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「またクラス一緒だねっ!嬉しいっ!」
春の風と共に響く様々な声。
その中に潜むバラバラな3人が 偽りの自分なんてものを通して
仲良くなるなんて 思わなかっただろう。
会いたい人と会えない彼女、両親が愛を分けてくれない彼女、「悪役令嬢」と呼ばれていた彼女 。
このお話は 3人が 偽りの自分を作り 本当の自分と戦う お話である。
日向 芽衣
2年 C組 演劇部
東雲 愛莉紗
2年 B組 帰宅部
兎月 嶺
2年 B組 演劇部
「あなたのことが嫌いだったの、でも面白いじゃない?」
「…えっ、と……なんでしたっけ?」
「す、ストップ…」
新学期が始まり、もう桜が散り始めている。
そんななか体育館では様々な声が聞こえている。
「いい加減覚えなさいよ。セリフ、所々違うし、」
「うぅ…っ、すいません…」
ここで叱られているのは2年生。
日向 芽衣 だ。
逆に叱っているのは 3年生、演劇部 部長。
宮本 音葉。
「まったく…、これで何回目なのよ…、」
と、音葉が苦笑いをする。
その時。
「おー、みんな あつまれ!!」
声を上げたのは加藤…、演劇部の顧問だ。
「新しく演劇部に入る兎月さんだ。」
「兎月 嶺です。よろしくお願いします…」
長いまつ毛、綺麗なストレートの黒髪。それに細い体。
どこかのお嬢様のような容姿だ。
「とづきさん…だっけ?よろしくね。」
「よろしくお願いします」
「えっと…私は…」
「音葉さん、…ですよね。 体験させていただいた時に役作りがとてもお上手で、覚えています。」
「…いい子だね。」
「いえ、そんなことはないで____」
「とづきさーーんっっ!!!」
走りながら声を上げているのは、芽衣だ。
とにかく可愛い物好きの芽衣。
やはり嶺の容姿を見た瞬間に虜になったのだろう。
「めいこ、うるさいっっ!!!!」
「ごめんね〜、うるさくて」
「大丈夫です。」
嶺はさほど驚いていないらしい。
「私の名前は芽衣っ!兎月さん!よろしくねっ!!」
明るい挨拶とは裏腹に芽衣は怯えていた。
「あんたのことがずーっと嫌いだったの。でも面白いじゃない?」
「友達だと思っていた奴に裏切られるあんたの顔。」
「やっぱりそれが見られた今日は幸せって言葉が一番 似合う!!」
「兎月さん…すごいですね、…」
「そうだね、………」
「宮本先輩。」
「…なに?」
「私の役、取られませんかね。」
「…どうだろうね。」
そう。 兎月 嶺に。
「ねぇねぇ、兎月さんって本当に演劇 はじめて?」
「…え?あぁ、うん。」
「中学は茶道部だったし、」
「転校前の高校では美術部だったから。」
「…いろんなことできるんだね…。」
「うん、…一応、一通りはやっておかないと と思って。」
「へぇ〜…、」
はるかに自分よりも記憶力も、演劇部としての才も上を行く嶺に妬いているのだろうか。
「日向さんは、…悪役、向いていないんじゃないかな。」
「…?」
悪役…、いま10月に行われる文化祭のため、演劇部オリジナルの物語が作られている。
その中のキャラクター、高野 真由 。
虐められているヒロイン、心優の隣を歩き、支えているように見えていた彼女がいじめの主犯格。
典型的な悪役そのもの。
「日向さんはヒロインとか、いい人の役の方が似合うよ、絶対。」
「…そーかなぁ、……」
「…確かに、演劇部って圧倒的 人不足だし、まだ心優役も埋まってないし〜っ、」
「移ろうかなぁ、でもなぁ、」
「人、足りてないんだ…。」
「うん。…宮本先輩に、わたし、兎月さんに、〜山口さん、…小川さんに、優子さん、
…あとは美香ちゃんだから…えっと、何人だっけ?」
「7人だね。」
「そう、7人。」
「誘える人誘うしかないね〜…」
「私の方もクラスで探してみるよ。」
「ほんとに?助かるよぉ、」
「集合!!」
「宮本さんだ。」
「早くいかなきゃね、」
「はいっ、(手を貸す
「あ、ありがとう。(立
「文化祭だが…、」
「めいこ、すまない、あんたの役は兎月さんに譲ろう…。」
「ふぇっ、」
「え、…私ですか?」
悲報。
芽衣、クビになる。
「それでだな、めいこ。」
「お前には重要な役をやってもらう。」
「えっ、まさか…っ、」
「ヒロインの友達役。」
「ゑ?」
悲報。
芽衣、モブキャラになる。
見てくださりありがとうございます。
これからは連載続けるので見てくれる人がいなくても多分続けます。