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男の子になりたい。
そう、願い始めたのはずっと前からだ。
いつ頃だろうか。
こんなおかまみたいな真似をし始めたのは。
どこでまちがえてしまったのだろうか。
僕は、おかしかったのだろうか。
小学校低学年の時は男子も、女子も同じ扱いだった。
着替えだって同じ部屋。保健の授業も同じ、
その頃は男子と遊んでもなんとも言われなかった。
ずっと同じような扱いが続くとおもってた。
いつからだろう。
男子と女子の間に見えない壁ができたのは。
小学校高学年になると、男子とからんでいると
なんで男の子とあそでるの?
お人形遊びしようよ。
その時からだ。
段々と違和感が。
心と体が
すれ違っていくんだ。
ちょっと前までは、男の子とも体型も、運動神経も変わらなかったのに、
体が大きくなるにつれてそれぞれの違いがでてくる。
初潮。
大きくなっていく胸。
止まっていく身長。
嫌だった。
本当に嫌だった。
そして僕が不登校になった事件が。
いや、彼女たちにはただのままごとだったのかもそれない。
それは中学一年生のことだった。
僕は今年から新しく追加された「スラックス」を履いて西中学校に入学した。
髪の毛も男の子みたいにかっこよく決めてもらった。
スラックスを履いてる女子生徒はわたしだけだった。
だけど、とても
楽しかったんだ。
そして入学1ヶ月。
女子で言う「イケメン」に告られた。
高身長、運動神経抜群、ぱっちり二重。
僕は何も考えずにお付き合いを始めた。
その頃から地獄がはじまった。
上履きにみっちり絞められた画鋲。
ビリビリに破れた教科書。
机に書かれた「泥棒猫」という文字。
黒板には佐藤 美香は 「おかま」とか「おとこおんな」とか。
その時僕は悟った。
僕は、異常者なんだ。
ふつうじゃないんだ。
女の子なのに、男の子みたいな格好してたり、男子とよくつるんだり、一人称だって「僕」だった
これは、異常だったのだろうか。
女の子はスカートを履かないといけなかったのか。
その時から学校には行かなくなった。
いけるわけなかった