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「人差し指と名の付く指の役割をきちんと果たす彼」え、めっちゃオシャレな言い方しますやん!すご! いまらっだぁ達と一緒に居るのって多分前に館で会ったあの人たちだよね、メガネと黄緑のフード…って言うとその2人しか当てはまらないし!
「いやぁ〜…すいませんねぇ〜本当w」
散らかった部屋、ボロボロの内装に似合わない家具たちを片付けながら言う紺色がかった髪をした彼は僕と少し、同じ匂いがした。
「お客さんをろくに招けないどころか怪我をさせてしまう事務所なんて、大丈夫なんですかぁ〜?」
先にソファに座ったぐちつぼが皮肉そうに鼻を鳴らす。
押し掛けた分際で言うセリフでは無いと彼を静止しようとするも、何故か拗ね気味な彼は言うことを聞いてくれそうに無かった。
「でも本当のことなんすよね〜それが…」
片付けをしている彼が何かをブツブツと唱えた気がしたが聞こえなかった。
僕はぐちつぼの斜め前に座る狂犬に視線だけを向ける。
「…ところで、先程から敵意剥き出しな彼は一体…?w」
先程から彼が自身を睨むものだから、あまりにも会話を弾ませる事が出来ない。
つまり気が散ってしょうがないのだ。
「あぁ…てか初対面の時もずっと睨んどったな。そんなに敵視する必要がある人間やないやろ?」
「………」
仲間の問いにも応答しない彼にむしろ罪悪感さへも抱かざるを得なくなってくる。
僕がここに来た時点で彼らはなぜか対立していたが、そこに僕が入った事で悪化させてしまったらしい。
まぁ引くつもりは無いが。
「本題に入っても良いですか?」
「ん?あぁどうぞ?w」
驚くも軽く承諾してくれる彼は心が広いのだと感じる。
横に座ったぐちつぼや、いまだに僕を睨み続ける黄緑のフードを被った彼は納得していなさそうだったが話を続けるとしよう。
「先週にあった「仕事」の内容についてですが、既に報酬は貰っているでしょうか」
「えぇ」
「これは単なる質問なんですが、当事務所に送られて来た「依頼内容」はどのようなものだったか覚えていらっしゃいますかね」
正直、これが今回一番聞きたかったものだ。
これに関してはぐちつぼがいつまでも口を割らないものだから自分で足を運ぶ羽目になってしまった。
だが、彼らとの接触は後に良い関係を築くことにもなりかねない貴重な代物だと思い足を運んだが、結果命を取られかねない事態となってしまった。
単なる質問という言葉を付け加えるだけで他意はないことを示してはみたものの、警戒心丸出しの狂犬がいる中、正直上手くいくとは思っていな…
「そう!それなんですよ!」
人差し指と名の付く指の役割をきちんと果たす彼。
メガネの奥に光る瞳はまるで敵意や警戒心を感じさせないものだった。
その姿にはこの言葉が一番よく似合うだろう。
拍子抜け。
「それが僕らもなんですよ______」