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互いの空元気な声が玄関に響く 。
緩くなった靴紐を結んで 、
少しばかり大きなリュックを 背負ってノブに手をかける桃 。
俺は今 、 ちゃんと笑えているだろうか 。
最後くらい良い人で ありたかったのに 。
それで後悔しちゃえとか 思ってたハズだったのに 。
多分今俺の顔は 、 醜いほどに歪んでいる 。
_ 別れは突然 、とか 。
まさか俺も経験する事になるとは 思ってもみなかったな 。
ブツブツと後悔と未練しか残らない 頭で考える 。
まあ元々ケンカップル 、って やつだったし
今回もほんの小さな喧嘩だったけど
桃からすれば チリツモになってたんだろ 。
目の奥がジワジワと熱を帯びてくる 。
溢れ出しそうなナニカを 引き込めるべく
ぎゅうっと握りしめた拳 。
事の発端は桃から 。
それでも俺に非はあったんだし 、
素直にごめんって一言 言えば良かったのかな 。
そしたら桃もいつもみたく 俺の方こそごめんって 、
ぐるぐるぐるぐる回り続ける頭に
冷静になれと理性が止めるが 、 留まることを知らないのか 。
俺が悪かった桃が悪かった まだ引き留められる別れたくない
なんて
悪足掻きするみたいに 自我が顔を出す 。
ついに溢れた一粒の雫が 頬に伝いそうになった時 。
玄関の扉が閉まる寸前で 桃がポロリと零す 。
そうな悲しい事 、言わないでよ 。
喉の奥で詰まるその言葉は 素っ気ない「 うん 」で上書きされる 。
空気を含んだサヨナラを ただただ肯定するのみ 。
数年の幸せも 、 たった数日で壊れるものなのか 。
そんな事ないと分かっていながらも
一人 、孤独になった気がした 。
書きたいとこだけかきました
いつか続き書きたいなあ
ハピエンで終わるつもりではいる 。