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わぁぁ…いやこういう雰囲気のやつ 好きだわ……儚くて、世界の綺麗さ も、穢れも表してるような…… そんなようなやつ好き……!! 青くんの黒くんを連れ戻したときの 言葉好きやわ….
凄い… 儚いようなかんじする… 物語に引き込まれて夢中になっちゃうわ…w
「あにき、っ?!」
家のベランダ
高いフェンスに預けた腰
長い髪は風で揺れる
「なにやっとるん、!危ないよ!」
声をかけるとそっと振り向いた
『あっ、まろやぁ』
力なくへなりと笑う無邪気なその顔が
恐ろしい程に儚くて
「風邪ひいとるんやから…はよ戻ろうや」
とりあえず落ちないように手首を握る
君はそれでも動こうとしない
「っあにき、」
『まろ』
名前を呼ばれて顔を上げる
「…っ、?あにき、?」
_泣いとるん?
空を見つめる彼の頬は光を纏う
金木犀の様な暖かい黄色の瞳から淡い水がぽろぽろと零れ落ちていた
『空の向こうには何があると思う?』
「へ、?」
優しく笑って 彼は空に手を伸ばす
『向こうにいったやつら、 みんな戻ってこーへんのよ』
『きっとそれほど 楽しいんやろうな』
彼の言う事に何も返す事が出来なかった
君が歩んだ人生は一体どれ程重たかったのだろうか。
「きっと素敵な所なんだろうね」
彼の手を引いた
次は大人しくこちらに戻ってきた
「俺は悠佑を向こうに行かせる気は無いよ」
寂しそうに瞳を揺らす
俺は言葉を繋げた
「俺がいる場所が、悠くんの帰る場所 悠くんのいる場所が、俺の帰る場所。」
「向こうより絶対に楽しい自信があるよ」
「向こうより絶対に幸せになる。俺らならね」
抱き寄せると君が震えている事に気がついた
「なにか不安になっちゃったの?」
「怖かった?辛かった?」
「俺には分からない、それでも」
「寄り添う事なら、いくらでも出来るから」
「俺に全部預けてよ」
下手くそだけど笑ってみせる
君も優しく笑ってくれた
『まろは星よりも綺麗やね』
笑って君は俺に体を預けた
正常な呼吸。可愛らしい寝顔腕の中に収まった体温。
少し高いが間違えなく彼の温かさ。
「じゃぁ、あにきは月かな、?」
暖かく、いとも簡単に当たりを照らしてしまう
包み込んでくれる優しい月。
綺麗な長髪にそっとキスをおとした。