ以上深まらないようにしよう。そう決めた。
思考と現実は一致しない。
2人に何を言っても、2人の仲は引き裂かれなかった。どうしてだ?俺は正しいことをやっているだけじゃないか。2人は間違っている。俺に従え。従え、従え従え。
ダメだ、ムキになったって何も変わらない。
従ってくれない
なら、俺がずっと本田と一緒にいる。本田がアルフレッドに目を向ける隙を一切作らない。逆にアルフレッドが本田に話しかける隙を一切作らない。
そうすると、だんだん、2人は離れていった。
成功だ!
俺は天才か?なんて自惚れる。そんな時に「弟の恋くらい応援してやれよ。全く、どっちが好きなんだか。」って髭に言われた。
は?何を言っているんだ?
「俺は正しいことをしている。アルフレッドが落ちぶれたらどうする」
「あっそー……そのうち嫌われんぞ。て、もう嫌われてるか。」
クッソこのヒゲ殺す!
そのあとの学校生活はあまりハプニングが起こらなかったのでここまでにしよう。
本田との出会いはこれで終了だ。
ではなぜ、俺がこの現場に居合わせているのか。
結論として、知らない。
俺はただ、外へ出て行ったアルフレッド、そしていつまで経っても帰ってこないアルフレッドを思ってその辺を通りすがっただけだ。
こんな事件に巻き込まれて俺は災難だ。
通りすがる、というより、車を停め、降りてアルフレッドの方へ走っていくと、人が倒れているのが見えた。
雨で深夜だということもあり、最初は気づかなかったのだが、アルフレッドがナイフを持っていた。
俺は、(ああ、こいつが被害者を殺したのか。)と、落胆も、もちろん賞賛だってしなかった。俺の言うことを聞かなかったのだから、犯罪者になって当然だ。と思った。
だがそれだけでは終わらなかった。
2人の言い争いに巻き込まれていたらしいイヴァン・ブラギンスキがアルフレッドを撲殺しているのを見た。同じく通りすがっただけで棒立ちしていたフランシスと目が会い、俺はすぐ警察に通報した。
救急車やパトカーが何台も来て、事件の詳細を聞かれた。そして俺は絶望した。
被害者が本田だったなんて。
イヴァン・ブラギンスキ
僕はただ愛されたかった。理解し合えるお友達が欲しかった。だから、【普通のこと】をしていただけなのに。それなのに、それだけなのに、批判されるのはおかしいでしょ。
アルフレッド君との出会いはずっと昔から。幼稚園から高校まで一緒だったので、忘れることなく覚えているよ。
アルフレッドくんが先ず僕に「でかいのに弱虫なんてダサいんだぞー!」と言ったことだよね。
絶対に忘れないあの思い出。あ、別に怒ってはないよ。アルフレッドくんと関わる機会ができて、僕、すっごく嬉しかったんだ〜!
当時の僕はそれが普通の、友達同士のあいさつだと思っていたものだから、僕もアルフレッドくんに「大した実績も残していないのにヒーロー気取りなんてダサいね。負け犬と一緒だよ。」と言ったんだ。そうしたら、アルフレッドくん、ものすごく怒っちゃって。
僕、アルフレッド君に大怪我負わされたの。
肋骨折、全身打撲、頭は何針も縫う大手術だよ。僕、あと一歩間違ってたら死んでたんだから。
あっ、でも怒ってないよ。なんてったって、僕、優しいから!
でもまだその時の僕は、友達同士は怪我を負わせて当然だと思ったから、僕もアルフレッドくんに大怪我を負わせちゃいました。
懐かしいなぁ。
アルフレッドくんの身体の感触は今でも忘れないよ。
アルフレッドくんのぷよぷよおなか。
うふっ!思い出すだけで笑っちゃうな!!
あのだらしない体、殴るには丁度よすぎたよ!おかげで僕、アルフレッドくんに僕より何倍もの大怪我負わせたんだから!!つい、楽しくなっちゃって。
でもね、それが ”異常” だってほかの人たちは言うんだ。愛していた姉さんだって。
ん?でも、愛し方が違かったからかもしれない。僕の愛情表現はあれで合っていたのか…って気づいた僕は姉さんにも怪我を負わせちゃった。まあ、姉さんのことはいいや。どうでも。
「大丈夫だよ、僕たちはきちんと愛し合っているんだから。アルフレッドくんも、きっと、僕のことを愛しているからこんなあとも目に見える愛を示すんだ」
そう言ったって他人は異常だという
どうしてなんだ!と思っていたらアルフレッドくんが
「愛してない。気持ち悪い。死ね」
って。酷いこと言うなぁ。って思ったけど、これもまた愛か♪と思ってアルフレッドくんを殴ってあげたよ。
アルフレッドくんね、あんまり気持ちよさそうに声をあげるから僕も嬉しくなっちゃって僕自身も僕のことを愛してあげようとたくさん愛情表現したよ。
気持ちよかったー!
