🌟🌸
・🌸くん末っ子(数人兄がいる)
・🌸くんの一人称が「自分」
下へスクロールしたらすぐ内容が分かるかもなので苦手と感じたら即逃げてください(?)
今回はいつも以上に長いので、時間がある時にゆっくり読んでもらえると幸いです🫶
🌸くんside
自分は小さい頃から、女の子として育てられた。
というのも、両親は女の子を授かりたかったらしい。
けれども産まれたのは男の子ばかり、自分の兄ちゃん達だ。
年齢的にも最後の出産のとき、自分が生まれた。
なので両親はもちろん残念に思った。
いっそのこと女の子として育てちゃおう、そんな安易な考えだったのかもしれない。
だけど自分はそのことをよく思わない。
自分は容姿のことで、学校でいじられることが多かった。
モブ「お前男なのに何その格好w」
モブ「普通にキモいんだけどw」
着たくもないのに着させられたスカート。
肩まで伸ばされた髪の毛。
一人称だって「俺」を使いたいけど、使ったら両親に怒られちゃう。
かと言って「私」って言うのも嫌だし、「自分」を一人称にするしかなかった。
自分だってこんなの嫌だよ…。
だけど両親は女の子らしい自分でいることを願っているから、、
🌟「お前ら、さくらを虐めんのはやめろよ」
キラキラとしたオーラに包まれた男の子。
いつも自分が虐められた時に助けてくれる。
自分はそんな彼に憧れた。
自分もこんな風に、はっきり言えたら良いのに…。
そう何度も思った。
🌟「さくら、一緒に帰ろ」
🌸「…うん!」
自分に優しくしてくれる彼が、自分は好きだった。
…年齢を重ねるにつれ、もちろんその優しくしてくれる対象は増えていった。
🌟「大丈夫?僕がやろうか?」
モブ「良いの…?」
🌟「もちろん、困った時はお互い様でしょ?」
いつも周りに笑顔を振り撒く彼の姿は、昔とは違う。
昔よりも身長が随分と高くなったし、容姿だってより一層かっこ良くなった。
そんな彼はみんなに好かれていた。
もちろん自分もその中の一人だけど、。
モブ「ねぇ、今日一緒に帰ろ?」
🌟「良いよ、途中までだけどね」
もう彼から、「一緒に帰ろうよ」なんて誘ってくれることも無くなってしまった。
モブ「好きです、付き合ってください…!」
自分が教室にプリントを忘れて取りに戻った時、そんな声が聞こえた。
流石にこんな中教室に入ることはできず、終わるまで待とうと教室のそばで待つことにした。
モブ「…どう、ですか…?」
🌟「…ごめんね、その気持ちは嬉しいよ」
そこですぐに分かった。
告白された相手は彼だってことを。
🌟「…でも、僕には好きな人がいるからさ、」
「本当にごめんね、」
“好きな人”
まぁそうだよね…誰にでも好きな人くらいいるよね…
正直ショックで、これ以上何も考えたくなかった。
もうプリントとかこの際どうでも良い。
自分は足早にその場を去った。
そして気付いたら家に居た。
放心状態で歩いたからか、あれ以降の記憶は全く無い。
ただ頭の中で繰り返されるのは彼の言葉。
🌸「もうやだ…、」
その悲しみで目から大量の汗水が流れた。
何度目を擦っても止まらない。
それくらい、自分は彼が好きだった。
彼はそんなの全く知らないと思うけど…。
自分は机の引き出しからハサミを取り出した。
🌸「…怒られたって良いや、」
部屋中に髪を切る音が鳴り響いた。
おれは腰まであった長い髪を切ったんだ。
でも、切る音が綺麗で、夢中で切りすぎてしまった気もする。
まぁ良いや、もうどうでも良いし、
両親に怒られてももう切ってしまったのは仕方ないし。
鏡を見ると、泣いていたせいか目が腫れていた。
それに、髪の毛は自分で切ったことが一目で分かる。
おれが美容師さんみたいに綺麗に長さを揃えて切ることなんて不可能だし、
母「さくらーご飯よ、」
母さんが部屋の前まで呼びに来てくれた。
🌸「今行く、」
そう返事してリビングに向かった。
母「さくら…その髪…」
