～ぼんmen side～

とりあえず俺たちは二人より少し離れた席に向かった。

二人も座ったようだ。

若干ギクシャクしてる感じはあるけど、あの二人なら大丈夫だろう。

そう思いながらぼんさんと向かい合って座る。

「なあmen」

「なんすかぼんさん」

「menっておんりーちゃんのこと気になってるんでしょ」

「…そう…なんすかね？」

「なに、まだよく分かってないカンジ？」

「いやー、でも…」

ふと、自分が言ったセリフを思い出す。

『…おんりーちゃん、俺にしとけばいーのに。』

なんであんなことを言ったのか自分でもわからない。

でもこれが気になってる、ってことなんだろうか。

「…多分、そうなんでしょうね。」

「…うん。あのさ、」

「はい？」

「おんりーちゃんのこと、menが慰めてあげてよ。」

「…え？」

「いや…俺がおらふくん取っちゃったからさ。」

少し申し訳ないような顔で笑う。

「…ぼんさんは悪くないですよ。」

「…そーかな。」

「はい。人を好きになるってことは悪いことじゃないですから。」

「…menはやさしいね。」

「やさしくなんか…」

「だから…おんりーちゃんのそばにいてあげて？」

きっとこの人も、顔にはでなくとも負い目を感じているんだろう。

「…はい。もちろんです。」

「…ありがと、men。」

今、おんりーちゃんのそばにいられるのは、多分俺くらいなんだろう。

なら、そばにいてあげないと。俺が。

あの子はやさしいから。