・今回おもんないかも
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
武道との面会が許されてから一日たった。
そして一日目と同じように2日目は誰が行くか、またジャンケンで決めた
昨日と同じようにジャンケンポン!という声がアジトに響く
二日目を入手したのは九井だった。
普段叫ばない九井が初めて声を張った
「ッシャャャャャャャャャア!!!!」
その声に皆少し驚いた。
だが、武道に会う、その権利を獲得したんだ
そう思うとその行動が皆の中で不自然ではなくなった
そういえば、昨日お見舞いに行った春千夜は今精神病棟にいる
ボロボロの武道、その姿を見て春千夜の精神は壊れた
春千夜は武道に深く忠誠を誓っていたため相当武道の姿が精神にきたのだろう。
まぁ、忠誠を誓っていただけでなく武道に恋心を抱いていたのもあったのだろう
春千夜は自分のせいで武道が.........と自分の事を責めて、責めて責めて、挙句の果てには自殺未遂までした
俺のせいだ。
罪を償わなければ
俺が武道を殺してしまった。
そのようなことをブツブツと言いながら自分の手首をカッターで何度も何度も切りつけていた
真っ赤に染まるスーツ。
そのスーツはウン万円もするだろう
だが、春千夜はそんなことは気にもとめなかった。
自分を痛めつけて武道をあんな状態にしてしまった自分を責めた
あと少しで気絶しそうな春千夜を九井は偶然見かけ精神病棟に送った
まぁ、そっちでも暴れているそうだ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
九井は武道のお見舞いのため花を買いに行った。
武道が居ないことでいつもある隈にまた濃い隈を二重につけていた。
その目を隠すために九井はサングラスをし帽子を深く被っていた。
その姿で店員を呼んだら店員が少し体をビクリと動かした
九井は店員が話し始める前に自分から口を開いた
「アルストロメリアってありますか.........」
えっ、まぁ、はい。そう店員は言う
アルストロメリア.........武道が好きだと言っていた花だ
花言葉は.........と九井は思い出そうとするが中々思い出せない
うーん、と悩んでいると花がすぐ用意された。
九井はすぐに決済を済ませ武道のいる病院へと足を運んだ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ガラガラ
九井は静かに扉を開ける
ピッピッっと病室に響く機械音
九井はその音を嫌った
かつて、自分の大切な人を失った時と同じだからだ。
もう大切な人を失いたくない、
ボロボロの武道を見てそう強く思った。
九井は武道の隣にあるイスに腰を下ろす
九井は少し辛そうに武道に語りかけた
「目がさめたらアレをしような.........」
「やりたいって言ってたやつ、買っといたからまた元気になったら一緒にやろう....」
九井は静かに涙を流しながら話した
武道と一緒に居る時間はとても早くすぐに面会の終了時間が近ずいてきた
時計を見て少し悲しそうな...苦しそうな顔をした九井は部屋を出る前に自分の買ってきた花を交換した
そして去り際に
「またバカしようぜ.........」
そう言い九井は武道の手の甲に唇を落とした
そして九井は武道の病室をあとにした
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
普段強気でどんな時でも完璧なポーカーフェイスを外さない九井。
だが、大切な人が目の前で植物状態。その状態を見た九井は心を痛めた
また大切な人を失うのか.........?
九井は過去に赤音、という女性に惚れていた
だが、その女性は火事で全身火傷。4千万がないと治療が出来ないと言われた。もちろんガキが4千万も持ってるはずもない
九井は大切な人の為に必死に金を集めた.........
だが神様とは残酷なもので、あと少しの所で赤音は亡くなった。
そんな過去を体験している九井にとって目覚めない武道に強い不安感を抱いていた
そしてポロポロと大粒の涙を流す
手の甲へのキス
『敬愛』
アルストロメリア
『未来への憧れ』