中学にあがると、僕らはみんなから遠ざかれた。【変】なんだって。
なんでかなぁ。僕らにとってはこれが普通なのになぁ。みんな、酷いなぁ。
「ねえ、お友達になろうよ!」
「いや、キモイから無理」「ママが異常な人と関わっちゃダメって。」「化け物と一緒にしないでくれ。」「君にはもうお友達がいるでしょ?」
ん??え?それって、偏見を重ねた差別と一緒だよね。
ああ、もういいや、お友達になれない子なんて要らない。僕を理解してくれない人なんていらない。どうでもいい。皆、みんな、死んじゃえばいい。ってずっと、ずーーっと思ってたんだー。時に涙を流しながら……
そんなとき、僕はハッとした!
お友達になれないなら、無理矢理お友達になったらいい!それだったら皆、僕と、絶対、お友達に…
「それだけはやめておいた方がいいんだぞ。」
「………は、なに急に?」
「忠告さ。君が犯罪者にならないためにね。」
「ずいぶんと僕思いだねっ、アルフレッドくんは!じゃあ、いつもの愛する儀式する?」
「そんなもの、した覚えはないんだぞ」
「またまた〜っ!アルフレッドくんは忘れんぼさんだな!」
「とりあえず…関係ない人を巻き込まないでくれ。」
そう言ってアルフレッドくんはどっか行っちゃった。また、そこで僕は気づいたよ。
アルフレッドくんはツンデレだから、本当は関係ない人を巻き込んで欲しいんじゃないかって!!
名案でしょ?そしてね、関係ない人を巻き込んで愛の儀式をしたら、僕、通報されちゃった!
なんとか逮捕はされなかったけど、僕は隔離された!あの大好きだった学校から!大好きだったアルフレッドくんから!離れちゃった!!!
悲しかったけど、高校、同じところに行けばいいかなって思って、なんとかW高校に進学することが出来た。
W高校にはアルフレッドくんがいた。多くの人に囲まれて、本当によく目立っていた。
「アルフレッドく〜〜ん!」
と叫び、アルフレッドくんに抱きつきにいくと、ギロっと睨まれた。アルフレッドくんを囲んでいた子達はみんな逃げていったよ。
「どうしてここに?」
「アルフレッドくんに会いたくて♪」
「…この前みたいなマネはするなよ」
「はぁ〜い」
反省をしっかりした僕は、もう愛の儀式はやめた。やめたっていうか、控えめにした。
アルフレッドくんと一緒に過ごすために。
時が経ち、アルフレッドくんに好きな人が出来た。否、恋人ができた。
名前は【本田菊】2年生で、礼儀正しくて、優しくて、可愛くて…愛おしいらしい。
だけどアルフレッドくんはお兄ちゃんに恋人との時間を潰され、イライラしてるって聞いた。
アルフレッドくんの恋人?と思った僕は、好奇心で、その、本田菊っていう人に近づいてみた。
案外あっさりと話すことが出来た。この人になら…と考えてみた僕は、本田くんに、愛の儀式について話してみた。すると、本田くんは
「あなたにも、そのような過去があったのですね。」と、慈愛に浸った表情と声で僕に伝えた。
僕は驚いた。
初めて僕を理解してくれた!
これが、運命の人かぁ。と思った僕は、その3年後、本田くんを犯し、妊娠させた。
僕とアルフレッドくん、本田くんについてのエピソードはこれで終了だよ。
じゃあ、僕がなぜ、あの現場にいたのか。
アルフレッドくんと本田くんは恋仲だったから、妊娠した僕を2人で呼び出し、事情聴取をアルフレッドくんはしていた。
そうするとね、喧嘩?になっちゃって。
まあ、僕は久々の儀式で嬉しかったんだけど。
すると本田くん、泣いちゃって、アルフレッドくんがもっと怒っちゃって。
アルフレッドくんが自分の持っていたナイフで本田くんを刺したんだ。本田くんの、お腹に。
愛していた本田くんを殺すアルフレッドくんに腹が立った僕は、アルフレッドくんを撲殺した。
そしたらアルフレッドくんのお兄さんがやってきて、お兄さんは警察に通報した。
僕は間違っていることをしていない。僕は正しい。これが普通だ。
フランシス・ボヌフォワ
陰ながら好んでいたことを、伝える間もなく終わってしまったのが、一番嫌気がさす
菊ちゃんときちんと話したのは大学のときだった。同じサークルで、同じ学部で。
高校からの彼のことは結構知っていたけど、目が合って会釈するだけの、ただの、顔見知り。でも俺は彼に興味を持っていた。
見ているアニメが一緒で、ハマっていて、ずっと話してみたかったのだ。だが、なかなか話す機会がなく、なんにもしないままあっけなく高校生活が終わってしまった。
大学に入り、特に楽しみがなかった1年間。サボっていたこともあり、留年ということになった。悔しくもなにもない。ただ、次、楽しいことがあったらいいなーって思ってただけ。
そうすると、菊ちゃんが進学してきたんだ。
目が合って、話しかけに行った。
「フランシスさんですよね!私、ずっと話してみたくて…ですが卒業してしまって……」
「俺もずっと菊ちゃんと話してみたかった!ね、仲良くしよ!」
「はい!」
と、すんなり俺を受け入れてくれた。
彼と話すアニメの話は幸せだった。
大好きな彼、大好きなアニメ、大好きなカフェ、大好きな料理。大好きなものに囲まれるってだけでもう最っ高!
