テラーノベル
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『Mrs. GREEN APPLE、デビュー10周年おめでとう!!大森さんの曲が大好きです。藤澤さんの奏でるキーボードもフルートの綺麗な音色も、若井さんの繊細なギターの音も愛してます。本当に大好きです。改めて本当におめでとう!!』
『10周年おめでとーーう!!もっくん涼ちゃんもひろぱも大好きー!💗3人の変わらない関係性が大好きです💛❤️💙』
『10周年、本当にここまで続けてくれてありがとう、しか言葉が出ないです。おめでとうございます🎉👏そして、ここまでミセスを続けてきてくれてありがとうございます。今の3人、JAM’Sの皆さんが居てくれてこそ、今のミセスがあるんだと思いました。改めて本当に、10周年おめでとうございます!』
数々と湧き出るJAM’S皆からのコメント、どれも暖かい言葉ばかりでスマホをスクロールする指が早まってしまう。
俺たちは今日でデビューして10周年記念日で、ミセスを続けて約12年経った。もちろんさっきのコメントと一緒で、今のミセスがあるのは今の俺たち、JAM’Sの皆がいるから。…そして、フェーズ1の頃の仲間のおかげでもある。俺たちは今3人とサポメンで活動しているけど、ずっと忘れたくない仲間も居たからね。その人たちのおかげだよ。フェーズ1を楽しめていなかったら、今の俺たちがいなかったと言っても過言ではない。まぁ、昔のことの話をしても今は今だから、ここまでにしとこう。
それで、今俺たちは小洒落たレストランのオープンテラスで食を囲んでいる。トマトパスタにキノコ料理、ホールのイチゴタルト。自分たちの好みのものを頼んだ。涼ちゃんは目を輝かせてキノコのソテーを見てるし、若井はイチゴタルトガン見するし。他にも料理が運ばれてきて、乾杯をしていただきますを言って食べ始める。
若井はまず涼ちゃんのキノコソテーを1口ちょうだい、と言って頬張った。一口がデカすぎたのか涼ちゃんが
「若井たべすぎ、俺の分があぁ…」
「いいじゃん、別に、おいひいよ」
「よかったね…じゃなくてバカーッ!!」
イチゴタルトあげるからー、と言った若井に涼ちゃんは口を尖らせて「ありがとうだけど先にキノコ吐き出して」と大声で言った。
そんなことで喧嘩すんなよ、と口を挟むと2人とも静かにフォークを持って食べ始めた。若井はまずイチゴタルトではなく涼ちゃんのキノコをまた取って食った。さすがに10年以上の仲だからってそれはさすがにないんじゃないかと思いながらトマトパスタを口に頬張った。
「若井のバカ…アホ…きら」
「10周年なのに酷い」
「それを言い事にしやがって…ずるいやつ!」
だから喧嘩すんなって。幼児かお前らは。
「はいはい、素敵な日なので黙って礼儀良く食べましょうね〜」
「「俺たちは幼稚園児じゃない…!」」
あっ、と2人が顔を見合わせる。本当はめっちゃ仲良いのに、食べ物のことになるとバチバチなんだよな…幼児だなほんと。
懐かしいな、昔もこんなことあったな。
5年前のあの日、5人で某ファミリーレストランに行ってあの頃の俺らにとってはご馳走だったものを食べた。
「藤澤、そのパフェ一口ちょうだい」
「いーけど、はいあげふ」
「は…たべすぎ!」
「おいひほうだったから、つい」
「僕が大事に取っておいた最後のポッキーが…!」
涼ちゃんは頭を抱えて落ち込んで、若井は幸せそうな顔でパフェの味をかみしめていた。それをみて俺と、高野、彩華で微笑んだ。
…..懐かしいなあ、本当。あの時からもう5年も経っているなんて、短いような長いような。あの頃と変わってないなぁ、涼ちゃんと若井は。ほら、だって今も…まだやってんの?
「あ!俺のイチゴタルトが…」
「ん!うっまぁ、」
本当にこいつらは何時まで小競り合いしてんだ。真面目な話でもしようよ。懐かしい話とか。
「…涼ちゃんと若井見てると昔思い出す」
そう声に出すと、若井と涼ちゃんが口に入っている食べ物をごくん、と飲み込んでえ?と声を合わせて言った。だから、昔の光景と一緒、と微笑むと、
「…たしかに!若井にパフェめっちゃ食われた記憶が!」
「あー、ポッキーか 」
覚え方最悪じゃん、と涼ちゃんが若井に向かって言う。ごめんごめん、涼ちゃんポッキー嫌いなのかと思って、と笑った。それに涼ちゃんは最後の1本だったんだよ!と机に頭を伏せた。
「…まぁまぁ、そこまでにして、10周年ってすごい話だよ本当。俺がここまで来れたのはフェーズ1で過ごした時間のおかげでもあって、JAM’Sのおかげでもあって若井と涼ちゃんのおかげ。感謝してるし、愛してる。一生そばに居たいよ。居たいって言うか、居てくれるよね?」
「なんか、すっごい真面目じゃん」
若井が照れくさそうに笑う。それに続けて若井が
「俺も…本当に大好きだよ2人のこと、愛してる、こんな俺と一緒にいてくれてありがとう、離れないで、離さないよ…元貴と涼ちゃんん…」
「わ、若井…?もう酒回ってる…?」
「んん…涼ちゃんらいすき…」
こいつ本当に怖いわ。さっきまで幼児じみた喧嘩してたくせに、急に態度変わるじゃん。
酒ってすごいな、と思いながらワイングラスにワインを注ぐと、涼ちゃんが俺も、と言ってワイングラスをこちらによこした。俺がワインを注いでる時、涼ちゃんが
「元貴が言った通り、本当に10周年って凄いことだよねぇ、JAM’Sのみんなが支えてくれて、もちろん元貴と若井も、俺を支えてくれた。きっと、ミセスが解散しても僕は元貴と若井のこと忘れられないし、忘れたくないかも」
「俺もだなぁ。涼ちゃんと若井居ないと生けてけないかも」
「なんか話違くなってない?」
まあ、と答えてワインを飲んだ。
さっき言ったことは本当で、涼ちゃんと若井が居なければ生けていけないと思う。
だって、若井が居なければミセスが始まっていないし何より大事な親友だ。
涼ちゃんが居なければ俺はドス黒い夜に呑まれていたかもしれない。
だから、すっごい2人が大事。同じバンドのメンバーであり、親友であり信頼出来る仲間。手放すつもりはないし、2人が俺の腕からすり抜けて行くことは無いと信じてる。だって2人とも俺のこと大好きだしね。
離れたら、本当に許さないしぶん殴ってやるから。
デビュー10周年、おめでとう俺たち。
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