猫さん

ひろと目線

俺は1度死んだはずだ

記憶はあやふやだけど確か誰かの恨みを買って刺された....気がする

その日は満月だった

自分で言うのもなんだが前世は結構もてていた

グサッ！！

...とまぁこんな感じで終わったと思う.....

気がつくと俺は天国らしき所にいた

案外こんなあっさり人って死ぬんだなーと思っていると

神っぽい人が俺に話しかけてきた

神っぽい人は後ろにある本を取り出した

それには「1996」と書かれていた

なんかよくわからんけどもう1回現世に行けるらしい

話を聞くと猫で現世へ行くけど恋愛をしてとある感情を抱くと人間になれるらしい

それだけいうと神は俺を押した

瞬きをすると俺は現世にいた

なんだここ...ダンボールに入ってるのか...？

え？捨てられてる？まじ？

だいぶ人生ハードモードじゃねーかよ

なにが可哀想だよこの状況こそが可哀想だわ

しかも雨降ってるし....寒っ

腹も減ったし....

ここに来てどれぐらいだっただろう

多分...2日？

2回朝日を浴びた記憶がある

生まれてから何も食ってないからもうふらふら

なんならずっと雨

もう1回あの世送り？

神様勘弁してよ

あ！人間！！！

一生懸命叫んでるつもりなのに声が出ないことにも驚いたが

そういえば俺猫だったから言葉発せられないわ

人間は俺を探しているのか？

その人はとても綺麗だった

どこか儚げで

目を離すとすっと消えてしまいそう

りょうちゃん...か

んで俺は色々あって今りょうちゃんの家にいる

人生初俺から惚れた...！！！

それ以上に性格が良すぎる

あとふわふわしてて可愛い

アプローチは散々されてきたけど....

アプローチのやり方は全っ然わからん！

あと俺猫だろ？

叶うわけねぇ〜...

そう思っているとりょうちゃんはお風呂から帰ってきた

鼻歌歌ってる

かわいい

しかもすっぽんぽんかよ

なんか着ろよ....

俺は下心満載で下半身を見た

こいつ...！！付いてやがる...！！

え？！男？！？！

俺の初恋はどうやら男だったらしい

衝撃的すぎる

それはそれでいいのでは...？

あれから24時間が経過

もうなんとも思わなくなった

性別が男だからなんだ

可愛いのは可愛いのだから良いだろう

愛に性別は関係ないってよく言うし

それより今日はりょうちゃんが落ち込んでいた

心配だ

りょうちゃんを嫌う人がこの世にいるのか、びっくりだ

あとそいつ俺の前呼んでこい説教だ

....まぁ俺猫だけど

それがりょうちゃんの儚くて良いところだろ！！

大丈夫だよ俺はいつでも味方だよ

そう思いながらりょうちゃんの鼻先を舐める

慰めるっていうか....まぁそんな感じかな

りょうちゃんの目からは涙がこぼれる

うぉぉぉ泣かないでぇぇぇ

泣いてる姿も美しいけど.....

俺は涙を拭うように舐める

ひ、ろと？

前世の名前だ

りょうちゃんすごい！！

エスパー？！？！

俺は嬉しいあまり鳴いた

一気に絆ができたのか急にりょうちゃんは思っていることを話し始める

...は？

気になってる人？

なんでだよ

俺がいるじゃんか

しかもその大森ってやつ聞き覚えあるんだけど

俺はりょうちゃんを引っ掻こうとする

...あ、危ねぇりょうちゃんの美貌に傷をつける所だった....

でももう俺怒ってるから！！

俺はそのままスタスタとベットの端に行き丸まった

ふんだ！！

俺も眠いからねよぉ

朝

朝起きると俺は人間に戻っていた

恋...はしたけどもうある感情になったのか...？

えぇー昨日思い出せ...

確か大森？って奴の話してたよな....

それで思ったこと...？

やめて欲しい...？

あ、嫉妬？！？！

俺もそんなこと感じるんだなぁ