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【山本視点】
ある日、大学に着くと
大柄の男たちが絡んできた。
「お前北村とつるんでるんだって?」
何言ってるのか分からなかったけど
その男たちはタバコを吸いながら言った。
「あんなやつ、ただの自己中だ。
お前のことも嫌いに決まってる。やめとけよw」
なんだか腹が立ってしまった。
「あの僕、タバコの煙苦手なんで、
吸わないでもらえますか?タバコ。」
男たちは度胸があるなという顔をして
笑ってタバコを投げ捨てた。
(北村さんが………?)
疑問を抱いたまま、
屋上に行った。
同じ大学に入ったから、
屋上で待ってるって、
高校の友達が言ったのだ。
「あっ!海!やっとかぶり!」
そこには、高校の時転校してきた、
仲村海が空を眺めていた。
「おー!久しぶりじゃなぁー!」
海は広島から転校してきたのだ。
「空、ぶち綺麗じゃろ?」
「うん。」
お互い方言を使ってるが、
ちゃんと伝わっている。
海は空の話だけして
降りていってしまった。
風が吹いて、
僕の宝物が落ちた。
母親の写真が入ったロケットペンダント。
こんな軽かったっけ?
ギリギリ手の中に入った。
「うわっ」
落ちそうになった。
ああでも、
このまま会えるなら………
「山本。」
北村さん……?
「……山本?」
なんですか?
「聞こえてる?」
聞こえてますよ。
「山本?…やまっ……」
もういいじゃないですか。
「山本!おい!!」
僕の事嫌いな癖に。
「やめっ…やめろっ!」
うるさい、うるさい
「山本!!!!!」
うるさいうるさいうるさい。
北村さんは、落ちそうな俺の手を
ぎゅっと掴んだ。
「…北村さん?」
僕のこと嫌いなのに?
「山本、上がれる?」
そう言って僕の手を引き上げようとした。
「離してください」
僕は少し抵抗した。
「も、無理…っ」
手が滑りそうになった時
「山本くん!」
王室の三人が
手を掴んだ。
俺は初めて、人に感動して泣いてしまっていた。