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影斗said
「ただいまー」
僕がそう言うと、すぐに返事が来た。
「おかえりー」
そう言って双子の姉影波は、ひょこっと顔を出す。
「早速、仕事の話して良い?」
影波はタブレット端末を持ちながら言う。
「うん。」
仕事?そう聞いて多くの人は?になるだろう。
僕たちがする仕事は、怪盗の仕事だ。
そう、僕たちの正体は世間を騒がせている
怪盗シャドウだ。
僕が、実行役で、影波が指示を出したりするサポーターだ。
「今回いただく品がこれよ。」
影波はタブレット端末を僕に見せてそう言う。
画面に表示されていたのは、白い星の様な模様が入った
ピンクがかった赤色の宝石だった。
「星?」
「そう、この星の模様はスター効果と言って、ものすごい確率でできるらしいの。」
「じゃあ、とても高価な物なの?」
「その通り!」
影波は指をビシッと立ててそう言った。
「金城財閥って知ってるでしょ?」
「あー!あの金城財閥?」
「うん。実はこの宝石は金城財閥が代々守り抜いてきた家宝なの。でも、10年前に盗まれて以来、この宝石の行方が分からなくなっていた。」
「なんで急に見つかったの?」
「父さんが、とある闇組織で見つけたんだって。」
「闇組織⁉︎」
「そう、闇組織よ。」
闇組織っていうと、とても危ない匂いがぷんぷんする気がした。
「じゃあ、次は場所確認ね。」
「了解!」
夜
僕は、怪盗用の服に着替えビルの屋上にいた。
「準備は良い?」
インカム越しから影波の声が聞こえた。
「うん。」
「それじゃあ、怪盗シャドウ始めるわよ!」
「了解‼︎」
僕は返事をするのと同時に、ビルの屋上から降りた。
「よっと。確かこっちだよね。」
僕は、廃ビルの中に入る。
カツーンカツーンと、僕の足音が響く。
「そこの階段を登って。」
「うん。」
(結構雰囲気あるな……)
そう思いながら僕は階段を登った。
すると……
「ったく、なんだよ。なんでこんな人が来ないような場所を見回りしなきゃならないんだよ……」
影波が言ってた闇組織の人だろうか。
懐中電灯を持ちながら歩いてくる。
「眠いなぁ……」
闇組織の男はあくびをしてそう言った。
「じゃあ、寝てみる?」
僕はそう言って、男に手刀をお見舞いしてあげた。
男はその場に倒れた。
「ふぅっ」
僕は再び、階段を登った。
階段を登って、最上階に着くとガラスケースに例の宝石が飾られていた。
「これが……」
僕は宝石を見た。
そこには、写真で見たあの宝石があった。
でも、写真で見るよりも実物で見る方が何倍も綺麗だった。
「影斗?」
インカムからなかなか返事が来ない僕を心配した影波がそう言った。
「ちょっと見惚れてた。」
「急いで、いつそこに人が来るか分からないわ。」
「うん。」
僕はガラスケースを傷つけないようにそっと開ける。
「え…?こんなに簡単に開けられるの?」
僕は、困惑した。
今までもこのような感じで宝石が飾られていた事があったけど、今回みたいに簡単に開けられなかった。
「もしかして……!」
インカム越しに影波が慌てているのが感じれた。
「影斗!これは罠よ!」
「罠⁉︎」
「急いでその場から逃げて!」
「わかった‼︎」
僕は急いで、逃げようとすると、
「怪盗と聞いていたけど、ただのガキじゃねえか。」
「っ⁉︎」
声が聞こえた所を見ると、闇組織のボスらしき人と、黒いスーツを着た屈強な男がいっぱいいた。
「影斗!逃げて‼︎」
耳元で影波がそう叫んでいるけど、足が震えて動かなかった。
初めてだ、こんな事になったのは。
「今すぐその宝石を戻しな。そうすれば命だけは奪わないでやる。」
ボスらしき人がそう言う。
僕は声色を変えて言う。
「やだね。あんたらが盗んだ物なのに、自分の物みたいにするのには腹がたった。」
「ほう…では、それを盗むというのか?」
「その通り!」
僕は宝石を取る。
「本当にやるとはな……」
ボスらしき人はそう言って懐から何かを取り出す。
「それは……」
ボスが取り出したのは拳銃だった。
「じゃあな、怪盗シャドウ!」
拳銃に手をかけた時……
「「なっ⁉︎」」
「どうして、サツが…⁉︎」
「さっき、子供が大人に狙われてるって通報が来たんだ。」
警察は拳銃を構えてそう言った。
「くそっ!逃げるぞ!」
「捕まえろ‼︎」
この警察は逃げようとする闇組織の人を捕まえる。
「まさか、子供が怪盗シャドウだったとは。」
誰かがそう言う。
振り向くと、中学生探偵として有名な朝日奈明だった。
「なんで、探偵がここにいる?」
僕は声色を変えてそう言った。
「僕たちは、この闇組織について調査してたんだ。そしたら、たまたま怪盗シャドウが盗品を取りに来るって聞いてね。」
「ふぅん。」
「君でも、追い詰められることがあるみたいだね。」
「猿も木から落ちるって言うだろう?」
「ふふっ確かにそうだね。」
彼は、微笑んでそう言った。
なぜか、胸が熱くなる。
顔も熱を帯びて熱くなっている気がした。
僕は、そんな自分を取り繕うように、宝石を手に取り、窓辺へ近づく。
「助けてくれてありがとうな。」
僕はそう言って窓を開けて外へ飛び出した。
「ちょっ⁉︎待てっ!逃げるなっ‼︎」
遠くで探偵が叫んでいるのが聞こえた。
顔が熱くなる。
そのせいで、吹き付ける風が余計に冷たく感じた。
多分、僕の顔はとても真っ赤になっているに違いない。
僕はそう思いながら家へ向かった。
どうも!
主の一月くらげです!
お楽しみいただけましたか?
今回はBL要素が最後しかなくて物足りない人が多いかもしれないですね(笑)
次回から、主のできるところまでBL要素を増やしていきたいなと思っているので、楽しみにしていただければ良いなぁ〜って思っています。
ついでに、❤️を押していただけると嬉しいです……!
それでは、また次回お会いしましょう‼︎