電車に乗らなくて良かった、線路を誰迷惑も構わずに飛んでしまいたいぐらい死について考え歩き続けたから。
蝉の鳴き声も在り来りで安直で陳腐な言葉で、私の死を願うように合唱コンクールなら優勝する鳴き声で合唱していた。
合唱の邪魔と知りつつ道を歩く。
比較的に暑くもないに冷汗をかき、一駅歩く。
電車はたくさんの瞳に囲まれて怖い。
着いた先の隣の駅ですら、もちろん当たり前のことだが、
どこかしこも瞳、瞳。無視する瞳、一瞬見合って何処ぞを見る瞳。
足早に逃げる中にも瞳。
あの光線の威力はクラスという世界の中で味わった。
帰宅し疲弊した自分を野菜生活で労う。
瞳はいないが私の瞳が悪さをする。
裸眼から幾度も眼鏡を変えても焦点が合わず文字が認識できない。
やったゲームも、やり取りしたスマホも、確認するメールも。
人前と疲労でよく世界が揺らぐ現象だ。
休んでまた外出してまた揺らぐ。
私の正気が「このままではいけないよ」と私を揺すって風呂場へ連行するもずっと聴こえる蝉の合唱。
今、この場でおきている。意識さえ誰かに持っていかれそうになる。
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