自分は「大罪」を犯した。
それを自覚したのは、暗闇から意識が解き放たれた瞬間だった。
最初に飛び込んできた景色はこの世の終わりかと疑うほどのものだった。
親しい人たちが目の前で血を流し、倒れている。
それだけでも現実離れしているはずなのに、自分の手に残るドロっとした感覚に思考が止まる。
呼吸が早くなるのが分かる。
この「悪夢」の真相を自分の目で確認したくて、自分の無意識に震える手を見る。
それは、「血液」で染まっていた。
「はっ…、」
暗い部屋の中で目を覚ます。
知らない天井が視界に飛び込んでくる。
「おぉ、起きたか?」
どこかで聞き覚えのある懐かしい声が、耳を心地よく撫でる。
だがそれと同時に違和感を覚える。
その声は「聞こえてはいけない」ものだから。
「…は、」
「おぉなんや?そんな「化け物」でも見たような顔して…」
目の前には、「見慣れた姿」があった。
「……き、きょ、」
月光で照らされる綺麗な月色の瞳が和らぐ。
「…よぉw」
それは随分、悲しそうに笑った。
「俺は……殺してしまったは、ず……?」
そうだよねと、心の中で自分に問いかける。
目の前の彼が笑う。
「せやなぁ〜殺されたなぁ〜…w」
まるで遠い、思い出話でもするかのように語る彼は、その和らかい瞳を閉じながら自身の眠るベッドに体重をかける。
ゆっくりと、月が開かれる。
「…なぁ、「らっだぁ」」
「その」名前を知るのは、「彼ら」しかいない。
月が、ゆっくりと細められる。
「……せっかく、会えたんやからさぁ…?w」
彼がこちらに手を伸ばしてくる。
彼が動くたびベッドが鳴く。
頬に彼の手が優しく擦れる。
「…そんな顔見せんなや…なぁ、?w」
「ご、め…なざいっ、ごめ……ん…っ」
頬を伝う、生暖かい何かが瞳から溢れて止まらない。
胸が締められる思いが体を蝕んでいく。
温かい何かが、胸の中に広がっていく。
何度も掬おうとする水が、溢れ出して止まらない。
「ごめんなざいっ、ごめん、なざ…」
「…大丈夫…っ、大丈夫………謝んな…」
優しく抱きしめてくれる彼の胸の中。
上から聞こえてくる優しい声。
聞いたこともない、心の底から心配する声。
ただ、それにしては…
彼の体は冷たく、生気が無いようだった。
コメント
2件
きょーさん....まさかゾンビ........?やめてけれ.......😩
二人の会話にこっちも涙が︎;; 雰囲気もなんか素敵で感動しちゃいます最高です(꜆꜄꜆˙꒳˙)꜆꜄꜆ スコスコスコスコスコスコ(??)