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変な女

第1話 - 第1話

2025年05月15日

#ミステリー？

#ホラー？

ベルベルベール

今回の話は奇妙な女が出てきます。

どうぞお楽しみ下さい。

吉久

俺は吉久(ヨシヒサ)。

吉久

ただの自宅警備員だ。

吉久

そんな俺のルーティンは

吉久

自宅2階から女の子を見る事だ。

吉久

おっと、変態だと思ったそこのあなた。これには訳があるんだよ

吉久

あれは数週間前の事。

吉久

俺が久しく警備を中断し、買い物に行っていた時。

吉久

踏切を境に女の子と目が合った。

吉久

ここまでは何ら問題無かったんだが、

吉久

その女の子、俺の後ろをずっと着いてきたんだ。

吉久

商品を選んでる時も、会計する時も、帰り道までも。

吉久

なぜかわからないがずっとだ。

吉久

先に言うが俺の顔ははっきり言ってブサイクだ。万年自宅警備員の割には痩せ型だが。

吉久

何故そんな俺に着いてくるのか謎だった。

吉久

そこで俺、聞いてみたんだ。

吉久

「あの、着いてきてますよね？」

女

…

吉久

｢何故か答えて下さい。正直怖いです。｣

女

…

吉久

何と言っても返事は来ない。

吉久

警察に通報しようとしたがスマホを家に忘れてしまったようだ。何せ普段家から出ないからな。

吉久

なので俺はさっさと帰ろうと少し早歩きで帰宅した。

吉久

女も着いてきたよ。

吉久

俺が2階に上がると突然玄関扉がけたたましく音を立てた。

吉久

女がドアガチャを繰り返しているのだ。

吉久

俺は2階から覗く。

吉久

女と目が合った。

女

…

吉久

女がニヤリと笑みを浮かべた。正直不気味だ

吉久

警察に通報しよう

吉久

110番通報し警察が数分で駆けつける。

吉久

そこに女はいなかった。

吉久

とりあえず様子見という事で話がついた。

吉久

その夜、スマホの通知が1件来た。

吉久

誰だろうと思いつつメッセージを開く。

女

通報しないで

吉久

送り主はあの女だった。

吉久

鳥肌が立ったよ。

吉久

ひとまず落ち着いて返事をする。

吉久

｢お前は誰なんだ、どうして俺の連絡先を知っている？｣

女

もちろん知ってるわ。貴方はやっと見つけた私の王子様ですもの。

吉久

意味が分からなかった。

吉久

｢まず名前を教えてくれよ…｣

女

ひ･み･つ

吉久

｢そうかよ、これは立派なストーカー被害になるんだぞ。すぐ警察に突き出してやる｣

女

そんな事…できないよ

吉久

｢なんだって？｣

女

これ見ても同じ言葉が出せる？

吉久

そう言って女は1枚の写真を送ってきた。

吉久

そこには、俺の大切な本達が写されていた。

吉久

｢そ、それは！マイドリームブックス達！｣

吉久

俺は慌てて本棚をずらし小さな穴を見る。そう、俺の大切なマイドリームブックスは本棚のさらに奥に隠されているのだ。

吉久

｢な…無い…マイドリームブックスが…無い…｣

吉久

｢おい、どうやって盗んだ！｣

女

企業秘密〜。それより良いのかなぁ？通報なんてしたら、大事な本が消えてしまうよぉ。

吉久

｢全面的に協力する…お前の目的はなんだ？｣

女

そうだねぇ、じゃあ毎日決まった時間に2階から私を見る事。

吉久

｢は？｣

吉久

訳が分からない

吉久

｢なんの意味があるんだ？｣

女

毎日王子様の顔が見たいだけ。

吉久

こうして俺と女、謎のガン見時間が完成したって訳だ。

話は現在に戻り

吉久

あれから数週間…経った。

吉久

いい加減飽きた。

吉久

あの女もそこまでタイプの顔じゃないしな。

吉久

そうしていつもの時間が終わり、俺に自由が帰ってきた。

吉久

｢はぁ…｣

吉久

溜め息が出る。

吉久

｢ん？こんな時間に誰だ？｣

吉久

俺はメッセージアプリを開く

女

0QDKESDEVS EJTOEGJR M4 60L

吉久

あの女からだ。なんだこの怪文は？

吉久

……

吉久

少し考え俺はある物に目を付ける。

吉久

｢パソコンか！？｣

吉久

