ATTENTION⚠️
●鳴保結婚しました(詳しくは前話)
●キャラ崩壊
side【保科】
「ついに結婚してもたなぁ」
不意に出たその一言。
訓練所で、第3部隊の皆がいる中で。
鳴海さんにあんだけ叱っといて、今度は自分がやらかした。
鳴海さんも僕と同じ状況やったんかな。
「ふ、副隊長、結婚したんですか!?」
聞こえてないで、という思いは小此木ちゃんの一言で無下に散った。
「……ぁ、えと、……」
違う、ただそれが言いたいだけなのに。
動揺して変な声しか出ない。
「保科、どういうことだ」
ふと声の方に振り向くと、様子を見に来たであろう亜白隊長の姿が。
ついには亜白隊長にも詰め寄られてしまった。
さすがに話すしかない、と重い口を開けた。
「…えっと、まぁ…言葉通りの意味です。
僕、結婚しました」
「なぜ言わなかった」
「…そのー、まだ事実婚なので…
正式に式あげてから報告しよおもてたんです」
嘘だ。
式あげる予定も、誰かに報告する予定もなかった。
ごめんなさい、亜白隊長…!と心の中で謝った。
「……そうだったのか」
「とりあえず、結婚おめでとうございます!」
「ぇ、あ、ありがとう小此木ちゃん」
隊員から『羨ましい』とでも言うかのようにキラキラした目で見つめられる。
「……ど、どうしたんや」
けどなんかずっと見つめられるから、流石に恥ずかしくなって聞いてしまった。
「相手、気になります!」と1人が大声で言うと、他の隊員もうんうん、と頷いた。
キラキラした目の正体はそれか…
「そ、そんな気になるん…?」
「当たり前じゃないですか!鳴海隊長は教えてくれなかったですもん!」
…それ多分僕のせいやな。
「えぇ、けど、その…皆絶対引くで?」
「「引きません!!」」
「ほんま、……?」
僕が言いたくなかった理由。
それは、第3の皆に引かれるかもしれなかったから。
せっかく居場所見つけたのに、無くすのが怖かったから。
やけど皆、引かないって言ってくれた。
「………鳴海隊長、です……」
詰まって出た声はとても小さくて。みっともないな、と思ってしまうほど。
けど皆には聞こえていたようで。
驚きの悲鳴をあげる隊員で溢れかえった。
「え、ぇ、あの、鳴海隊長!?」
「小此木ちゃん一旦落ち着いて!?
亜白隊長もなんか言ってください!」
「……保科の相手があの男だとは、」
「ダメやこの人も重症や!」
「僕のせいで皆の訓練無駄にしてもた…」
訓練終わり、僕は反省しながら亜白隊長に相談した。
「大丈夫だ、気にするな
それに皆にとっては訓練よりも保科の相手の方が気になってたっぽいしな」
「お恥ずかしい……」
鳴海隊長になんて伝えよ……
「あぁ、そういや」
と亜白隊長がポケットからスマホを取り出して画面を見せてきた。
画面には『鳴海』の文字が。
……あ。
『保科、全部聞いてたぞ』
「え、嘘やろ!?亜白隊長、いつから!?」
「薄々そうではないかと予想していた。
だから結婚したというセリフを聞いた瞬間に電話をかけた」
『お前、バラしてくれたらしいな?』
「アンタ絶対にやけとるやろ…!!」
『どうだろうな』
声がいつもより少し高いから、嬉しいのだろう。電話越しでもわかる。
にやついている鳴海さんの顔を想像して少し腹が立った。
すると横で聞いていた亜白隊長が口を開いた。
「そういえば保科、この男、車でここに来てたぞ」
「え!?」
信じられない一言だ。だが亜白隊長が言うのだ、本当なのだろう。
どゆことや、と周りを見ようとすると、ぽんと誰かの手が僕の頭に乗った。
「な、鳴海隊長…!?」
「保科、迎えに来たぞ」
そこにいたのは、いつものあのTシャツではなく、きちんと隊服を着た鳴海さんの姿が。
おそらく第1から直接来たのだろう。
「なんで…」
「私が頼んだ」
どうやら最近休んでなさそう、と思った亜白隊長は恋人だと予想していた鳴海に電話したらしい。
そしたら案の定あっていた、というわけで。
「そうやったんですか…」
「ってことで保科、帰るぞ」
「…すみません亜白隊長、お先に失礼します」
「大丈夫だ、ゆっくり休め」
亜白隊長に見送られ、僕は鳴海隊長と手を繋ぎながら車へと走った。
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