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梨々亜目線
私は小さい頃からお兄ちゃんと一緒だった。
梨々「お兄ちゃん!」
雷亜「梨々、おいで!」
梨々「わぁーい!」
でも、私が襲われたあの日から
私の中で何かが変わってしまった。
雷亜「おはよう、梨々」
梨々「おはよう、お兄ちゃん」
雷亜「今日から高校生だな」
梨々「うん、お兄ちゃんと同じ学校」
雷亜「男装、しなくてもいいんだからな」
梨々「うん、分かってるよ」
お兄ちゃんと二人で朝ごはんを食べながらそんな会話をする。
私が男装をするようになったのは小学校高学年になってからだった。
下校時間、たまたま委員会があり私だけ遅くに 帰っていた時に襲われた。
その頃から、女として見られるのが怖くなった。 そして、それを隠すように男の格好をするようになった。
雷亜「今日は俺、ダチと帰るから」
梨々「うん、分かってる」
雷亜「何かあったら連絡しろ」
梨々「うん」
雷亜「ま、早いからどっちにしても一緒には
帰れると思う」
梨々「分かった」
〜学校に着く〜
雷亜「じゃ、また後でな」
梨々「うん」
ガラッ
梨々「はよ」
武道「龍、おはよ」
梨々「武ちゃん」
私と同じクラスで幼馴染の武ちゃん。
他にも溝中4人と橘姉弟、柴家3兄弟と黒龍と天竺。学校内でも私が男装しているのは周知の事実だ。
日向「りr、龍ちゃん」
梨々「ヒナ先輩」
日向「も〜💦ヒナでいいよ💦」
梨々「でも先輩ですし💦
ちゃんと敬語は使わないと💦 」
日向「気にしなくていいの」
梨々「じ、じゃあヒナ…ちゃん」
日向「クスッ、まぁ今はそれでいいよ」
梨々「は、はい」
私に話しかけてくれてるこの先輩は橘日向先輩。武ちゃんの幼馴染だ。
私と会ったのは中学に上がった時。
武ちゃんと同じ小学校に通っていて、中学で再開した時から仲良くしてくれている。
梨々「じゃあまた」
日向「うん、授業がんばろうね!」
梨々「はい」
〜4限終わり〜
キーンコーンカーンコーン
武道「授業終わったぁ〜」
梨々「じゃ、私行くね」
武道「今日も弁当?」
梨々「うん、お兄ちゃんがお弁当忘れてる
から 届けないと」
武道「そっか、じゃあまた後d」
バンッ
マイキー「たけみっちぃー!」
千冬「相棒!昼、一緒に食おうぜ!」
授業が終わった瞬間、他校の不良がいきなり
飛び込んできた。
先生「き、君達!他校の生徒だろう?!
早く自分の学校に戻りたまえ!」
マイキー「あ”?」
先生「ヒッ、す、すいませんでしたぁ💦」
=͟͟͞͞(((((ノ・ω・)ノササッ
武道「逃げんの早…」
先生が追い返そうとしたが、不良の圧にやられ逃げてしまった。
マイキー「さ、行こ♡たけみっt」
梨々「あの」
ドラケン「あ”?誰だテメェ」
流石に他校の生徒、もとい不良に幼馴染を
連れていかれるのを黙って見ている訳には
いかず、私は声をかけた。
梨々「貴方達、他校の生徒でしょ
こんな事してないで早く帰りなさい」
武道「ちょ、龍?!」
梨々「言っとくけど不良なんか怖くないから」
三ツ谷「へぇー…」
梨々(お兄ちゃんッ早く来てぇ…)
内心、不良が怖い私は兄が早く来るのを望んだ。
ガラッ
雷亜「りっちゃーん! お兄ちゃんが来た…
何でテメェらがココにいんだよ」
場地「ら、雷亜さん?!」
千冬「な、何でココに…」
梨々「お…兄貴…」
一瞬、気が緩んだ私はうっかりお兄ちゃんと言いそうになったのを正して兄貴と呼び直した。
ドラケン「あ、」
マイキー「え?!武ミッチ知ってたの?!」
不良達が驚いて、武ちゃんに問い詰める。
武道「はい、まぁ幼馴染なんで」
武ちゃんは少しビクッとした後、
たどたどしく答えた。
ドラケン「マジか…」
雷亜「あ!そんな事より、りっちゃん 」
不良達の反応に構わずお兄ちゃんは、話し掛けてくる。
梨々「その呼び方止めろ」
私は不満そうに睨みつけた。
雷亜「お昼ちょーだい♡」
梨々「ハァ…はい、どーぞ」
雷亜「りっちゃん、大好き♡」
梨々「キモ…」
溜息を付きたくなる。本当にこの人、私の兄
なのか?まだ、不良が一斉に周囲でビクついている生徒が家族だったらマシだったのにと思う程、私は学校や外で兄と血縁だと思われるのが嫌いだった。
雷亜「りっちゃん、冷たー
家はいいのに何で外は駄目なんだよ」
梨々「ベタベタすんな、気持ち悪い」
兄の反応は最もだろう。何故なら家ではこの
距離でも文句を言わないからだ。
でも、兄は立場上不良グループ、黒龍の幹部。
関わりたくないと思うのは当然だった。
雷亜「何で何で、つーめーたーいー」
梨々「くどい、先輩達とご飯食べる約束
してるから。いつもの面子と食べて
こいよ」
私はそう言い放ち、教室を出た。
雷亜目線
〜梨々が教室を出た後〜
梨々が教室を出た後、俺達は屋上で黒龍や天竺の奴らも誘って昼を食べていた。
ドラケン「あの〜、雷亜さん。
さっきの奴 って」
雷亜「あ〜、俺の兄妹 」
三ツ谷「へ、へ〜。何か…似てないっスね」
俺と梨々の関係に気を使っているのか、堅と 隆は微妙な反応をした。
雷亜「ハハッ、よく言われるよ」
千冬「…」
場地「ん?どしたぁ千冬ぅ」
千冬「あ、いや…何か今の奴」
三ツ谷「何かあんのか?」
千冬「いや…なんか」
千冬「って…」
雷亜「…」
千冬がそう言った瞬間、俺はこう思った。
雷亜(こういう奴には分かるのか…)
あの日から、何かを見つめている梨々。
俺は一度、その目が何を映しているのかを
知りたくて聞いた事があった。
雷亜「何を見てるの?」
そうしたら梨々はこう言ったんだ。
梨々「人の、生物の、全ての、私の」
雷亜「…」
それを聞いた時、背筋が凍るように冷たかったのを覚えている。まるで、死を常に感じているような、氷の壁に覆い尽くされているような
そんな感じだった。
場地「んな訳ねぇだろ」
千冬「そうなんスけど…」
雷亜「…間違ってはねぇと思う」
武道「まぁ…半分正解っス」
武道「いや、聞いたんスよ。本人から」
武道の発言に、全員が驚いた。
それは俺も始めて聞く妹の言葉だった。