天国にいる気分だった。
彼のことはもちろん【amour】の方で好きだけど、伝えることが出来ない。
なぜなら彼には恋人がいるから。
さすがに、彼の悲しむ顔や、もうアニメの話が出来なくなるっていうことが辛いため、伝えることはできない。
でも、伝えられない自分に嫌気がさす
だが、それでいい。
この関係が崩れてしまわないのなら。この関係が健全なら。ただ、それだけでいい。
そしてある日、菊ちゃんから深刻な顔で相談を受けた。その内容は、妊娠した。というものだった。
俺は別にどうも思わなく、幸せなんだなーって思ったけど、深刻な顔だから、もしかして…って。
「妊娠したのは、アルフレッドさんとの子じゃないんです。」
まさか、
「えーっ!?な、なにそれ!夢じゃない?だったら誰?心当たりはあるの?」
「心当たりしかありません。イヴァンさんに強姦されたんです、私」
嘘でしょ。って思った。
強姦?ありえない。犯罪でしょ
「菊ちゃんは、警察に言う?」
「いえ、騒動を起こしたくないので…それと、イヴァンさんを犯罪者にしたくはありません。」
なんて優しい子なんだ。
「そう、菊ちゃんは優しいね。アルフレッドには言ったの?」
そう言うと、菊ちゃんはビクッとした。声が震え始めた。
「それが……言ってないんです。言えるタイミングもなく、だって、あの子、受験生でしょう?それとまだ大人じゃないんですよ。」
「そんなの、菊ちゃんだって、イヴァンだって大人じゃないじゃん」
「うーーん…それもそうなんですけどね…困りました。」
さすがに菊ちゃんが困っているのは可哀想だと思い、解決法を見つけた。
「眉毛に直接言ってもらったら?」
と言うと
「っそれだけはやめてくださいっ!!」
と、声を荒らげて菊ちゃんは叫んだ。正気に戻ったのか、ハッとし、周囲にペコペコ頭を下げて謝った。
じゃあどうすればいいのだろう。何が、彼にとっての最前の選択なのだろう。俺がアルフレッドに言っておくとか??それが最善かもしれない。いや、ダメか…?
まあいいや。
「菊ちゃん、俺が絶対最善のもの考えるから、菊ちゃんはいつも通り、何も考えないで生活するんだよ。」
「…ぁ、……はい」
菊ちゃんは少し、笑顔になった
「ありがとうございます、フランシスさん。」
お礼を言われた。嬉しい!
なんて思ってる場合じゃない。早く、解決策を見つけないと。
俺の解決策はそのまま放っておくことだ。お互いのいいタイミングで妊娠したことを伝えるのが1番だと思ったから。そうすることによってまだいい関係でいられるのかなって。
イヴァンも、菊ちゃんも、アルフレッドも。みんな幸せになって欲しい。
そして彼にもう一度、何回も笑っていて欲しい。
そう思っていたのに。
そこから数ヶ月後、事件は彼の誕生日に起きた。
俺は本当に通りすがっただけだった。
なにも、3人に関わることすら無かったのに、ただ、好きな作品とコラボしているコンビニの一番くじを引きに外を出ただけだ。
彼と一番くじの話をしていたらどれだけ幸せだったろうか。
どうしてこんなにも悔しいのか。
ハッピーバースデーも言えなかった。
なんか橋で男が言い合ってるなーって思って、歩いていたら、1人が呻き声をあげているのが聞こえた。
この声は紛れもなく菊ちゃんだ!と、呻き声をあげて3秒後くらいに気づいた。そしてその後、たぶん、イヴァンがアルフレッドを刺したんだ。
街灯の下でアーサーと目が合い、アーサーが通報してくれた。
俺は、マジで、なにもできなかった。
愛する人のために、なにもできなかった。
悔しい。
もし、あの時俺が違う選択を選んでいたら。