白咲鹿児(しらさきかこ)
廊下で偶然すれ違った親友に視線を向けて
にこやかな笑顔を作って挨拶をした
信太里子
白咲鹿児(しらさきかこ)
それだけ口にして
私に視線を合わせずに里子は廊下を再び歩きだした
白咲鹿児(しらさきかこ)
白咲鹿児(しらさきかこ)
こんな事になるなら
幼い頃
田志真梨紅(たしまりく)
こっちを見てきた男の子
確かこの子は、幼稚園が同じだったな
いっつも一人で座ってるだけの変な奴
例えそんな奴でも話しかけといた方が私の完璧美少女というイメージも崩れない
しかも目あっちゃったし
白咲鹿児(しらさきかこ)
田志真梨紅(たしまりく)
なんでお前が不思議そうな顔してるんだよ
白咲鹿児(しらさきかこ)
ブンブンと首を横に振る梨紅
そうだよね
田志真梨紅(たしまりく)
白咲鹿児(しらさきかこ)
田志真梨紅(たしまりく)
………
え、コレ私からなんか言わないといけないやつ?
白咲鹿児(しらさきかこ)
田志真梨紅(たしまりく)
キラキラと目を輝かせてこっちを見てくる梨紅
白咲鹿児(しらさきかこ)
あんな思い出、作るんじゃなかった
白咲鹿児(しらさきかこ)
梨紅はポケットに手を入れながら
視線を向けてくる
田志真梨紅(たしまりく)
白咲鹿児(しらさきかこ)
田志真梨紅(たしまりく)
田志真梨紅(たしまりく)
田志真梨紅(たしまりく)
白咲鹿児(しらさきかこ)
嫌味を連呼してくる梨紅に対する苛立ちを隠しながら
わざわざ気にかけてやるフリをした
田志真梨紅(たしまりく)
田志真梨紅(たしまりく)
そう言って、梨紅はカッターを自分の腕に勢いよく突き刺した
あれから私は、孤立した
あんな奴に構ったのは間違いだった