〜後日談〜
第32回 花丘高等学校 同窓会
「え〜!!桜宮君と龍花君、今二人で音楽やって
るの⁉︎」
「うん。”flower moon”っていうんだ」
「高校の時そんな事言ってたか⁉︎」
そんな風に驚く元クラスメイト達を、
俺は愛想笑いで、葉月が答えて流していく。
「高校の時はそんなにかな。でも憧れ始めたのはそこら辺だね___幼馴染の影響で」
葉月がそう言葉を濁す。
そこをさらに追及してくるのがバカなクラスメイト達だ。
あの時から何にも変わっちゃいない。
「えー、二人以外にも幼馴染っていたの?誰、、、⁉︎」
「泡沫深月だよ。覚えてねェのかお前ら」
場が一気に静まる。全員何で、という表情を浮かべて俺達を見る。
「__そっか。ごめんね、嫌な思い掘り返しちゃったかな」
「ああ。お前らのせいで死んだアイツが本当に可哀想だ」
「ちょ、ちょっと待ってよ!なんでアイツが⁉︎」
そんな事をほざくバカ共に呆れ、なんて言おうか考えている時。
「テメェらで考えろこのバカ。恋愛だ何だに費やしたその脳を使ってな。___考えても分かんねェならいっその事死んじまえ」
そう、葉月が言う。学生時代大人しかった葉月から発せられた言葉だと思わなかったのか、顔に困惑の表情を浮かべている。
「聞こえなかったのか?テメェの頭で考えろっつっ てんだよ。頭だけじゃなく耳までバカになったの か?」
「葉月。言い過ぎだ、少し抑えろ」
今にも殴りかかりそうな葉月を言葉で制す。案外あっさり引いてくれて、内心ほっとする。
「___もう帰るわ。疲れた。おい葉月、行くぞ」
「あー、OK。サヨナラ、元クラスメイト」
全員の冷たい視線が背中にぶつかる。気まずい空気が流れているのが分かる。
「だから来る事にあんまり気乗りしなかったんだよ」
「うるっさいなぁもう。ほんの少しでも期待したかったんだよ!」
「まぁ気持ちは分かる」
「でしょ?」
そう言って少し笑い合う。二人の声が重なる。気を取り直して、、、
「「曲、作りますかぁ!!」」
おわり!
コメント
3件
最後の「「曲、作りますか!」」かっこよすぎん!?