🌸「…自分で切ったの、…ごめん、」
母「…そっか、」
母さんは何かを察してくれたのか、それ以上触れてこなかった。
それは兄さんたちも同じだった。
おれたちは静かな空気に包まれながらご飯を食べた。
次の日、おれは学校に登校した。
すれ違う人たちに変な目で見られるし、朝から最悪な気分。
まぁでもそうだよね、昨日までおれは長い髪を下ろしてたんだもん。
でもだからと言ってジロジロ見るのはやめて欲しいな…
教室でもおれは多分浮いていた。
裏でいろいろ言われてる気がする…怖い、
おれは不安になりながらもなんとか一日過ごし、ようやく放課後になった。
早く帰ろ、。
おれは準備してすぐに帰ろうと思った。
早くここから逃げ出したかったから。
🌟「待ってよ、さくら」
すると、後ろから呼び止められた。
聞き慣れた声だから、振り向かなくても彼だとすぐに分かった。
🌟「今日、一緒に帰ろ?」
🌸「え、…」
それは思いもよらない言葉だった。
🌸「…ごめん、今日は無理、」
今だけは貴方に会いたくなかった。
貴方といると、勝手に涙が溢れてきちゃいそうだから。
🌟「…どうして、?」
🌸「それは…」
🌟「どうしても無理…?」
その優しい声色に包まれ、そのままの流れでYESと言ってしまった。
おれは貴方に失恋したんだけど…。
そう思いながら帰り始めた。
🌟「それで…どうしたの、その髪」
やっぱり聞いてくるよね…分かってたけど、
🌸「…昨日自分で切ったの、」
「似合ってないでしょ」
つい少し強い口調になってしまった。
🌟「いや似合ってるよ」
「なんなら前より似合ってるかも」
🌸「…え、?」
🌟「もちろん前も似合ってたよ」
「だけど、今の方がさくらに合ってるっていうか…」
🌸「…ありがと、元気出た」
🌟「それは良かった、」
「でも、どうして急に…?」
🌸「…おれ、失恋しちゃったんだ、笑」
おれは少し冗談っぽくそう言った。
慰めてもらいたい気持ちは全くない。
むしろされた方が複雑な気持ちになるし。
🌟「…そうなんだ…だったらさ、」
🌟「俺にしとかない?」
🌸「…え、?」
彼から言われた言葉は意外なものだった。
失恋した原因の人と付き合う…?
どんな世界線でもおかしな話だと思う。
だけど、断る理由なんておれには無かった。
🌟「やっぱり…だめかな、?」
🌸「…いや、おれで良ければぜひ、」
🌟「ほんとに!?良いの!?」
🌸「良いよ、逆に良いの?って感じだし…」
「おれ、ゆぺくんのこと好きだよ、?」
🌟「マジで言ってる…?」
🌸「うん、…元はと言えば、おれゆぺくんに失恋したんだし、」
🌟「え、そうなの、?」
「僕さくらに何か言ってたっけ…?」
🌸「…昨日の放課後、告白を聞いてたの」
「そしたら好きな人いるからーって、…」
🌟「あー、その好きな人、さくらのことだよ、」
🌸「…え、そうだったの、?」
🌟「そうそう、」
「いやーマジで良かった…」
🌸「おれもだよ、ほんとに…」
🌟「…起きたら夢だったとかない?」
🌸「無いよ、笑」
「確認してみる?笑」
おれはゆぺくんに優しく微笑んでみた。
🌟「…そうだね、確認しよ」
そしてゆぺくんはそっとおれの唇にキスをしてくれた。
🌟「ほんと可愛すぎ、笑」
ゆぺくんの甘い声で、おれは脳まで溶けてしまいそうだった。
🌸くんの一人称を途中から変えたんですけど、これを聞く前に気付いた人は天才です(
みなさん、失恋した時に髪を切ると気分がリフレッシュできる的なことを知ってますか?
私は前まで知らなかったんですよ!
なのでずっと伸ばしていた髪を小6の時にばっさり切ったんですけど、隣のクラスの子に失恋したの?って聞かれて驚きました(
私絶対周りに失恋した女だと勘違いされました最悪だ🥺
本当はそんなこと全然無いんで!!(?)
今回もスクロールお疲れ様でした!
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