雄英高校のシステムは、常識を遥かに逸脱している 担任次第では、初日から___
1年A組
青空が広がるグラウンドで、相澤消太の指示に従い体操服姿で並ぶ生徒たち その晴天の下、彼らは、今しがた耳にした驚愕の言葉をどうにか理解しようと お互いに視線を交わす その中でも一際目を引くのは、変声機を着けた少女 体操服の着こなしも他の生徒達とは異なり、 無造作に巻いたジャージに、上はタンクトップ だがその格好もどこか彼女らしく、荒々しい雰囲気さえ漂わせている 薄い紫の髪をひとつに束ね、太陽の下に輝いていた
そしてその沈黙を破ったのは、不安そうに口を開いた麗日お茶子だ
麗日お茶子
相澤消太
相澤の冷ややかな返答に、麗日は言葉を失った 確かにヒーローという過酷な職業を目指すなら、 甘えた考えではやっていけないだろう しかし、入学式を待っている保護者達がこの状況をどう思うかを考えると、 戸惑いは拭えない まるで何も知らぬまま戦場に送り出される兵士のように感じる
相澤消太
相澤の冷静な言葉に、生徒たちは 「何を言ってるんだ?」とでもいいたげに戸惑う だが、変声機の少女だけは彼の意図を理解したのか、小さく舌打ちした
相澤消太
相澤消太
相澤消太
相澤は冷ややかにクラス全体を見渡しm一人の生徒に視線を定めた
相澤消太
どうやら、この変声機を着けた少女の苗字は命無というらしい 彼女はその冷たい視線に動じることなく淡々と答える
命無輝夜
常人離れした記録に、クラス全体がざわめく しかし命無本人は、無関心な様子で表情を崩さない それを見た爆豪は、苛立たしげに彼女を睨み着けた
相澤消太
命無輝夜
ぶっきらぼうな返事に相澤は内心で頭を抱えてえつつ 無駄に怒っても意味がないと判断し、黙ってボールを差し出した