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「マナー!」
「あっ、聖子〜!お久しぶりねー!」
「元気してたー?」
「もちろんよ〜!聖子の方こそ、老けないわね〜!昔の『マドンナ』って言われてた頃から変わってないじゃない!」
「そんな事無いわよー!マナの方こそ、若いままよ!」
「ハッハハ〜〜w」
待ちに待った今日というこの日は、
高校時代の同窓会だ。
この会には大人数が参加するから、私も張り切っておしゃれしてきた。
そして、久しぶりに 昔の親友・聖子と会ったという訳だ。
聖子は高校時代、学校一のマドンナと言われるほどの美人だった。
もちろん今も雰囲気は変わっていないが、やはり年は感じる。
そんな中私はというと、聖子の隣の、影が薄い陰キャという感じだった。
話は高校時代からしばらく進まなかった。
ザ・青春時代の話は盛り上がるものだ。
「そういえば聖子って、結婚はしたの?一生独身が良い、って言ってたけど…」
「私?実はねぇ、5年前に結婚したのよ〜」
「うっそ!?私よりも長いじゃない!」
「えぇ!」
「私、結婚して3年なの。聖子よりも遅いだなんて、思いもしなかったわ〜」
「そうよね!」
こんな感じで どんどん時代は進み、今の話になった。
私は一口ワインを口に含み、話を続ける。
「同年代の方と結婚したの?」
「えぇ、実はね…… 啓汰と結婚したのよ〜」
「えっっ!?あの、あんまり目立ってなかった啓汰と!?」
「んもう、驚かないでよ〜」
「どっちからプロポーズしたのー!」
「…私よ?」
「うそでしょ!意外すぎるわ〜」
そう、啓汰と言えば、地味な眼鏡男子のイメージしか無かった。
まさかあんなに人気だった聖子が、啓汰と結婚するとは思いもしなかった。
その時だった。
「あ、もしかしてマナですかー??」
「? あぁ〜っ!噂をすれば、啓汰じゃない!」
「久しぶりーw」
「だいぶ明るくなったわね!当時のイメージと違うんだけど〜」
「まぁな〜!」
「あんた、聖子と結婚出来てほんっと良かったわね〜!」
「ちょっと、マナ――!」
「フフw」
会話の盛り上がりは最高潮。
でも、同窓会も終わりに近づいてきた頃だ。
様々なゲームも終わり、写真撮影タイムになった。
「よーし、撮りますよー!」
「はい、ち〜ずっ!」
高校時代と比べ、写真撮影も恥ずかしく感じるようになった。
あらゆる思い出が懐かしい。
「では、これにて〇〇高校同窓会を終わります!」
そうして、懐かしの同窓会は終わりを迎えた。
でも、この会がきっかけで 聖子とよく会話をするようになった。
カフェで会ったり、ラインで会話したり。
―――だけど、同窓会の日を境に、とある違和感を感じるようになった。
聖子と会った帰り――
今日は、聖子と長く遊んでいたので、夜遅い帰りなってしまった。
夫の修二には あらかじめ報告していたから、安心は出来たけれど。
そうして家に上気分で帰ると、修二の姿は無かった。
その代わり、何か大きな物音がした気がした。
「ただいま――― って、あれ?修二?修二ー?」
「あっ、ま、マナ!おかえり…!」
「ん?どうしたの?今日は元気が無い感じだけど…」
「いや、何も無いよ?あ、そうだった!俺、夕食を準備しておいたから!食べて食べて!」
「あ、ほんとー?ありがと!助かるわー!」
「うん、食べてー!じゃ俺、仕事残ってるからやってくるわ」
「オッケー!ありがとうね〜!」
「(……なんか、違和感……、)」
修二はいつも優しくて、私にもすごく気を遣ってくれていた。
私がそれに頼りすぎていたからかも知れないけど、今日は少しそっけない気がした。
焦っているようだったし、何かあったのかなぁ…?
私はそう思っていて、大して気にもかけていなかった。
でも、聖子に その事を軽めの返信求めてラインで相談してみると、 思いがけない発言をされたのだ…。
“それって……”
“不倫かも知れないわよ!!”
「!?」