そう、この怪文はパソコンのかな入力に当てはめれば言葉になったのだ

吉久

｢わたしのいとしいひといまからいきますもうおわり｣

吉久

私の愛しい人、今から行きます。もう終わり。

吉久

｢なんだって！？あの女が今から来る？｣

吉久

｢通報しなくては｣

吉久

俺はすぐさま110番通報する。

吉久

｢ストーカーから今から行きます、もう終わりって連絡が！？助けて！｣

吉久

通報を終え胸を撫で下ろす。

吉久

その直後

ガチャガチャガチャ

吉久

ドアが激しく鳴り響く。

吉久

｢あいつだ…あいつが来たんだ｣

吉久

｢うわあああああ｣

吉久

俺は悲鳴をあげるしか無かった。この時チェーンをかけに行くなりすれば良かった。

ﾊﾞｷﾘ

吉久

ドアから嫌な音が鳴る。

吉久

｢嘘だろ…まさか…｣

吉久

俺が窓を見ると、ドアガチャしていた女の姿は消えていた。

吉久

｢あいつ、壊しやがった。｣

吉久

｢どうすれば…どこに隠れれば……｣

吉久

思考を繰り返していると、自室のドアが開かれる。

吉久

｢うわぁあああ！！！｣

吉久

俺は驚きその場で尻もちを着く。

吉久

女が自室に来たからという事も有るが、彼女の手には包丁が握られていたからだ。

吉久

｢なんだよ！おまえ！何なんだよ！｣

吉久

｢どうしてこんなことするんだ！｣

女

｢どうして…？私は一生忘れない…あなたにされた事を！｣

吉久

女が初めて口を開いた

吉久

｢俺に…された事…？｣

吉久

｢なんだよ…なんの事かさっぱりわからねえよ！｣

女

｢そ…じゃあもう終わりだね｣

吉久

女は俺に包丁を向けてきた。

吉久

｢本当に何も知らないんだ！教えてくれよ！おい！｣

女

｢…じゃあ｣

女

｢大原って言えばわかる？｣

バタバタバタ

吉久

女の言葉が終わった直後、部屋に警察が入ってきた。

吉久

女は警察に取り押さえられ、俺の所にも警察が駆け寄ってきた。

吉久

その後は取り調べやらで大変だった。

吉久

あの女は殺人未遂で無事有罪だそうだ。

吉久

あ…そうそう

吉久

俺の大切なマイドリームブックス達も帰ってきたぜ！

吉久

傷1つ付けられてなくて良かった。

吉久

だが、俺にはどうしても引っかかる事があった。

吉久

あの女の発言｢大原｣だ

吉久

どこかで聞いた事あるんだが思い出せない。

吉久

そこで最近連絡の取ってない友人に聞いてみた。

吉久

｢久しぶり。突然で悪いんだけど、大原って名前知ってるか？ストーカーがわかる？って聞いてきたんだが｣

友人

｢ちょwwwいきなり何？急にストーカーからとか言われても理解出来んww｣

吉久

｢ああ、ごめん実は…｣

吉久

俺は事の経緯を友人に説明した。

友人

｢なるほど、災難だったな。で大原だっけ？｣

吉久

｢そうそう、何かわかる？｣

友人

｢もちのろん。大原って言えば同じ中学じゃんwもしかして忘れてた？｣

吉久

友人に言われハッと思い出した。

吉久

大原って中学の時俺に告白してきたやつだ。

時は遡り中学時代

大原

｢好きです！付き合って下さい！｣

吉久

｢あー…ごめん、君タイプじゃないんだわ…ほんとごめんね｣

戻って現在

吉久

そう言って振った女の名前が大原…

吉久

まさか…ずっと俺を探してた？

友人

｢あ、今思い出した。｣

友人

｢大原って言えば別の女友達にこう言ってたんだと｣

大原

｢あの人しかいない…私の王子様は。あの人しかいないのに…｣

吉久

｢ひぇ…まじかよ｣

友人

｢だからずっと探してたんじゃないか？｣

吉久

｢そうかもな…当分は出てこないだろうけど…気を付けとくよ…｣

友人

｢気をつけてな、また何かあったら連絡してこいよ｣

吉久

｢おう、ありがとな｣

吉久

そう言って友人とのメッセージを終えた。

このお話はフィクションです。登場する人物は架空の人物であり実際に存在しません。

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ベルベルベール

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