揺れる体温

女の子じゃ、ないし 服くらい自分で脱ぐ

恥ずかしさはもちろん、あるけど 男同士だし、裸だって嫌じゃない

でもさ やっぱ違うんだ、この状況

キスの合間にウンソクが服を 脱ぎ始めて

僕より体は大きいのにどこか線の細い 柔らかな体を見ると、なんか

さらにドキドキしてしまう

上だけ脱いだウンソクは 仰向けの僕に馬乗りのまま じっと見下ろす

唇だけ笑ってる

……あとには、引けない

勢いで上を脱いでから ウンソクを見つめる

ふっ、と息を吐きながら優しく 今度こそちゃんと笑って

まだ僕の気持ちを、試してる

若干ヤケになってる説あるけど

今夜だけなら 好きになっても構わないだろ、僕

アントンを裏切るつもりはない

だけど、怖い

間接照明だけの、薄暗い部屋 ただ表情とかはちゃんと、見える

別に経験ないわけじゃないし それなりにしてるし、なのにさ

でもそっちは……初めてだから

相手が男なのも

ウンソクは僕の上をおりてズボンを脱ぐ

下着一枚の後ろ姿で僕を促す

腹決めて、立ち上がる 同じようにズボン、脱いで

僕に振り返って微笑むウンソクの背中に ついていく

ベッドルームはもう少し暗い

先にベッドに腰掛けるウンソクの 隣に腰掛ける

やっぱ気になって下を、見ると ちゃんと膨らんでる

ふたりして同じ仕草して見つめあって ちょっと、笑う

半笑いのニュアンス

今度こそ笑いながらの言葉

僕の言葉に弾けるように笑う 当たり前だろ、って

くっ……。 さらっと名前呼ばれるとやっぱり、くる

そのまま、太ももを撫でられて

指先が、僕の膨らみに触れる

指の腹だけで優しく、撫でて クスッと、笑う

くくく、とウンソクは笑いながら

ざらつく、やらしい声で ウンソクは言う

じっと見つめると、気付いたのか

待ち切れなくて、抱きしめたくて 自分から押し倒す

ウンソクは、お？　って顔をした

体を、擦り付ける ウンソクを僕より興奮させたい

僕から何回キスしたって ウンソクの方がきっと、余裕だから

唇が離れて、見つめ合う 淡い闇が僕らを盛り上げる

ウンソクが僕を、下にする 覆い被さって、耳元で

調べたことは調べた。 いちお、出るものは出した

ウンソクは、僕の返事に笑って

言って僕の首筋に、口付ける