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鍾離と魈の間に子ができた。
幾度か重ねている内にできたらしい。
鍾離は特殊な体質で、元だが神なのもあるのか女性と男性の機能が所々ついていた。
まぁ、短く言うと妊娠可能な男性だ。
大雑把に造ったためか、不必要なもの、排泄や体毛などがなく、女体から男体に変えた為か妊娠出来るようになっていたらしい。
あの際はきちんと凡人が使うものを魈が初夜に鍾離の身を案じて、持参したが、それも100%妊娠しないというものでもない。
妊娠したことを魈に言おうか迷い、その辺をうろうろしていると
「鍾離様、何か御用が?」
といつも通り後ろから魈が現れた
「…魈、これから言う事は真実だ」
「…?御意…」
こほんと咳払いを1つして、
「その、魈…お前との子が、できた」
と、頬を赤らめながら告白した。
すると、
「…えっ…?」
魈から腑抜けた声が漏れた。
流石に急過ぎたかと、誤魔化そうと口を開こうとしたとき、
「っ…ほんと、ですか…?」
魈が跪きながら泣いていた。
「なっ…どうしたんだ魈、何かあったか…?」
早足で魈に近寄り、ぽろぽろながれる涙をぬぐいながら問いた。
「嬉しく…っ、昂ってしまい、まして…このような事は無いと…っ」
と、言いながら鍾離の体をぎゅっと抱き寄せた
「魈…?」
「嬉しいですっ…」
そう言われたとき、心がじわりと温まった気がした。
悲しみでもなく、ただ、嬉しさで
「ここに…いるのですね…?」
「…あぁ」
自分でも聞いた事がないくらい2人共穏やかな声だった。
ちゅ
魈からか、そんな音がした
「っ…健やかに育つといいですね…」
「その時は魈も手伝ってくれると助かる」
「勿論です…っ子を放っておく親などいませぬ…」
あぁ、もうこの子、いや魈は
「!…そうか、もう魈は俺の子でなく旦那だったか」
「旦那にしてはまだ未熟者ですが…」
「いいや、テイワット一いい旦那だ」
なんて、口説き文句のような事を言っても
「愛しています…っ」
と返してきた。
なんて純粋な旦那なのだろう。
「これ以上泣くな、いい親になるのだろう?」
はい…と掠れた声でふにゃと笑いながら返事をくれた。