コメント
0件
※ぼんおらシリーズの後の話です。そっちの設定で話が進んでいるので、先にそちらをお読みください。
「…いいよ。俺のそばにいて?」
おんりーちゃんのそばに居よう。
そう決めてからそろそろ一週間が経つ。
そして変わったことがあった。
最初はちょっとだけ、「可哀想だから」みたいな気持ちがあった。
でも最近はもう違う気がする。
おんりーちゃんと居たい。
そんな風に思うようになってしまった。
でも、分かってる。
あの子の中で一番大事なのはきっと、
おらふくんだ。
俺は話を聞いて、慰めてあげるだけ。
だからきっとおんりーちゃんも俺に好意は抱かない。
それが俺たちの関係だから。
でも、
「…つらいなぁ…」
君の一番になりたい。
もう夢で泣いてほしくない。
寝言の謝罪なんて聞きたくない。
俺を見てほしい。
なんてね。
「men、どした?」
お風呂から上がったおんりーちゃんが髪を拭きながらこっちへ来る。
「…なんでもないよ」
当たり前のように俺の隣に座る。
「…今日も一緒に寝てくれる?」
少し不安げな上目遣いでこちらを見ている。
「…いいよ。」
あれから、おんりーちゃんはしばらく俺と寝ている。
一人でいるのが怖くなってしまったらしい。
だから、一人で寝られなくなってしまった、と言っていた。
でも、俺と寝るようになってからはすぐに寝付けるようになった、と嬉しそうだった。
夢見はあまりよくないことの方が多いみたいだが、口に出さない当たり気を遣わせたくない、という想いがあるんだろう。
…おんりーちゃんの夢にはいつもおらふくんが出てくるらしい。
その後居なくなってしまって、懺悔の言葉を吐く。
そんな夢を繰り返し見ているらしい。
なぜ分かるのか。
…皮肉なことに寝言で全部言ってる。
だから今日もそうなんだろうと思ってた。
「…おやすみ、men。」
「おやすみ。」
すぐに隣ですぅすぅと寝息が聞こえ始める。
いつもならおらふくんの名前が出てくる寝言に
今日は───
「…men?」
俺がでてきた。
やっぱり不安そうな声。
俺に迷惑をかけてる、とでも思っているんだろうな。
全然そんなことないのに。
「…なぁに?」
寝言に返事を返す。
無意味だろうけど、これで少しでも安心してくれるだろうか。
「…僕は…そばにいてほしいよ…」
「…いるよ。でも…」
もし、君に聞けたら。
「…どーせ、俺じゃなくてもいいんでしょ?」
そばにいてくれるなら、誰でも
「…俺は….menと居たい…から….」
「…おんりーちゃん?」
寝言が聞こえなくなった。
深い眠りについたみたいだ。
軽くおんりーちゃんの頬を撫でる。
「…隣にいるのが俺でいいの?」
これが彼の本音なら。
「おらふくんでもなくて?…俺でいいの?」
俺はそれを──
「…もう、つらくなくなるかな。」
俺にも眠気が来た。
ゆっくりと意識が沈んでいった。
──今おんりーちゃんは、俺を見てくれているかな。