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全てを捨ててから途方に暮れていたら
冴が帰ってくることになったことを 伝えられた。
花闇
今の私を見たら絶望するだろうか。 それとも何も思わないだろうか。
後者の方が私は気持ちがずっと楽だ
捨てると言っても 大切な事はしている 習い事はやめたし
勉強もあまりしていない。
あの時あぁしてればってのが嫌だから 最低限の勉強はしてる。
冴が帰ってくることは望ましくは無い。
けど、どこかでそれを喜んでいる自分がいる
もしかしたら、認めてくれるかもって あの時凛に『すごいな』って褒めてたみたいに
私が17・凛が16・冴が18の時だった
冴が今日帰国する…
今日はもう日が沈んでいるし 身体が冷える
帰りが遅いとお母さんが心配する だから凛を迎えにきたのに 凛がどこにいるかわからない
花闇
まさかとは思うが、居そう…
私は、近場のサッカーコートに急ぐ
冴が帰ってくるっていうのに 凛はこんな時間まで自主練してるの?…
花闇
花闇
本当にいた、
あれ?、あの髪色
花闇
冴
花闇
花闇
冴
花闇
よく考えたら、凛は下を見て俯いたままだし、
冴も目の下に隈をつくって寝不足のようだった。
異様な空気が漂ってて、たじろぐぐらいには、様子が変だった。
冴
それだけ言って冴は足を進めた。
花闇
冴
花闇
『お前はいらない』
『いらない』
頭の中でこの一言だけが繰り返し聞こえる。
私は呼吸をすることを忘れそうなくらいだった
花闇
冴
花闇
私の事、[糸師 花闇]として認めてくれないんだ…
幼少期 『下手くそだ』 って言われた時から裏で少し練習したの 勉強も頑張ったのに…?
二人は勉強苦手だよね? だから二人に無いもので追いつこうとしたのに…
“全部無駄になっちゃうじゃん”
みんな裏のことは見ないで結果だけを見てる。
結果を残さない私はいつまでも、糸師家の落ちこぼれ…
その噂みたいな濁っていたものが
今事実になって涙が出る。
冴
花闇
花闇
お願い冴。凛だけじゃなくってさ
花闇
花闇
こんなこと言ってもいつも冴が隣にいるわけじゃないし、無駄なんだろう けど、昔とは違うことは 見てわかるじゃない
せめて、『成長』の一言ぐらい 言ってくれればいいのに…
冴
冴
私のなかで何かが切れた音 『プチンッ』って、でもその正体は すぐわかった
希望ってこんなにもすぐに無くなるんだ
冴が私の隣を通り過ぎてゆく
花闇
私だけ、いつも
“置いてけぼり”
なの?、
花闇
頬を「ツー」っと流れていくのがわかった。
もう、いいのに 泣いたってなにも…かわりゃしない、
花闇
凛
花闇
全て捨ててから隣に立ってやる…
自分で這い上がってやる…‼︎
そう思ったのは、 雪の舞い降る寒い冬のことだった.
これからが最後の足掻き
待っててよ、凛、冴。 もう少しで、私も隣に並んで見せるから