初めて彼の声を聴いたのは、たまたま流れてきたラジオだった。 そこから一瞬で引き込まれて、気づけば毎日、曲を聴くのが日課になっていた。 そんな自分が、今日ついにライブに行けるなんて。 小さな箱での追加公演。まさかのチケット当選に手が震えたのは、まだ昨日のこと。 緊張しながらも、なんとか前方ブロックの隅に立てた。 照明が落ちて、ステージに現れた彼は、テレビやSNSで見るよりずっと…怖いくらい綺麗だった。 そして、その視線が一瞬だけ、自分のところに来た気がした。
〇〇
そう思ったのに、その夜、信じられないことが起きた。
元貴
終演後、物販列の端で休憩していたときに、後ろからかけられたその声。 振り返った先にいたのは――大森元貴、本人だった。
〇〇
〇〇
〇〇
元貴
にやっと笑って、彼はポケットに手を突っ込んだまま、わたしの顔をじっと見る。
元貴
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