「克巳さんっ、お願、いぃ……んっ」
息も絶え絶えといった様子で悩ましげに顔を歪め、俺をじっと見つめる。
「――なに?」
「もう少、しだけ、力入れて握って……んっ、欲しい、んだ」
「これくらい?」
握ってる力を、ちょっとだけ入れて擦りあげた。
「はぁん……ぅあ、もう少し……はぁ――」
「これは?」
「ぁん、ぅ、それ……くらい、はぁ、んっ!」
俺の手に合わせて、気持ち良さそうに腰を上下する姿に、もっと感じさせてみたくなる。
「うあ……やば、克巳さんっ……はぁ、腰、止んなぃ、もっと」
握っている稜のモノは、今にもイきそうなくらい膨張していた。
そんな彼をイかせてやろうとら手の力をこめたとき、彼はシーツを掴んでいた手を放し、俺の首に両腕を絡めて、強引に躰を引き寄せた。
「俺を克巳さんの……んっ、あぁん、おっきいので……気持ちよくて、っ!」
耳元で甘く掠れた声で囁かれたせいで、無性に胸がドキドキしたけど、稜の言ったセリの内容に不安がよぎる。
――俺のを、稜に挿れるのか!?――
挿れる場所は一箇所しかないワケで、しかもその部分は通常こんなモノを挿れたりせずに、出す場所なワケで。
そんなことを頭の中で考え、固まってしまった俺の顔を見て、稜は目を細めクスッと笑い、唐突にボトルを手渡した。
「克巳さんのおっきいから、指でしっかりと馴らしてほしいんだよね」
「えっ!? ああ……」
思わずOKの返事をしてから、やることの順序を考えてしまう。慣れないことをするときは、いろいろと考えてしまうクセがあった。
(ボトルから液体を出し、てのひらで温めてから、指を一本挿れてみよう。そうして様子を見てから指を足して、馴らしていけばいい、か?)
息を飲みながら、とりあえず人差し指を一本挿れてみた。つぷぷっと吸い込まれるように入っていくのを見て、何だか変な気分になる。
「……っん、ん、っ、はぁん、あぁ……」
何回か抜き差ししながらナカを広げていき、もう一本増やしてみたら、ヒクついている様子が指に伝わってきて、俺のモノがピクリと反応してしまった。
「稜、もう挿れるから。いいね?」
気がついたら言葉を発していた自分。さっきまで躊躇していたのが、嘘のよう。
何も言わず、こくんと首を縦に振り俺が挿れるのを、瞳を潤ませて待っている稜。その姿を見ただけで、自然と躰が熱くなってしまった。
そんな俺を待ちわびる彼のナカに自身をあてがい、ゆっくりと挿れていく。
「あぁぁ、克巳さんのが入ってきてるっ……気持ち、ぃい!」
「大丈夫?」
正直指を二本挿れただけでは、馴らしたとはいえないだろう。実際はかなり、辛かったんじゃないだろうか――
「んんっ、ぅっ! 克巳さ……ぁ、っ! ぁっ、はぁん……っ」
稜の片足を肩にかけ、奥目掛けて全部挿れてやると、勝手に腰を動かしだす。
「お願いぃっ、もっと、もっとぉ……!」
「本当に大丈夫?」
もしかして、ヤり慣れているのだろうか。結構、強引に挿入したというのに。
「大丈夫……だから。ねぇ、早く動いて?」
もう思い切ってやってやれと思い、細い腰を両手で持ち上げ、がんがん突き立ててみた。
「克巳さんの、熱くって、大きくって……んっ、もぉ、壊れそうぅ……」
すごく感じているんだろう、俺自身をぎゅっと締めつける。1回イってるとはいえ、これは結構キツい――
「アっ……ふぁ、あっ! ソッコ……あぁ、あん!」
「ここら辺?」
「ちょ、待って。動いたらダメ……やだぁあっ! ふぁ、ッんんっ! あ、ああっ腰、動かさないで、ダメだってっ!」
そう言いながら、稜は自分から腰を動かす。彼の動きに引き込まれるように、俺自身が大きくなっていくのがわかった。
「あっン、はぅうぅ……やらぁッん、あふっ、凄い当たるっッ、腰止まんないっ」
そのハチャメチャな動きに、我慢の限界がみえてくる。
「稜っ、締めすぎ……っ! すぐイきそう、だ」
「あぁ……もぉイッていいよ! 俺も、イきそッ」
長い髪を乱して、がくがくと痙攣させる躰をぎゅっと抱きしめ、気持ちイイと言っていた場所目掛けて、激しく腰を打ちつけてやった。
「んっ、ひゃ……あっ、イっくっ! やぁ、あっぁ!!」
次の瞬間、稜自身から白濁の欲が勢いよく吐き出され、俺の躰を濡らしていく。それに導かれるように、俺も稜の中で根こそぎイってしまった。
重ダルい体をそのままベッドに投げ出すと、長い髪を耳にかけながら、稜がすっと起きて、俺の躰にかかった欲をキレイに拭き取り、ゴムの処理までさせてしまい――
「何か……全部してくれて悪い」
「いいよ、別に。気持ちよくしてくれた、お礼みたいなものだから」
どこか嬉しそうにふわっと微笑んで、俺の躰に布団をかけて添い寝をする。
「ね、克巳さん。気持ちよかった?」
印象的に映る瞳を細め、顔を覗き込みながら困ったことを訊ねられた。
「えーまぁ……うん。良かった、かな」
まさか男にあんなふうにイかせられるとは、思ってもいなかった。何やってんだろ……
「克巳さんのおっきかったから、俺の感じるトコ、ダイレクトに突くんだよね。マジでサイコーだったよ」
「……へぇ、そう」
困り果てる俺に、ぴったりと寄り添ったと思ったら、耳元にふーぅっといきなり息をかけてきた。
「ななっ!?」
「もう一回したいって言ったら、できそぅ?」
そして稜は俺自身に手を伸ばし、強引に唇を重ねてくる。
「っ、ンンっ―!」
気持ちは回れ右をしたいのに、快感を覚えた躰がいうことをきかず、稜から与えられる気持ちよさを求め、逃れることができなかった。
彼の中に自分を刻み付ける行為に夢中になり、気がついたら一晩中、彼と共に夜を過ごしてしまい……そのせいで、理子さんからの電話に気付けずにいたのだった。
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